人材業界は、未経験からの転職も比較的しやすく、若手を中心に人気が高まっている業界の一つです。特に「人と企業をつなぐ仕事がしたい」「やりがいのある営業やキャリア支援に携わりたい」といった理由から、人材業界を志望する方が増えています。
しかし一方で、「人材業界にはどんな職種があるの?」「未経験でも通用する志望動機はどう書けばいい?」といった悩みを抱える方も少なくありません。
本記事では、人材業界の主な仕事内容や職種の違い、面接でよく聞かれる質問への対策、さらにはすぐに使える志望動機の例文テンプレートまで、人材業界への転職を成功させるためのポイントをわかりやすく解説します。これから人材業界を目指す方は、ぜひ参考にしてください。
主な人材業界の種類
人材業界はそれぞれ役割が異なり、大きく分けると5つに分類されます。
- 人材紹介業
- 人材派遣業
- 求人広告業
- 人事コンサルティング
- 採用プラットホーム
人材業界にはさまざまな業態があり、それぞれのビジネスモデルやサービス内容、求職者との関わり方は大きく異なります。転職活動を進めるうえで、自分に合ったサービスを選ぶためにも、人材業界の基本的な仕組みを理解しておくことは非常に重要です。
ここでは、人材紹介業・人材派遣業・求人広告業・人事コンサルティング・採用プラットフォームの5つの分野について、わかりやすく解説します。
人材紹介業
まず「人材紹介業」は、求職者と企業の間に立ち、正社員や契約社員などの直接雇用を前提としたマッチングを行うサービスです。リクルートエージェントやdoda(パーソルキャリア)、JACリクルートメントといった大手が代表的な存在です。
特徴としては、転職エージェントが担当につき、キャリアカウンセリングから求人紹介、書類添削、面接対策、条件交渉まで一貫してサポートしてくれる点にあります。企業からの成功報酬型で成り立っているため、求職者は無料で利用でき、特にキャリアチェンジや年収アップを目指す中途転職者に向いています。
人材派遣業
次に「人材派遣業」は、派遣会社と雇用契約を結んだ労働者が、派遣先企業で一定期間働く仕組みです。
スタッフサービスやテンプスタッフ(パーソルテンプスタッフ)、アデコなどが業界の代表格です。派遣社員は派遣元から給与を受け取りながら、派遣先の指揮命令のもとで働くという点が特徴です。
比較的就業までのスピードが早く、短期・長期、フルタイム・パートタイムなど多様な働き方が可能で、育児や介護などライフステージに合わせて柔軟に働きたい人にとって選択肢になりやすい業態です。
求人広告業
「求人広告業」は、企業の求人情報を求人媒体に掲載し、応募を募るビジネスです。
マイナビ転職、リクナビNEXT、エン転職などがよく知られています。人材紹介のような個別サポートはありませんが、求人情報を自分のペースで比較検討できる自由度の高さが魅力です。
企業から掲載料を受け取る広告モデルのため、求職者は無料で利用でき、未経験歓迎や第二新卒向けの求人も多く、幅広い層に対応しています。
求人広告代理店
求人広告代理店とは、企業の採用ニーズに応じて、求人メディア(たとえばマイナビ転職、リクナビNEXT、バイトル、タウンワークなど)への求人広告掲載を代行・提案する企業のことを指します。求人広告代理店は、企業と求人媒体の“仲介役”として機能しており、採用課題に合わせた媒体選定や原稿作成、掲載後の応募効果分析などをワンストップで提供しています。
たとえば企業が「20代の若手を採用したい」「地方支社で営業職を募集したい」といったニーズを持っていた場合、求人広告代理店は複数の求人媒体の中から、予算やターゲット層に最も合ったプランを提案します。企業は媒体ごとに交渉や管理をする手間が省け、効果的な採用活動ができるというメリットがあります。
代理店は主にBtoBのサービス提供をしているため、求職者が直接やり取りすることは少ないかもしれませんが、実は求人情報の“見せ方”や“届け方”に大きく関与している重要な存在です。原稿制作を担うコピーライターやディレクターが在籍しており、応募者の目に留まるようなキャッチコピーや、求職者の不安を解消する丁寧な情報設計を行うのも代理店の役割の一つです。
大手では「ネオキャリア」「エン・ジャパン」「アドヴァンテージ」「クイック」「キャリアデザインセンター」などが有名で、それぞれが特定媒体に強みを持っていたり、中小企業支援に特化していたりと特徴はさまざまです。
中には、広告運用だけでなく、採用ブランディングやSNS広告、採用動画制作など、より広範なマーケティング支援を行っている代理店も増えています。
人事コンサルティング
一方で「人事コンサルティング」は、企業の採用戦略や人事制度設計、人材育成、組織開発などに関する課題を解決するサービスです。リクルートマネジメントソリューションズやリンクアンドモチベーション、パーソル総合研究所などがこの分野で実績を持っています。
