公務員である消防士でも、転職したいと考えている人は多いです。消防士からの転職を考えているなら、転職理由や転職を成功させるポイントを理解しておかなければいけません。
消防士としての経験だけで転職しようとすると、希望の転職先に転職できない可能性も高いため、なんとなく決めてしまわないように注意が必要です。
また、民間企業との違いも理解しておかなければ、転職に成功しても後々後悔してしまう恐れもあります。
今回の記事を参考にして転職すれば、消防士からの転職でも後悔せずに民間企業で能力を活かせるでしょう。
目次
消防士から転職すると後悔する?
消防士から転職すると後悔しやすい理由は、下記の2つです。
- 民間企業と仕事への考え方が違う
- 公務員時代の福利厚生と比較してしまう
消防士は公務員です。そのため、消防士から民間企業へ転職すると、考え方や環境が全く異なります。公務員と民間企業の違いを理解しておかないと、転職後に後悔してしまう可能性も高いため注意が必要です。
公務員からの転職は、民間企業間の転職よりもギャップが大きいため、転職エージェントの利用がおすすめです。
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民間企業と仕事への考え方が違う
消防士は公務員で非営利団体であり、民間企業は営利団体であるため仕事に対する考え方がこ異なります。営利団体と非営利団体の違いは、下記表の通りです。
営利団体 | 国や地方公共団体などの職員として、広く国民に対し平等に働くことを活動目的としている |
非営利団体 | モノや価値、サービスなどを提供しその対価を得ることを活動目的とする組織体 |
出典:資格の学校TAC「公務員とは?民間との違いはどこにある?」
公務員と民間企業では、仕事をする目的が異なります。消防士時代は当たり前だったことが、民間企業は全く逆だということもあるため注意しましょう。
公務員時代の福利厚生と比較してしまう
公務員の福利厚生は、民間企業と比較しても福利厚生が充実しています。公務員は、下記のような福利厚生が整っています。
- 住宅手当
- 厚生年金
- 共済保険
- 年次休暇
- 病気休暇
- 特別休暇
- 介護休暇
- 扶養手当
- 育児休業手当
- 退職手当
上記はほんの一部であり、公務員の福利厚生の種類は把握しきれません。反対に、民間企業の福利厚生の充実度は企業によって異なり、ベンチャー企業やスタートアップ企業だと物足りなさを感じてしまうかもしれません。
給与面だけでなく「住宅手当」や「ボーナス」など、公務員時代は当たり前だと思っていたものがないと「転職して後悔した」と感じる可能性があります。
消防士を辞めたいと思う理由
消防士を辞めたいと思う理由としては、下記3つが挙げられます。
- 訓練や働き方が体力的に辛い
- 人間関係が築けず精神的に辛い
- 現場での精神的なショックが大きい
給与や福利厚生面では充実している公務員ですが、消防士は勤務体系が特殊なこともあり、辛いと感じやすいです。なぜ消防士を辞めたいと思うのかを理解しておくことで、転職すべきかどうかを判断しやすくなります。
訓練や働き方が体力的に辛い
訓練や働き方が体力的に辛いことを理由に、消防士を辞めたいと思う人が多いです。消防士は、訓練だけでなく出動や体力錬成などを毎日行っています。仕事の日だけではなく、休日も訓練をしなければいけないことも多いため、辛いと感じやすいです。
また、いつ出動要請があるかわからず、場合によっては数十キロもある防火服を着て作業しなければいけません。
長年働いていれば体力が付き、体力的に辛いと感じることは少ないです。しかし、1年目や2年目の職員であればあるほど、慣れない環境に体力的に辛いと感じてしまい、辞めたいと感じてしまいます。
人間関係が築けず精神的に辛い
消防士は、仕事内容や職種などの面から、体育会系になりがちです。体育会系では「上司や先輩の言ったことは絶対」のような風潮もあります。今まで、体育会系の部活経験がない人は、うまく人間関係が築けません。
人間関係が築けなければ、仕事中や休憩中でも肩身の狭い思いをしてしまう人もいます。
また、消防士は24時間勤務が基本であり、1日中一緒にいなければいけません。24時間一緒に働く中で、人間関係が築けていないと常に気を張ることになります。
以上の理由から、消防士として働く中で精神的に辛いと感じ、辞めたいと感じる人が多いです。
現場での精神的なショックが大きい
消防士を辞めたいと思う理由として、現場に出動した際の精神的なショックが大きいことが挙げられます。消防士の現場では、普段は目にしないような悲惨な状況を見ないといけないことが多いです。人によっては、精神的なショックを受けてしまう可能性が高いです。
精神的に辛いと感じても、出動要請があればどんな現場にも出動しなければいけません。悲惨な現場で様々な光景を目にすることで、徐々に精神的ダメージを追ってしまいます。
現場での精神的なショックを理由に辞めたいと感じている人は、誰かに相談してみるのがおすすめです。誰かに相談しても、耐えられないと感じるなら転職を検討してみましょう。
消防士を続けるメリットデメリット
消防士を続けるかどうかは、メリットとデメリットを理解した上で判断しないと、後から後悔してしまう恐れがあります。消防士を続けるメリットとデメリットは、下記表の通りです。
消防士を続けるメリット | 消防士を続けるデメリット |
