激務な営業職を辞めたいと考えても「営業職からの転職は難しいのか?」や「どんな転職先がおすすめなのか?」など、営業職からの転職で悩みを抱える人は多いです。
営業職からの転職(再就職)では、転職理由を明確にした上で、現在の仕事の不満点を前向きな理由に言い換える工夫が必要です。そして、適切な会社選び・面接対策をして、転職活動の後悔を防ぎましょう。
今回は、営業職からの転職難易度・おすすめ転職先を現役転職エージェントが解説します。営業職からの転職を失敗しないように、強みが伝わる志望動機のポイントや未経験からの異業種転職のコツを理解しておきましょう。
営業から転職は難しい?
営業から営業への転職は難しくありません。しかし、営業から違う職種は難しいです。また実績を残していない人は、営業職から営業職でも苦労します。
営業職はどんな業界でも一定のニーズがあり、中途採用の求人も多いため「転職しやすい」と思われがちです。しかし、実際に営業以外の職種や異業種にキャリアチェンジしようとすると、一気に難易度が上がります。
まず、営業経験者が希望する転職先としてよく挙がるのが「事務職」「企画職」「マーケティング職」などですが、これらは人気が高く、競争倍率も非常に激しい職種です。
実務経験が求められることが多く、営業で培ったスキルを“どう応用できるか”を明確に伝えなければ、書類選考すら通らないことも少なくありません。
さらに、営業職のスキルは「汎用性がある」と言われつつも、具体的に何ができるのかが見えづらい傾向があります。成果を数字で示しやすい反面、「この人がいたから売れたのか?それとも商品力か?」と評価されにくい一面もあり、他職種へのアピールが難しくなるのです。
転職エージェントの現場でも「営業としての経験はあるが、次に何がしたいかが定まっていない」「他職種の応募理由があいまい」といった相談は非常に多く見られます。営業職からの転職は、ポータブルスキルをいかに言語化し、再現性を持って他の職種に結びつけられるかが鍵です。
「営業職=つぶしがきく」と油断してしまうと、いざ転職活動を始めた時に「思った以上に選択肢が少ない」「書類が通らない」という壁にぶつかることになります。だからこそ、慎重なキャリア設計と、プロのサポートを受けた戦略的な準備が重要なのです。
営業からの転職よくある退職理由
転職理由を明確にすることで、志望動機と結び付けやすくなります。
営業から転職を考える4つの理由は以下の通りです。
- ノルマや目標を達成するのが大変
- 労働環境に不満がある
- 接待や会食などでストレスを感じる
- 専門性がなくキャリアアップできない
下記にて、詳しく説明します。
ノルマや目標を達成するのが大変
営業からの転職を考える理由の1つに、ノルマや目標の達成が大変なことが挙げられます。
多くの営業には毎月「売り上げノルマ」や「受注ノルマ」などが設定されており、決められた期間内でノルマを達成しなければなりません。
ノルマや目標を達成できなかったら、上司に怒られたり、厳しいことを言われたり、精神的に辛くなることもあります。
積み重なるプレッシャーに耐えきれなくなってしまい、ノルマ制度が全くない職業に転職する人がいます。
労働環境に不満がある
先程も記述したように、営業にはノルマや目標があります。
それを達成するために仕事量を増やして、仕事に打ち込むといったこともよくあります。
また、好成績な月があったとしても、それがずっと続くとは限りません。
契約を取れた月は給料が高く、取れなかった月は低いなど毎月の収入が定まらないこともよくあるでしょう。
労働時間に給料が見合わないことが多く、このような労働環境で働くのが辛くなり転職を考える人もいます。
接待や会食などでストレスを感じる
人付き合いが欠かせない営業は得意先との接待や会食がよくあります。
そういった連絡が休日でも退社した後も来ることが多いため、プライベート時間を確保するのが難しくなってしまいます。
電話がかかってきたら必ず出なければなりませんし、会食に誘われたら断るのも難しいでしょう。
大切なプライベート時間をゆっくり過ごせないことにストレスを感じて、転職を決意する人もいます。
専門性がなくキャリアアップできない
現在の職種では、キャリアアップできないことを理由に転職を希望する人もいます。
たとえ長く働いたとしても、専門性が身につくわけではありません。
職場の上司や先輩を見て、改めて会社でのステップアップは難しいと不安を抱くケースもあります。
また、将来性のない会社や雇用状態が不安定な環境で働いている場合、キャリアアップは厳しいでしょう。
キャリアアップを目的とした転職はポジティブな印象を与えられるので、面接では積極的に伝えてみてください。
