転職理由は面接結果に大きく関わる?正しい回答のポイントや例文を解説!

転職活動を成功させるためには、転職理由で面接官に好印象を与えられるかどうかが非常に重要です。他の部分で好印象を与えても、転職理由が曖昧だったり面接官に好印象を与えられなかったりすると転職に失敗してしまう恐れもあります。

しかし、事前に転職理由の伝え方のポイントや正しい回答例を理解しておけば、転職成功率を高められるでしょう。

今回は、転職理由で面接官に好印象を与えるポイントや具体的な回答例について解説します。この記事を参考にすることで、転職理由で面接官に好印象を与えることができ、希望の企業へ転職できるでしょう。

転職理由は面接結果に大きく関わる?

転職理由は、面接結果に大きく影響します。第一印象や自己PRなどで好印象を与えたとしても、転職理由が不適切であれば転職が失敗する可能性も高いです。

また、転職活動をしている人ということは在籍している企業を退職できる人物の証明でもあります。つまり、転職後にも会社を退職する可能性があるということです。

採用する側からすると、入社後に退職されると損失となってしまうため、採用を判断する時に転職理由をとても重要視しています。そのため、転職理由は企業が求める人物像に当てはまるかつ一貫性を持たせた内容にすることが重要です。

面接で聞かれる転職理由で好印象を与えるポイント

面接で必ず聞かれる転職理由で、面接官に好印象を与えるためのポイントは下記の3つです。

  • 転職理由では嘘をつかずポジティブに答える
  • キャリアプランや考え方に一貫性を持たせる
  • 転職理由に対してどのような行動を起こしたのかを答える

上記ポイントを押さえていないと、転職理由で面接官に好印象を与えられません。そのため、転職理由を考える際には、上記ポイントを全て押さえられているかを必ず確認しましょう。

転職理由では嘘をつかずポジティブに答える

転職理由を答える際には、嘘をつかずにポジティブに答えることが重要です。転職理由で嘘をついてもバレることが多く、嘘がバレると採用される可能性は低くなってしまいます。

転職理由を答える際には、できる限りポジティブに答えると面接官も悪い印象を抱きません。また、転職理由を答えた際に指摘を受けた場合には、内容を受け止めた上で成長する意欲があることも伝えるのがおすすめです。

キャリアプランや考え方に一貫性を持たせる

転職理由を答える際には、キャリアプランや考え方に一貫性を持たせるのも重要です。転職理由に一貫性を感じられないと、面接官は矛盾を感じてしまったり疑問を抱いてしまったりします。

また、転職理由に一貫性を持たせるために「前職は理想とするキャリアプラン・働く目的を実現するために最適ではなかった」ということを具体的に伝えましょう。

そして、入社後には理想を実現できる可能性が高い根拠を示せれば、転職に成功する可能性は高くなるでしょう。

転職理由に対してどのような行動を起こしたのかを答える

転職理由を答える際には、転職理由に対してどのような行動を起こしたのかを答えるのも1つのポイントです。面接官が転職理由を聞くのは、応募者の前職に対する愚痴を聞きたいわけではなく、不満を感じた時に何ができる人物なのかをみています。

つまり、漠然とした転職理由ではなく、転職しようと考えた理由を明確にして、具体的にどのような行動を起こしたのかを答えることが重要です。

面接官に好印象を与えられる転職理由の回答例

面接官に好印象を与えられる転職理由の回答例は下記の3つです。

  • 具体的な数字を用いながら転職を決意した理由を伝わる
  • キャリアチェンジにおいて前向きな転職理由がわかりやすい
  • リストラを受けたが前職に対しての感謝が伝わる

面接官に好印象を与えられるかどうかは、転職の成功に大きく影響します。面接を有利に進めるためにも、回答例を参考にして転職理由を考えましょう。

具体的な数字を用いながら転職を決意した理由を伝える

労働時間が長いことを理由に転職を検討する際の回答例は下記の通りです。

今の職場では入社当初から、毎日朝7時から夜12時までの勤務が常態化しています。同僚も同じ状況で、2年間にわたりアウトソーシングを提案したり、増員の要望を出したりしましたが、変化を好まない会社の風土もあり、「うちの会社はこのやり方でやってきた」と受け入れられませんでした。ワーク・ライフ・バランスを改善したいと考え、転職を決意した次第です。
引用:https://doda.jp/guide/mensetsu/interview/003.html

