秘書(役員秘書)を辞めたいと考えても「女性だと秘書からの転職は難しい?」や「どんな転職先がおすすめなのか?」など、秘書からの転職で悩みを抱える人は多いです。
秘書からの転職(再就職)では、転職理由を明確にした上で、現在の仕事の不満点を前向きな理由に言い換える工夫が必要です。そして、適切な会社選び・面接対策をして、転職活動の後悔を防ぎましょう。
今回は秘書からの転職難易度を現役転職エージェントが解説します。転職を失敗しないように、強みが伝わる志望動機のポイントや未経験からの異業種転職のコツを理解しておきましょう。
秘書から転職は難しい?
秘書から転職することは可能です。
秘書を経験されている方は、ビジネスマナーが身についており、細かい気遣いをすることができ、マルチタスクな業務をこなす事が出来るという事で、転職市場からの評価は高いです。
転職できる職種の選択肢としても事務職・営業職・広報(IR)・人事(採用担当)など様々な職種が考えられます。とはいえ、年齢との兼ね合いがあるので、ご自身の年齢に合わせた転職活動が必要になってくると思います。
ただし、男性の場合は、30代後半になると、秘書(役員秘書)から異職種への未経験転職は難しいです。できても大幅に平均年収が下がります。
また、女性の場合は、30代は結婚や出産でライフスタイルが変化しやすく、セカンドキャリア(キャリアチェンジ)を意識した転職活動をおすすめします。

秘書から転職と年齢の関係
秘書(役員秘書)の場合、異業界へ転職するか、もしくは経験を活かした転職をするかで変わってきます。
秘書から違う職種へ転職をする場合
過去の経験、仕事内容で選択肢が変わりますが、20代までが望ましいです。
30歳以降では職種を変えるのが非常に難しく選択肢が少ないため、ベースは秘書から秘書へ転職をし、組織規模、働く環境をより良くしていく転職が基本になってきます。
20代女性の場合
異業界へ転職をする場合は、20代が望ましいです。
基本的な選択肢としては「事務職」「営業職」をベースにジョブローテションで、採用人事、経理職、Webマーケティング、営業企画、総務といったキャリアパスを実現することができます。
選択肢が多い20代は、転職エージェントを活用すると良いでしょう。
20代にオススメの転職エージェントは、マイナビエージェントです。20代の転職支援に強みを持っているため、自分に合った求人を見つけやすい傾向があります。
30代女性の場合
30代では、ビジネスマナー、気遣いや思いやり、マルチタスクにおいて秘書から転職をする上では非常にアピールポイントにはなりますが、基本は秘書から秘書への転職となります。
未経験での業界・職種への転職については、中途採用が即戦力採用を目的にしているため年齢に対する経験スキル面から「書類選考」でお見送りになることが多い状況です。
30代になってライフスタイル・ライフワークバランスを重視するのであれば、秘書での経験ベースに入社し、ジョブローテションを視野に転職活動をするのがオススメです。
もしくは、組織規模を落とす選択肢もあります。
意外に思われる方も多いですが、経験豊富な秘書職は、ベンチャー企業からニーズが非常にあります。
マルチタスクもでき即戦力であり、また組織としては未熟なため採用ポジションも豊富にあります。
その為、秘書として採用されたとしても、それ以外の業務も積極的に希望すれば、経験させていただける場合が多いです。
とはいえ、大手志向で安定を求めてしまうことやベンチャーという言葉だけで敬遠されてしまうことが多いため、ベンチャー企業は代わりに福利厚生を手厚くしています。
例えばですが、社内環境を良くしたり、子育て手当や時短勤務、キャリアパス制度、リモート作業など色々あります。
大手にはない福利厚生を提供する代わりに即戦力を採用したいと考えているため、一つの選択肢として考えて頂くと良いかと思います。
40代女性の場合
40代以降は、秘書以外の職種で転職することは極めて難しくなります。
可能性レベルになりますが、前職・前々職での経験を活かせる分野で転職活動を進めることはできます。未経験での転職は検討せず、自身のスキルや経験を活かすことを前提に企業選びをすると良いでしょう。
その場合は求人媒体を利用したり、直接企業に応募し、選考を進めることをおすすめします。また、現職の環境が良い場合は、「転職しない」という選択も視野に入れておくと良いでしょう。

秘書で評価される強み・経験スキル
経営層の意図をくみ取る「先読み力」
秘書は単に指示を受けて動く存在ではありません。上司である経営層や役員の意図を先回りしてくみ取り、必要な準備を整える「先読み力」が求められます。
この力は転職市場でも高く評価され、特にマネジメント層のサポート役や、プロジェクト推進におけるアシスタントポジションで重宝されます。
相手の発言や空気感から「今、何を求めているか」「次にどんな動きが必要か」を読み取る力は、秘書業務で培われた特有のスキルであり、どのビジネスシーンでも応用が可能です。
タスクを漏れなく管理する「スケジュール・リスク管理能力」
多忙な上司のスケジュールを管理する秘書は、日程調整や会議設定だけでなく、万一のトラブルを見越したリスクヘッジも求められます。
この経験を通じて身につく「タスク管理能力」「リスク管理能力」は、事務職、営業サポート、さらにはプロジェクトマネジメント系の職種でも高く評価されます。
