施工管理の仕事は激務なイメージを持たれがちです。確かに激務になりがちではあるものの、実は定時で帰れるようなホワイト企業も存在します。
本記事では施工管理が激務なのか、実際の現状から解説し、ホワイトな職場を選ぶための方法を紹介します。
目次
施工管理は激務になりがちだけどホワイト企業も存在する
施工管理に対して激務なイメージを持つ人は多く、実際その通りではあります。しかし、施工管理の中にもホワイト企業は存在します。
施工管理の仕事が一般的に長時間労働になりやすいのは否めません。職責や業務内容の範囲が広大で、職人と工程の交渉をしたり、クライアントとのプロジェクト単価交渉などを受け持つこともあるためです。
ただ、こうした激務の原因は、作業量の多さと人手不足にあります。
逆に言えば、人手が十分かつ作業量を適切に配分できている企業はホワイト企業として、定時に上がるのも可能です。
作業量を適切に配分できるような企業は、施工管理の有資格者が1人ではなく数人いたり、現場監督をおこなえる人間が複数在籍していたりと、人手が十分な企業が多いです。
また、プロジェクト単価を十分確保していればその分作業員の数も増やせます。こういったホワイト企業を見つけていくことによって、施工管理の中でも激務な職場を避けられます。
ホワイト企業な施工管理の特徴
施工管理の中でも、比較的ホワイトで休みの取りやすい企業の特徴は以下の通りです。
- 地方の建設企業
- 派遣として働ける
- 社員の平均年齢が高い
- 財務状況が安定している
ここからはそれぞれについて解説します。
地方の建設企業
都会に比べると、地方の建設企業は定時で帰りやすいです。
なぜなら地方であれば、都会にあるような高層ビルの建設も少なく、基本的に公共事業や小規模な案件が増えるためです。
これら小規模な案件に、余裕を持って取り組めるので定時で帰宅するケースも増えます。
派遣として働ける
施工管理は忙しいイメージが強いものの、派遣として働けば決まった時間に帰宅できます。
そもそも派遣は一般の社員とは違い、派遣として時間単位で雇用契約を結びます。
そのため、あらかじめ契約した時間以上の労働は求められずに、自分でワークライフバランスを調節できます。
社員の平均年齢が高い
社員の平均年齢が高い企業も、比較的ホワイトな企業だと言えます。
なぜなら平均年齢の高さは、職場の環境が良く、退職者の少ない安定した職場であることを意味するからです。
財務状況が安定している
財務状況が安定している企業であれば、施工管理の労働時間は比較的短く済みます。
なぜなら、財務状況が安定していれば社員へ還元される給料も高く、労働人員に見合わない無理な工程計画を作らなくて済むからです。
こういった財務状況については、上場企業であれば四季報や有価証券報告書、IR資料を調べれば確認できます。
また、財務状況の安定を示す指標として、固定化されたクライアントを持っていることがあります。
企業にとってもっとも恐れることはクライアントがなくなることなので、継続したクライアントを持っている企業は財務状況が安定していると言えます。
施工管理が激務だと思われるのは業務範囲が広いから
施工管理の仕事が激務であると思われる理由はいくつかあるものの、どれも元をたどれば、施工管理の業務範囲が広いことに原因があります。
施工管理の業務は、高度かつ範囲が広いです。
おこなう業務範囲は、ひとことでいうと4大管理項目と呼ばれる「原価管理」「品質管理」「工程管理」「安全管理」の4つです。
文字にするとこれだけのように見えるものの、実際はそれぞれ、原価管理のために何人の職人が必要になるのか、資材はどこから仕入れるのか、建築資材はどれだけ必要なのか、など、考えるべきことが山のようにあります。
また、施工管理はこれらの計画を立てるだけでなく、実行も管理もおこないます。
このように施工管理はおこなう仕事の範囲が広く、それに加えて施工管理の仕事をおこなえる人も少ないため、激務になりがちです。
よく、ブラックな職場として、人間関係や上司の対応が厳しいことがあげられますが、施工管理はこういった人間関係ではなく、単純な仕事量で比較的忙しいと言われています。
ホワイトな施工管理の求人を探すなら転職エージェントがオススメ
激務になりがちな施工管理職で、激務を避けられ、定時で帰れるような求人を探したいなら、転職エージェントの利用がオススメです。
転職エージェントは転職者から希望の求人情報をヒアリングして、それにマッチした求人を紹介してくれる無料のサービスです。
転職エージェントは保有している求人の企業へ実際に足を運んだり、採用担当と直接、企業の情報を教えてもらっています。
そのため転職エージェントを利用すれば、1人では調べにくい企業の平均残業時間や有給取得率などを、把握できます。
とはいえサービスの仕組み上、サポートの質は担当のアドバイザーによるので、複数のエージェントを利用するのがオススメです。
施工管理は建築のほうが土木よりも激務になりやすい
施工管理の業種は大きく分けると、土木と建築の2種類です。施工管理が激務かどうかは企業にはよるものの、とくに激務になりやすいのは建築です。
建築系の施工管理は、かなり激務になりやすい傾向にあります。
現場によっては朝8時ごろから始礼が始まり、夜中に書類をまとめて深夜に帰宅して、3時間寝たらすぐまた現場、と激務な場合もあります。
建築系が激務になる理由は、プロジェクト単価が低いことと、作業員や管理者へ仕事を適切に配分できていないためです。プロジェクト単価が低くなってしまう原因は、建築系のクライアントが民間企業であり、なるべく原価を下げてやすい価格で発注しようとするからです。
とくに中小企業で施工管理をしていると、大手よりも安い価格の発注も受けざるを得ない状況になり、激務になりがちです。また、安い発注を受けることで利益も減り、新しい人材も雇えない負の連鎖へ繋がる場合もあります。