とはいうものの、この悩みの根本的な原因は営業職ではなく、扱っている商材にあります。
営業職を通じて身につくスキルの一つは解決策を組み立てるスキルです。既存の顧客だけを相手にしていたり、有形商材だけを売っていると確かにこのスキルは身につきにくいかもしれません。
このような場合、必ずしも職種を変更する必要はありません。
営業手法や、商材を見直してみましょう。
営業からおすすめ転職先・キャリアパス
営業で習得したスキルを持っていることで活かせる転職先・キャリアパスをまとめました。
営業からおすすめの転職先は以下の通りです。
- 事務職
- マーケティング職
- コンサルティング企業
- 金融機関
- 不動産業
- 人材業界
主な仕事内容とおすすめな理由を詳しく説明します。
事務職
日商簿記検定の資格を事務職で活かせます。
営業で携わったことのある提案資料の作成は、事務職でも活かしやすい業務のひとつと言えるでしょう。
ルーティン作業が多いため、物事にコツコツと取り組むのが好きという方に向いています。
また、残業時間が少なく、土日祝日休みが多いためワークライフバランスが整うのでプライベート時間をしっかり確保できます。
マーケティング職
未経験では難しい場合も多いですが、前職で所属していた業界の知識を使ってマーケティング職に転職できる場合があります。
例えば、アフィリエイトメディアであれば、需要が高まっている業界の知識を持っている人が求められています。
例えば、前職で車を売っていたのであれば、車に関するアフィリエイトメディアで知識を活かせることがあります。
コンサルティング企業
中小企業診断士の資格をコンサルティング業界で活かせます。
主な仕事内容は、さまざまな悩みや課題を抱えた企業に成長戦略のアドバイスをすることです。
企業がどんな課題を抱えていて、どんな解決策を求めているのかを聞き出すヒアリング能力が必要です。
中小企業診断士を必要としているコンサルティング業界は多く存在するため、ニーズが高いといえるでしょう。
金融機関
ファイナンシャルプランナーの資格を金融関係で活かせます。
ファイナンシャルプランナーとは、節約から税金、投資や住宅ローンなど、ありとあらゆるお金のエキスパートのことです。
ファイナンシャルプランナーの資格を持っていれば銀行や保険、証券などの金融機関において即戦力となり、採用の可能性が高まるでしょう。
不動産業
宅地建物取引士の資格を不動産業界で活かせます。
宅地建物取引士とは、宅地や建物取引の専門家であることを示す資格です。
不動産業界において、資格保有者がいなければできない業務がいくつかあります。
そのため宅地建物取引士の需要は高く、未経験でも資格を持っていれば転職に有利だと考えられるでしょう。
人材業界
キャリアコンサルタントの資格を人材業界で活かせます。
キャリアコンサルタントとは、求職者や学生などを対象に職業選択や能力開発に関する助言、相談を行う専門家です。
人材業界で働くにあたって、キャリアコンサルタントの資格があると求職者からの信頼が高まります。
また、コンサルタントは企業と求職者の間に入って、面接や報酬などの対応をしなければなりません。
そのため、営業で培った高いコミュニケーション能力とヒアリング能力を活かせるでしょう。

リクルートエージェントは日本トップクラスの転職エージェントで、有名ベンチャー企業から上場企業まで幅広い求人数を誇ります。営業職から異業種へのセカンドキャリアを目指すなら、まずは登録することをおすすめします。
営業からの転職で活かせるスキル経験・強み
営業経験で培った以下のスキルは転職活動を有利に進めてくれます。
営業から転職する際に活かせるスキルは以下の通りです。
- コミュニケーション能力
- 対応力
- ヒアリング能力
- 商材の専門知識
下記にて、詳しく説明します。
コミュニケーション能力
営業では取引先や顧客、関係者などとのコミュニケーションは必須です。
営業のコミュニケーションは、「話すことが得意」とは違い、相手といかに早く信頼関係を築けるかが重要です。
このように相手の懐に入り込む高いコミュニケーション能力は、多くの職業にとっても必要となるので、大きな強みになるでしょう。
対応力
営業は常に効率を考えながら行動しているため、計画性に長けています。
顧客に合わせてスケジュールを調整したり、突然の予定変更にも臨機応変に動ける対応力を持っています。
このような能力は、効率化を必要としている業務において重宝されるでしょう。
ヒアリング能力
営業経験で得たヒアリング能力は、課題やそれに対する問題点を発見する際に役立ちます。
営業では売りたい商品やサービスをただ売り込むだけではなく、相手のニーズや要望をしっかりと聞き出さなければ契約につながりません。
