人事という職種は、『つぶしがきく』と良く言われます。この理由は、人事は一定以上の規模の企業には必ずある職種であり、仕事内容はどの企業でもほとんど同じであるからです。
もちろん、掘り下げれば企業ごとに業務領域やその深さに差はありますが、転職市場の求人上でもそこまで大きな差はなく、大体、同じ仕事内容で表記されています。
これまでの経験をどの企業でも役立てることができる人事ですが、その最高峰の役職は、人事部長やCHOです。
なかには、人事担当役員という肩書もありますが、今回は、最高峰である人事部長・CHOの違いについて触れながら、役割や人事部長やCHOになるために必要な経験やスキルを紹介してきます。
CHO(最高人事責任者)とは?
定義的な話をしますと、そもそもCHOとは最高人事責任者のことで、「Chief Humancapital Officer」の略称になります。
皆さんはCHOにどのようなイメージを抱いてるでしょうか?
多くの人は、採用担当者のイメージが強く、「自分が優秀な人を採用できる!」といった華やかなイメージを持っているのではないでしょうか。
ですが実際のところ、CHOは非常に「シビア」な立場です。
経営的な目線で、「将来、この人材はどのぐらいのパフォーマンスを秘めているのか?」「採用するコストと見合わせて、整合性がとれているのか?」
このような、採算性やリスクを踏まえた上で採用をしなければなりません。
ですので、正直良い側面だけではないということを、念頭に入れて頂きたいです。
その点から、CHOとは人事戦略だけでなく、経営戦略も含めて、企業の推進を行っていく責任者というのが分かるかと思います。
人事部長とCHO(最高人事責任者)の違い
「そもそも、人事部長とCHOに違いはあるのか?」
正直なところ転職市場において、この2つを分けて考えることはほとんどありません。
また、企業で考えても最近では欧米の流れによりCHOと表現することも増えつつありますが、人事部長とCHOの明確な実務上、責任上の違いはほとんどありません。
では、なぜ、人事部長とCHOの2つが存在しているのか?CHOという言葉は、輸入物で欧米から日本に流れてきた言葉です。
定義上では、CHOは、人事部長よりも人事領域の執行責任に重点を置き、その役割を持つ立場として、使われるようになっています。
人事部長がいてCHOがない企業は多くありますが、人事部長がなくてCHOだけがあるという企業はほとんど存在しません。
つまり、日本において、CHOよりも人事部長の方がなじみ深く役割やその意味が明確であるということが言えます。
人事部長・CHOの役割
人事部長とCHOのそれぞれの役割について。簡単に言ってしまえばほぼ同じですが、執行責任という観点で考えればCHOの方が重いです。
CHOはチーフ・ヒューマンキャピタル・オフィサーと言い、まさに人という資源の運用上の責任を持つ役割です。
この役割は、人事部長にもあり、CHOがいない企業であれば、人事部長や人事担当役員が務めます。
良くある肩書で担当役員人事部長という立場がありますが、担当役員と人事部長を一つにしている企業もあります。
求職者として、この違いを明確に理解する必要は転職活動ではあまり必要ありませんが、自分が希望する企業の組織上、CHOと人事部長のポストが存在する場合、どっちが立場的に上かは把握しておきましょう。
結論、CHOの方が人事部長よりも上に位置します。
2つが組織に存在する場合、CHOがより経営的な立場で仕事をしますし、人事部長は課長以下のマネジメントを中心に現場責任を負うことになります。
CHOになるために身につけるべき経験・スキル
人事部長、CHOともに人事職の最高峰であることは変わりません。なのでCHOになるためには基本的な人事職の経験は必須になります。
そして、人事として転職を考えている方、これから人事の仕事をしたいと考えている方の両方に、人事のキャリアパスとして知って頂きたい事があります。
それは、「スキルや経験が浅くても担当できる人事の仕事内容は新卒採用である」という事です。
新卒採用は自分で答えを探しに行く仕事で、法律などの明確な答えがある訳ではありません。
就活生の母集団形成や選考プロセス、面接手法、内定後のフォローから入社まで、一貫して自分の創造性を駆使して行うことができる仕事です。