求職者に直接的なサービスを提供するわけではありませんが、企業の採用方針や選考プロセスの設計に関わっているため、間接的に転職市場のトレンドや評価ポイントに影響を与える存在です。
採用プラットホーム
最後に「採用プラットフォーム」は、企業と求職者がオンライン上で直接つながることを可能にするサービスです。
ビズリーチやWantedly、OpenWork、OfferBoxなどがこれに該当します。企業がダイレクトリクルーティング(直接スカウト)を行うことが多く、求職者側もプロフィールを充実させることでスカウトを受けやすくなる仕組みです。
特に20代〜30代の若手やIT・Web業界志向の方に人気が高く、転職活動を“待ち”ではなく“選ばれる”スタイルに変えていく新しい採用の形として拡大しています。

リクルートエージェントは日本トップクラスの転職エージェントで、人材業界への支援に強みをもっています。
人材業界のリアル|やりがいの裏にある「疲れた」「やめとけ」の声
人材業界は、求職者と企業をつなぐ「橋渡し役」としてやりがいのある仕事ですが、その分、成果主義やスピード感のある職場環境に疲れを感じる方も少なくありません。「人材業界 疲れた」「人材業界 やめとけ」といった声がネット上で見られるのも事実です。
しかし一方で、人材業界で培ったスキルは他業界でも評価されやすく、人材業界出身者は転職しやすいという特徴があります。実際、人材業界から人事へのキャリアチェンジは王道の一つであり、企業の採用担当として経験を活かす方も多く見られます。
また、法人営業や課題解決力に強みを持つ方や実績を残した営業は、人材業界からコンサル業界へとステップアップするケースもあります。こうした動きは、キャリアの選択肢を広げるうえで大きなヒントになります。
特に人材派遣営業として働いていた方は、その経験を活かして他の営業職や人事・教育領域に転職することが多く、人材派遣営業の転職先としては、IT業界やBtoBの無形商材営業、またはインハウス人事などが挙げられます。
このように、人材業界での経験は将来のキャリア形成にとって大きな資産になります。たとえば、人材業界のキャリアパスとしては、現場での営業経験を経てマネジメントや事業企画へ進むルートもあれば、他業界にスキルを持ち出してさらに市場価値を高めていく道もあります。
加えて、人材派遣営業出身者のキャリアパスを考える際には、ただ目の前の数字を追うだけでなく、「人を動かす力」「課題を見抜く力」といったスキルをどう活用していくかがカギになります。
人材業界に転職は「人材紹介業」がおすすめ
人材業界への転職では特に「人材紹介業」がおすすめです。
というのも、人材紹介業は市場価値が高まりやすい業種の中でも、未経験からでも転職しやすい職種なんです。
ちなみに、市場価値が高まりやすい業界・職種というのは、需要が大きい業界×希少性の高いスキルが身に付く職種です。
その中で人材紹介業は、求人を出している企業と求職者を繋げる仕事です。
人材紹介業で身につくスキルは、有形商材を扱っていた場合よりもレベルが高く、「レベルが高いスキル≒希少性の高いスキル」といえます。
営業職の中では、難易度の高い無形商材の法人営業が最も市場価値が上がりやすいという定説の中で、人材紹介業も市場価値が高まりやすいのです。
仕事内容としては、人材紹介業の中で企業担当(RA)が企業と打合せや課題などをヒアリングして求人票をもらい、個人担当(CA)がその求人票を求職者に提出します。
市場価値だけに注目すれば、人材紹介業の中でも企業担当(RA)の方がおすすめです。
RA・CAは未経験でもチャレンジしやすく、人気も高いです。以下で詳しく説明しますね。
RA(リクルーティングアドバイザー/企業担当)とは
RAは企業営業として、事業展開に必要な人材を提案します。
求人を出したい企業と経営課題や事業問題などについてヒアリングを行い、求める人材のすり合わせや採用、育成についての問題を解決します。
RAとして働くことで、ビジネスモデル・組織・職種について幅広い知識が身につき、多くの人と関わるため、人脈が広がることが魅力のひとつと言えるでしょう。
CA(キャリアアドバイザー/個人担当)とは
CAは個人担当として、求職者と面談を行ないます。
スカウトや面談調節、面談当日にはキャリアカウンセリングをして、キャリアの棚卸や今後のキャリアなどについてヒアリングし、具体的な案件紹介を行います。
CAは求職者のキャリアプランを設計する過程に携わることができるので、大きなやりがいを感じられるでしょう。
人材業界に転職する際の面接で大切なポイント
人材業界へ転職する際の面接では、ポイントを押さえておくことが大切です。
- 人材業界の面接でよくある質問に答えられるようにする
- 人材業界が求める人を理解する
- 転職支援のプロからアドバイスを受ける
人材業界の面接でよくある質問に答えられるようにする
人材業界の面接では、以下の質問をよくされます。
- なぜ人材業界に転職しようと思ったのか
- その中でなぜ当社なのか
- これまでの取り組みで成果を出した経緯は?