一方で土木の場合は、比較的プロジェクト単価は高く、激務になりにくいと言えます。
プロジェクト単価が高い理由は、土木の施工管理への依頼は主に、国家や地方自治体からの公共事業案件だからです。
ただ、プロジェクト単価が高い土木であっても、単純な人材不足によって激務になってしまう場合はあるので、注意が必要です。
施工管理とは
そもそも施工管理とは、ビルなどの建物を建築する際に必要となる予算の計算や、扱う材料の選定、実際に建築するまでのすべての工程を管理する職種です。また、施工管理技士の資格も意味します。
現場監督と似ているところは多いものの、現場監督は工事現場において工事の進捗など、建築の管理のみを担当する一方で、施工管理はそれに加えて役所への手続きやクライアントとの価格交渉など、受け持つ仕事の幅が広いです。
施工管理の資格はキャリアアップには必要
実は、施工管理の仕事には資格は必要ありません。しかし、キャリアアップを考えるなら資格を取得する必要があります。
なぜなら、「特定建設業」及び「一般建設業」の許可を受けた建設業者は、建設業法により営業所ごとに「専任の技術者」の配置が義務付けられているからです。
特定建設業の場合は1級、一般建設業の場合は1級または2級の資格保持者を配置する必要があるため、資格を保持している施工管理の技術者は企業からも高く評価されやすいです。
また施工管理の資格は、専門とする分野によって種類が様々です。
資格の種類は大きく、以下の6種類です。
- 建築施工管理技士
- 土木施工管理技士
- 電気工事施工管理技士
- 管工事施工管理技士
- 造園施工管理技士
- 建設機械施工管理技師
また、これら6種類の資格に対してそれぞれ1級と2級があるので、合計で資格は12種類あります。
施工管理はこれら取得する資格の専門分野と級によって、実務で関わる仕事の範囲が変わります。
2級の場合は、受注できる案件の上限額が決まっていたり、主任技術者にはなれても監理技術者にはなれないなど制限があります。
施工管理の資格については、以下の記事でも解説しているのでぜひご参照ください。
施工管理の仕事内容
施工管理の仕事内容は4大管理項目と呼ばれる、以下の4つです。
- 原価管理
- 工程管理
- 品質管理
- 安全管理
施工管理は、建築に使う材料の原価を管理するところから、建築の工程や、建築物の品質、作業員の安全管理など、建築に関わる様々なことに関わります。
施工管理の仕事内容については以下の記事で詳細に解説しているのでご参照ください。
施工管理の待遇
ここからは施工管理の待遇について、以下3つの観点から解説します。
- 労働時間
- 休日
- 給与
施工管理の労働時間はプロジェクト開始前なら短い
施工管理の労働時間は基本的に以下の通りです。
- 8:00〜9:00:始礼
- 9:00〜12:00:現場作業
- 12:00〜13:00:昼休み
- 13:00〜17:00:午後作業
- 17:00:定時
これだけ見ると、施工管理の労働時間は一般的なサラリーマンと大差ないように感じます。
確かに施工管理の仕事において、プロジェクトが開始する前は比較的定時で帰宅できます。ただプロジェクトが開始して、とくに納期直前などになると、品質管理や原価管理で残業をしなければならない場合もあります。
施工管理は基本的に週休2日制
施工管理の休日は比較的安定しており、基本的には完全週休2日制です。
施工管理はとても忙しく、休みも取れないイメージがあるかもしれません。
しかし施工管理はプロジェクト全体の管理業務をするため、実は、現場が動いていないときには、大きな仕事はとくにありません。
もちろん、エクセル作業のような数値管理などはおこなうものの、通常の勤務時間内でおこなう場合がほとんどです。
とはいえ、やはりプロジェクトが始まり納期直前などにトラブルがあった場合は休日を返上して働く場合も一定あります。
施工管理の年収は約457万円
国税庁の「平成30年分民間給与実態統計調査結果について」によると、施工管理の平均年収は約457万円です。
全体観としては、およそ400万円から550万円程度が相場です。
この給与をさらに上げていきたい場合は、施工管理として専門領域を広げる必要があります。他にも、専門領域へさらに特化したり、クライアントとの交渉や営業面へ特化する方向性があります。
しかし、施工管理はプロジェクト全体の単価が決まっているので、安定している反面で相場以上の高年収を稼ぐのは難しいです。
もし、相場以上の年収を稼ぐのなら、施工管理としてプロジェクトマネージャーをしながら、営業もおこなうアカウントマネージャーを兼任すれば大幅な給与アップも狙えます。
施工管理は女性でもなれる
施工管理の仕事は肉体労働なので、女性には難しいと思う人も多いです。
しかし、施工管理の仕事は肉体労働ではあるものの、比較的頭脳面の仕事も多いため女性でも働けます。
そもそも建設現場の仕事は基本的に肉体労働です。とくに現場作業の主力は男性です。
しかし、施工管理の仕事は現場作業よりも、管理や計画面など、体力よりも頭脳を用いた仕事がメインです。
もちろん労働時間が長引いて激務に繋がることはあり得ますが、単純な肉体労働があるわけではないので、近年では女性が施工管理の仕事をするケースも増えています。
ホワイトな施工管理の企業に転職する方法
ホワイトな施工管理の企業への転職を考えるなら、転職エージェントの利用がオススメです。
転職エージェントは、土日休みや年収など、あなたの希望する労働条件をもとに、求人を紹介してくれます。
弊社では施工管理の転職支援実績が豊富な、特化型の優良エージェントが多数在籍しています。
激務な現状から抜け出したい人や、施工管理としてさらなるキャリアアップを目指す人はぜひご相談ください。
末永 雄大
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