自分で答えを探さなければならないという意味では非常に難しい仕事ですが、新卒採用の経験は非常に重要な経験になるでしょう。
ですが、それだけではCHOや人事部長に必要なスキルはまかなえません。
他に必要となるスキルとしては、2つあります。
- 採用、労務、教育、制度企画、評価の経験
- 入り口だけでなく出口の経験
採用、労務、教育、制度企画、評価の経験
人事の業務領域のなかで、新卒採用は採用という領域の1つに過ぎませんし、採用という領域だけで考えても他に中途採用や派遣、アルバイト採用があります。
また、全体で考えても採用の他に、教育・制度企画・労務給与計算という領域が人事の主な仕事です。時には出口(リストラ)も用意する必要があります。人事部長やCHOになるためには、このすべての領域での経験と実績が求められます。
特に重要なことは制度企画です。制度企画には、要員計画や人事異動など人的戦略の要素が存分に入っていますので、組織にいる人材をどのように活用することで経営的に良い影響を与えることができるか考える必要があります。
それに加えて、評価制度です。評価制度を設計、構築、運用まで担当したことがなければ経験値として人事部長やCHOになることは難しいです。
新卒採用からはじめて、労務⇒教育⇒制度企画という順にキャリアパスすることが人事部長やCHOになるスタンダードな道筋です。
入り口だけでなく、出口の経験
CHOの役割は、採用や評価制度の作成だけではありません。
採用することが入り口とした場合、リストラすること、出口を用意することも必要になってきます。
なぜなら、企業の経営的事情から社員をリストラしなければならない時というのは実際に起こりうるからです。
人事としてキャリアアップするには、感情に左右されず、より経営的な目線で人を取捨選択する力が求められます。
ですので、入り口だけでなく出口の経験は必要になります。
人事部長・CHOに向いている人とは
人事部長やCHOになるためには、人望や、社外的な人脈が必要となります。
昔は、人事は閉ざされた職種ということで経営的な立場で社員との交流は少ない職種でしたが、今は違います。
積極的に社員と交流し、社内一のマーケッターである人材こそが人事部長やCHOに適している人材と言えます。
しかしそれだけではダメで、マーケッター要素よりも実務経験の方が大事です。
実務経験がなければ、説得力に欠けますし、正当な制度企画や人事戦略を打ち出すことはできません。
経営上、人という最も重要な財産をより効果的に活用する非常に重要なミッションが人事部部長やCHOは求められますので、人間的魅力と実務的実績の2つは絶対に外せない要素です。
経験値を積むためには
人事として最高峰の立場になるためには経験を積むことが大事ですが、経験をつむためにどのような行動を取っておけば良いのかをお話します。まず、意識を社内だけではなく社外にも向けましょう。
年齢が若いうちから他社人事との交流を行ったり、人材事業を行う企業と交流を持って情報収集をしておいてください。この行動そのものが後々、人脈となり返ってきます。
そして、実務経験です。
なるべく早く実務経験を積み、ミスや失敗が許される年齢が若いうちに多くの失敗体験を積んでおきましょう。
成功体験はもちろん大事ですが、失敗から得ることの方が人事には多いです。
経験値を積むために、一生懸命、勉強する・・・ではなく、実務から経験を積みましょう。
CHOになるには?
人事であればだれしも憧れやいつかはその立場で仕事がしたいと思う人事部長やCHOですが、すべての人事マンのなかで最高峰の立場で仕事をすることができる割合は約1割程度です。
大半は、課長以下で人事マンとしてビジネス人生を終えることになりますから、最高峰の立場で仕事がしたいと思うのであれば、相当な努力と経験が必要になります。
そのため、歳を重ねても食べていけるように「新卒採用」だけせず、今のキャリアからステージアップをしましょう。
もしあなたが今の会社でそれができないのであれば転職も視野にいれるべきでしょう。
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