- 入社後どのようなことに取り組みたいのか
- 今後はどのようなキャリアアップを考えているのか
上記の5点を踏まえて、答えられるようにしておきましょう。企業を選んだ理由についてはもちろんですが、将来について聞かれることが多いです。
後述していますが、企業での経験を得て、どのような将来にしたいのか事前に考えておくことが重要です。
人材業界が求める人を理解する
人材業界は人と接する仕事です。具体的には以下のようなスキル・マインドが求められます。
- 顧客志向
- 目標達成意欲
- 根気
企業や求職者に対して考え続けながら仕事をすることが、非常に重視されます。「人のために働いて、この人の役に立ちたい」と常に考えながら仕事をするマインドが必要です。
また、目標を達成する強い意志も必要です。企業によってはさまざまですが、一般的に人材業界では目標が設定されています。
仕事を紹介する場合は、担当した求職者が就職することが目標ですが、単に企業を紹介するのではなく、長く続けられそうな企業かどうかを考えながら提案しなければなりません。
目標のさらに上を目指し成果を出すことで、企業と求職者の満足度につながるでしょう。
人材業界では目標に対して努力をし、結果を出せることが大切なので、根気強さや向上心が高いことをアピールしてください。
転職支援のプロからアドバイスを受ける
転職支援のプロから的確なアドバイスを受けることで、採用される可能性が高くなるでしょう。
転職活動において大切なことは、自己分析をしっかりと行うことです。
自己分析を行うことで、自分に合った企業を見つけられるのと、長所や短所が明確になり、自己PRや志望動機がより具体的になります。
転職エージェントを利用することで、プロから転職活動はもちろん、自己分析についてアドバイスを受けられます。
自分では難しい自己分析をするためにも、転職エージェントを活用することをおすすめします。
人材業界に転職する際の面接で伝えること
人材業界に転職する際の面接で、自信を持って以下を伝えましょう。
- 企業の入社志望理由
- 志望する職種
- 経験や強みを活かし今後どのように企業へ貢献するのか
企業の入社志望理由
まずは企業の入社理由を明確にして伝えましょう。
そのためには業界研究を行い、企業の特色や強みを理解して、自分の目標と照らし合わせます。
また、同じ業界の他社研究を行うことで、「この企業でなくてはならない理由」が明確になり、より具体的な志望動機となります。
志望する職種
面接では志望する職種も同時に伝えましょう。
人材業界を目指す過程で、なぜその職種を目指すのかを明確にします。一口に人材業界といっても、職種によって仕事内容は大きく異なります。
それぞれの業務内容を踏まえたうえで、なぜその職種を選んだのかをよく考えて伝える必要があります。
経験や強みを活かし今後どのように企業へ貢献するのか
自身の経験や強みを活かし今後どのように企業へ貢献するのかを伝えましょう。
これまでの経験で得たことを「貢献」に繋げることで企業は「応募者は自社に対して何をしてくれるのか」かを知ることができます。
企業は「客観的に自分を見てスキルや強みを把握できて、企業で活かせる人だ」と認識するため、エピソード性を含めた内容で伝えましょう。
人材業界の面接対策:志望動機の例文テンプレ
志望理由・志望動機は転職活動を通して重要な部分なので、自分が納得いくまで考えて書くことが大切です。以下にて、志望動機の例文テンプレートを3つ紹介します。
志望動機の例文テンプレート1
私は人と企業を繋ぐ仕事をしたいと思い、御社を志望しました。御社は親身になって相談を受け、利用者としっかりコミュニケーションをとりながら企業を紹介できることが魅力だと感じています。親身になって相談を受け、利用者に合った企業を紹介することで、利用者と企業双方にとってメリットを生み出したいと考えています。
私は学生時代に飲食店でアルバイトをしており、お客様とコミュニケーションをとることで、ヒアリングスキルを身につけることが出来ました。このスキルを活かし御社でも利用者の話をしっかりと聞き出すことで、その人に最も合った企業を紹介したいと思っております。
志望動機の例文テンプレート2
私は仕事に対して、人生の大半を共にするものだと思っています。その人生を豊かにするお手伝いをしたいと思い、御社を志望しました。御社は転職紹介の実績に優れており、親身になって相談を受けその人に合った企業を紹介する姿勢に魅力を感じました。
私は大学時代にボランティアで福祉施設へ週に1回通っていました。そこで老若男女さまざまな人と関わり、コミュニケーション能力を身につけました。御社ではコミュニケーション能力を活かし、利用者一人ひとりに寄り添そった相談を心がけて、その人が求めるものを引き出しながら、御社の実績に貢献したいと考えています。
志望動機の例文テンプレート3
私は相手と向き合い、意図や要望を汲み取ってしっかり話し合った先に良いマッチングが生まれるものだと考えています。私は大学時代に人材派遣のサービスを利用して、アルバイトをした経験があります。
その際、スタッフの方には私が希望する条件などをしっかりとヒアリングしてくださり、親身になってアドバイスをしてくれました。紹介されたアルバイトも良いものばかりで、とても貴重な経験をさせていただきました。実体験で得た知識や経験をもとに、企業と利用者の双方が満足できるサービスを検討したいと思っております。
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人材業界には、多くの業種と職種が存在しています。職種によって求められるスキルや経験が異なるため、それぞれの職種について理解しておきましょう。
その中でも、未経験から転職しやすい人材紹介業はおすすめです。人材業界はスキルを磨いて行けば、キャリアアップしやすい業界です。
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