雇用が安定している | 体力的・精神的に辛い |
給料や福利厚生が充実している | 長年勤務しないと出世できない |
健康な身体を保つことができる | 副業ができない |
消防士は、公務員であるため社会人としての環境はとても充実しています。民間企業へ転職すると、公務員時代のような環境を手に入れるのは難しいため、転職前に理解しておくことが大切です。
反対に、体力的・精神的な辛さだけでなく、年功序列が根強く残っており、数年で出世するのはほぼ不可能です。また、副業が禁止となっているため、副業で収入を増やしたい人は転職を検討しましょう。
消防士は一度退職すると、体力的にも戻るのがキツいです。消防士からの転職を考えているなら、メリットとデメリットを理解した上で、しっかりと考えることをおすすめします。
消防士からの転職で多い転職先
消防士からの転職で多い転職先は、下記3つです。
- 営業職
- スポーツインストラクター
- 消防士のための学校講師
上記3つは、消防士として働いた経験を活かしやすいため、人気の転職先となっています。適切な転職先選びができれば、転職後も能力を活かして働ける可能性が高いです。
営業職
消防士からの転職なら、営業職もおすすめです。営業職は、礼儀や元気の良さ、第一印象が重要であり、消防士からの転職に適した職業の一つです。
また、消防士は普段の人間関係だけでなく市民の人々との会話もあるため、コミュニケーション能力が求められます。
営業職へ転職すれば、消防士の経験も活かしつつ収入アップも狙うことが可能です。
ジムのインストラクター
消防士から転職するなら、ジムのインストラクターもおすすめです。消防士は日々身体を鍛えているため、鍛え方のコツや注意点を教えられる人も多いでしょう。
また、体の鍛え方だけでなく、常に100%のパフォーマンスを発揮するための休息方法も知っています。ジムには、消防士志望の人も来るため、インストラクターの仕事に活かしやすいです。
消防士のための学校講師
消防士からの転職でおすすめの転職先は、消防士のための学校講師です。救急救命士の資格があれば、学校の講師としても活躍できます。
より実用的な内容や経験をもとにした講義ができるため、転職後も活躍できます。
医療系の仕事に興味があり、資格も活かしたいと考えている人におすすめです。
消防士からの転職を成功させるポイント
消防士からの転職を成功させるポイントとしては、下記3つが挙げられます。
- 消防士の経験で得たスキルをアピールする
- 新たなスキルや資格を身に付けてから転職する
- 待遇面で消防士以上を求めない
消防士からの転職では、公務員から民間企業へ転職するからこそのポイントも多いです。「民間企業から民間企業への転職」とは異なる点を理解した上で、転職活動を進めましょう。
消防士の経験で得たスキルをアピールする
消防士から転職する際には、消防士の経験で得たスキルをアピールすることで転職に成功しやすくなります。消防士の経験から、直接的に活かせるスキルは少ないです。
しかし、消防士だからこそ得られる経験があり、間接的には他の職種でも活かせる可能性が高いです。消防士として働く中で得られるスキルには、下記のようなものがあります。
- 強靭な精神力
- 訓練で鍛えた忍耐力
- イレギュラーな事態における判断力
- 命を預かる仕事で得られた責任感
消防士は、命を預かる仕事です。どんな業務でも、少しのミスが命取りとなることを考えて行動するため、精神的に大きく成長できます。
上記に挙げたスキルは、どんな職種でも活かせる場面は多いです。消防士としての経験で得られた精神力があれば、ゼロからのスタートでも転職を成功させられます。
新たなスキルや資格を身に付けてから転職する
新たなスキルや資格を身に付けてから転職することが、消防士からの転職を成功させるポイントです。消防士は2交代制や3交代制などの働き方がほとんどのため、一般的にも休日が多くなります。
急いで条件に合わない企業へ転職するよりも、休日の余った時間を活用してスキルや資格を身に付けてから転職するのがおすすめです。消防士としての経験だけを強みにするよりも、他の強みを増やした方が転職に成功しやすくなります。
待遇面で消防士以上を求めない
消防士からの転職を成功させるポイントは、待遇面で消防士以上を求めないことです。消防士は公務員であり、待遇面だけを考えれば大手企業にも引けを取りません。
しかし、消防士から転職可能な民間企業は、ベンチャー企業や中小企業となることが多いです。
民間企業への転職で消防士以上の福利厚生を求めると、スキルと比例せず転職先が決まらないことがあります。消防士からの転職を成功させるためにも、転職前に譲れない条件を明確化しておくことが大切です。
消防士から転職するには「+α」が必要
消防士から転職する際には、消防士として働いた経験だけでなく「+α」となる強みを考えましょう。イメージしやすいものだと、資格取得がおすすめです。
資格は、誰が見ても能力を判断しやすく、選考でもプラスに働く可能性が高いため、転職成功率を向上させることが可能です。
消防士からの転職を考えている人は、今回の記事を参考にして、転職後に後悔しないような判断をしましょう。
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末永 雄大
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