特に、複数案件を並行管理しながらも抜け漏れなく完遂できるスキルは、転職活動において大きなアピールポイントになります。「調整力」と「柔軟なリカバリー力」の両方を持ち合わせていることを示すと、さらに説得力が増します。
丁寧かつスピーディな「対人対応スキル」
秘書は、社内外問わずさまざまな人と接するため、相手に合わせたコミュニケーションスタイルを瞬時に切り替える力を持っています。たとえば、役員クラスに対しては簡潔かつ丁寧な報告を、取引先には礼節を重んじた応対を、現場社員にはフランクながらも適切な距離感を意識して接する。
こうした柔軟な対人スキルは、営業、カスタマーサポート、総務、広報などのポジションでも強い武器になります。「誰とでも信頼関係を築ける柔軟なコミュニケーション力」は、どの業界でも普遍的な価値を持っています。
情報を正確に扱う「守秘義務意識と正確性」
秘書は、機密情報や重要なビジネスの意思決定に関わる情報を日常的に取り扱うため、「守秘義務意識」と「情報を正確に処理する力」が自然と鍛えられます。
転職時には、これらのスキルは、金融、コンサルティング、医療、IT業界など、「情報管理が厳格に求められる業界」で特に高く評価されます。
また、単に口が堅いだけではなく、情報を正しく整理・共有するプロ意識も問われるため、職務経歴書や面接では、具体的な情報管理エピソードを盛り込むと説得力が増します。
上司をサポートしながらも自律的に動ける「主体性」
秘書というポジションは、「指示待ち人間」では務まりません。常に先回りして動き、トラブルが起きそうなときには自ら判断して行動に移す主体性が求められます。この経験を通して身につけた「主体的に行動できる力」は、転職市場でも非常に高く評価されます。
特に、事業部門のアシスタント職、営業事務、バックオフィス管理などでは「自分で考え、必要な提案やサポートができる人材」が重宝されるため、秘書経験は大きな強みになります。単なる「補佐役」ではなく、「上司を成功に導くパートナー」として動けることをアピールできると、ワンランク上の転職も狙えます。

秘書おすすめ転職先・キャリアパス
秘書としてのご経験は、ビジネス全体を俯瞰しながら細やかな気配りやスピード感を求められる、非常にハイレベルなポジションです。
このスキルセットは、秘書以外のキャリアにも幅広く応用できます。転職エージェントの立場から見ると、次のような転職先・キャリアパスが特におすすめです。
エグゼクティブアシスタント
まず最も自然なステップアップが「エグゼクティブアシスタント」への転職です。
秘書の経験をさらに発展させ、経営層に近い位置でビジネスサポートを行うポジションで、秘書よりも戦略的判断力や経営理解が求められます。外資系企業やスタートアップのCEO直下ポジションなどでは、年収アップも十分に狙えます。「ただの事務ではない」「経営の右腕として動く」キャリアを目指したい方に特におすすめです。
総務・人事・管理部門アシスタント
秘書としてのスケジュール管理能力や社内外との調整力を活かして、総務や人事といった管理部門へキャリアチェンジする方も多いです。
特にベンチャー企業では「総務・労務・人事サポートを一手に担う万能型アシスタント」を求める傾向が強く、秘書出身者は重宝されます。社内環境を整えながら、経営視点も持って動ける人材は、将来的には管理部門リーダーへの道も拓けるでしょう。
営業事務・営業アシスタント
「誰かを支える」「細やかなサポートで成果を後押しする」スタイルが得意な方には、営業事務・営業アシスタント職も非常に向いています。
特に、複数の案件を並行してサポートしながらも、納期管理やトラブル対応ができる秘書の方は、営業チームから非常に信頼されます。事務処理能力に自信がある方は、営業サイドと管理サイドの橋渡し役として活躍できるでしょう。
カスタマーサクセス職(特にBtoB企業)
IT・SaaS系企業などで増えている「カスタマーサクセス職」も、秘書経験者に適性が高いポジションです。顧客ごとにきめ細やかなサポートを行い、成功体験(=サービスの継続利用)を支援する役割は、まさに秘書業務で培った「相手視点」「気配り力」が活きる世界です。
特に、法人向けサービスを提供するBtoB企業では、相手が役員クラスや決裁者であることも多いため、ビジネスマナーや交渉力のある秘書経験者が重宝されています。
秘書経験を活かした独立・フリーランス
また、近年増えているのが「オンラインアシスタント」や「フリーランス秘書」として独立する道です。特にスタートアップ経営者や個人事業主向けに、スケジュール管理・資料作成・アポイント調整などをリモートでサポートする需要が急拡大しています。
会社員としての安定性は手放すことになりますが、柔軟な働き方や複数クライアントを持つキャリアを希望する方には、非常に魅力的な選択肢です。秘書+英語スキルがあれば、外資系経営者からのニーズもさらに広がります。
転職活動では「裏方の経験だから自信がない」と思い込まず「企業全体を支える視点で動ける人材です」と堂々とアピールすることが成功のカギです。
転職エージェントとしても、秘書経験のある方は幅広いポジションへの提案が可能なので、ぜひご自身の強みを前向きに捉えて次のステップを選んでいきましょう!