また、ヒアリング能力以外にも、課題や問題点を解決して提案するスキルも持っているため、企業の利益向上に貢献できると期待されるでしょう。
商材の専門知識
意外と評価されるのが前職で扱っていた商材の専門知識です。
同じ業界内で、職種を変更する場合には、他の未経験者よりも有利に働きます。
営業からキャリアチェンジする4つのコツ
営業からのキャリアチェンジで成功するコツは以下の通りです。
- 自己分析をする
- 経験を活かせる仕事を探す
- 資格の取得を検討する
- アピールポイントを考える
- 転職エージェントに相談する
下記にて、詳しく説明します。
自己分析をする
しっかりと自己分析を行い、自分の長所と短所を明確にしましょう。
長所と短所を知ることで、自分に向いている職種が分かり、求人を絞り込めます。
希望する企業が決まっていれば、その企業でどのように長所を活かし、短所をどのようにフォローしていくのかを考え、伝えることができます。
経験を活かせる仕事を探す
営業経験を活かせる仕事を探すことで、「この人なら会社に貢献してくれる」と思ってもらえます。
また、これまでの経験を活かせる仕事なら、即戦力として活躍できることもアピールできるでしょう。
会社への貢献度の高さを示すことで、採用される可能性は高くなります。
資格の取得を検討する
営業として身につけたスキルを転職先に活かせるように、資格を取得するのもおすすめです。
企業によっては資格を取得していることで、選考時で有利になる可能性があります。
たとえば事務職を検討するなら簿記、不動産関係なら宅地建物取引士、金融関係ならファイナンシャルプランナーなど、志望する職業に必要な資格を取得してみましょう。
アピールポイントを考える
これまでの経験を今後どのように活かせるのか考えることが大切です。
面接で、「仕事をしてきて1番大変だったことは?」という質問をよくされるので、エピソードを用意してそれに合ったアピールポイントを考えましょう。
採用担当者がこの質問をする理由は、問題が起こった後の解決方法を知って、対応能力を確認するためです。
転職エージェントに相談する
転職エージェントに相談することで、転職のプロが転職活動の手助けをしてくれます。
自分では気付けないスキルや能力を引き出してもらえるのはもちろん、営業経験を活かして活躍できる求人の紹介をしてくれます。
自分に合った転職先が見つからないという場合は、ぜひ転職エージェントを検討してみてください。
営業から転職するときの志望動機のポイント3つ
志望動機からは、さまざま情報を読み取ることができるため最重視される傾向があります。
営業から転職するときの志望動機のポイントは以下の通りです。
- 企業が必要としている人物像を考える
- 転職したい理由を明確にする
- 入社意欲をアピールする
志望動機のポイントを意識することで、転職に成功する確率は上がります。
下記にて、詳しく説明します。
企業が必要としている人物像を考える
志望する企業やその業界について調べて、どのような人が必要とされているのか考えましょう。
必要とされている人物像が分かったら、自分の持っている強みやスキルとどう合うのか考えます。
転職活動において、「自分がその企業にとってどれほどふさわしいか」ということが志望動機を決めるにあたって重要なポイントになります。
転職したい理由を明確にする
転職したい理由を明確にすることで、志望動機がまとまりやすくなります。
企業が知りたいことは、「なぜ未経験の職種に挑戦しようと思ったのか?」ということです。
なぜ転職したいと思ったのか、なぜこの企業に入社したいと思ったのかなどを具体的にまとめておき、転職したいと思った経緯を、その企業を選んだ理由に結び付けられるようにしておきましょう。
入社意欲をアピールする
これまでの営業経験や自分の持っているスキルをどのように活かしていきたいのかを具体的にすることで、入社意欲をアピールできます。
未経験の業界で活かせるスキルや資格がないことはマイナスになってしまう可能性があるため、資格取得に向けて勉強していることや、その業界に入社するために取り組んでいることを積極的に伝えましょう。
営業から転職はできる!
営業から転職を考えているのであれば、転職先をしっかりと調査しなければ、同じ理由で転職を繰り返すことになってしまいます。
そうならないためにも転職エージェントを活用しながら、転職活動を進めることをおすすめします。
ご自身に合った転職エージェントを利用してみて、プロの力を借りながら転職活動を進めてみましょう。
転職支援実績No.1!日本最大級の定番エージェント
マイナビエージェント
20代支持率No.1!若手を採用したい企業の求人が多数
doda
転職者満足度No.1!サポート力に定評のある転職エージェント