もし「自分にはどんな可能性があるのか、客観的にアドバイスがほしい」「どのキャリアパスが合っているのか一緒に考えてほしい」という方は転職エージェントにご相談ください。秘書としてのご経験を丁寧にヒアリングし、あなたに合ったキャリアプランを提案してくれます。

秘書からの成功事例・転職体験談
秘書からの転職体験談を紹介します。
【20代女性】秘書から営業アシスタント
新卒から3年間、メーカーの役員秘書を務めてきた私は、26歳のときに「もっと主体的に仕事に関わりたい」という思いが強くなり、転職を決意しました。
秘書業務はやりがいがあったものの、どうしてもサポート業務に留まりがちで、自分からビジネスを動かす手応えが欲しかったんです。転職エージェントに相談すると、秘書で培ったスケジュール管理能力や社内外調整力を高く評価され、営業アシスタント職を提案されました。
特に「提案資料作成やプロジェクト管理など、より業務の中心に近い仕事ができる」という点に惹かれ、SaaS企業の営業アシスタント職にチャレンジ。
無事内定をもらい、現在は営業チームの一員として、受注に直結する提案支援業務を担っています。サポートするだけでなく、チームの成果に直結する仕事ができる毎日に、転職して本当によかったと感じています。
【30代女性】秘書から管理部門アシスタント
32歳のとき、上場企業で6年間秘書をしていた私は、キャリアの次のステージを考え始めました。年齢を重ねるにつれ「単なる秘書業務だけでなく、組織全体を支える立場で成長したい」という思いが強くなったんです。
転職エージェントでは、これまでの秘書経験に加え、社内調整力や情報管理スキルを評価してもらい、総務・人事を兼任する管理部門アシスタント職を提案されました。
結果として、急成長中のITベンチャー企業の管理部門に転職が決まり、総務業務から社員教育のサポートまで幅広い業務に携わることができています。
特にベンチャーでは「自分で考えて動く」主体性が求められるため、秘書時代に鍛えた先読み力が大いに役立っています。「キャリアの幅を広げる」という目標を叶えられたことに、今は大きな手応えを感じています。
【40代女性】秘書からカスタマーサクセス職
42歳、外資系企業で長年エグゼクティブ秘書をしてきた私ですが、会社の事業縮小をきっかけに転職活動を始めました。
正直、年齢のハードルも感じて不安でしたが、転職エージェントに相談する中で「これまでの対人対応スキルや顧客志向が生きる仕事を選びましょう」と背中を押してもらえたのが転機でした。
紹介されたのは、ITベンチャー企業のカスタマーサクセス職。クライアントに伴走しながら成果を出すための支援を行うポジションで、秘書時代に磨いた「相手のニーズを先回りして動く力」が活かせる仕事でした。
最初は不安もありましたが、前職での高いビジネスマナーや柔軟な対応力を強みに、無事内定を獲得。
入社後も「顧客視点を大事にできる人材」として早期に評価され、今ではチームリーダー候補としても期待されています。年齢に臆することなく、新しいフィールドに飛び込んでよかったと心から思っています。
秘書からの転職で後悔しないために
秘書(役員秘書)から転職したいなら転職エージェントの利用をおすすめします。
求人サイトや会社HPから直接応募するのも良いですが、面接対策だけではなく、エントリー書類の準備からSPIの対策、企業と面接調整のやりとりまで自分ですべてしなくてはなりません。
現職を続けながらの転職活動の場合は、転職活動に割ける時間が少なくなるため対策や準備が満足にできないままSPIや面接に臨んでしまい、不採用になることも珍しくありません。
転職エージェントを利用するメリットはそれだけではありません。私が最も大きなメリットだと考えているのは「不採用の理由が分かる」という点です。
選考に落ちた理由が分かることで、次の選考に活かすことが出来ますし、転職エージェントと振り返りをすることで、さらに振り返りの精度を上げる事が出来ます。
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