上記の回答例では、具体的な数字で示されているため客観的に見ても長く感じやすくわかりやすいです。

また、不満点に対して自分から行動を起こしたが受け入れられなかったという内容も、考えて行動できる人と感じてもらえるためおすすめです。

キャリアチェンジにおいて前向きな転職理由がわかりやすい

キャリアチェンジを理由に転職を検討する際の回答例は下記の通りです。

今の現職では営業職として勤務をしていますが、お客さまの声をじかに把握しているにもかかわらず、課題解決につなげられない現在の仕事に限界を感じています。上司に商品改善プロジェクトの立ち上げを提案したり、商品企画・開発部への異動願を出したりするなど、可能な限りのアプローチを試みたのですが、コスト・人員の観点から実現は困難であるとの回答が続きました。未経験ではありますが、顧客ニーズのくみ取りには自信があり、御社の商品企画チームで、顧客本位の商品づくりに邁進したいと考えております。
引用:https://doda.jp/guide/mensetsu/interview/003.html

上記の回答例では、キャリアチェンジにおいて前向きな転職理由であり、流れがわかりやすくまとめられています。

課題に対してできる限りのアプローチをした上で、解決できる将来が見えなかったため転職を決意しており、経験から転職後に活躍できる理由も伝わります。

転職理由を伝える際には、前職のことを悪く伝えるのではなく、ポジティブに伝えた上で転職後にも活躍できる根拠を伝えましょう。

リストラを受けたが前職に対しての感謝が伝わる

新型コロナウイルスの影響によってリストラされたことを理由に、転職を検討する際の回答例は下記の通りです。

「コロナ禍による経営不振で店舗を△△%閉店し、人員も〇〇〇人の削減になりました。リストラ対象は、閉めた店舗のカウンター営業職を中心が方針として示されました。まさかという思いでしたが、受け入れざるを得ない状況です。新卒で入社して同僚や上司には大変お世話になりチームワークも良く、コロナ禍以前は充実していたので残念ですが、良い機会と捉えてリモートワークにも対応できるIT関連の仕事へのキャリアチェンジを決めました。
引用:https://type.jp/tensyoku-knowhow/technique/interview/sample-questions02/

リストラにあった場合には、会社の責任だけでなく個人に問題がなかったかどうかも面接官は確認しています。しかし、上記の回答例では会社が閉店してしまったことが原因として語られており、個人には問題ないことがわかります。

また、前職に対しての感謝も伝わるため、転職後も愛社精神を持って働いてもらえそうだという印象を与えられるでしょう。

面接官が転職理由を聞くのはなぜ?

面接官が選考の際に転職理由を聞くのには下記の理由が挙げられます。

  • 転職した後に活躍できる人材かどうかを見極めるため
  • 転職後に不満があった時にすぐに退職しないかどうかを見極めるため

基本的には、上記を知りたいと考えていることから面接で転職理由を聞かれることが多いです。転職理由を聞く意味を理解していれば、面接官が納得する転職理由を考えやすくなるでしょう。

転職した後に活躍できる人材かどうかを見極めるため

面接官が転職理由を聞くのは、応募者が転職した後に活躍できる人材かどうかを見極めるためです。他人や会社に問題があり不満を感じたことを転職理由として伝えてしまうと、他責思考だと思われてしまい、活躍できなさそうだと思われてしまうため注意しましょう。

例えば、仕事全体の効率が悪いのを他の社員の能力や会社としてのルールのせいなどにしてしまうと、他責思考な人物であると思われてしまいます。

他責思考ではなく、自責思考で問題があっても自分自身で改善策を見つけられるかどうかで、転職後も活躍できるかどうかが決まるため、転職理由は自責思考を前提として答えましょう。

転職後に不満があった時にすぐに退職しないかどうかを見極めるため

面接官が転職理由を聞くのは、転職後に不満があった時にすぐに退職しないかどうかを見極めるためです。

例えば、転職理由が残業が多いと答えた場合には、転職後も残業があるとすぐに辞めてしまうのではないかと思われてしまいます。

残業が多いことを理由に転職するのは問題ないですが、転職後に残業が多くてもすぐに退職しない根拠も併せて伝えると好印象を与えられるでしょう。

面接時以外にも転職理由で注意すべきポイント

転職時の選考では、面接時以外にも転職理由で注意すべきポイントがあります。

  • 履歴書には論理的に一貫性を持たせて記載する
  • 職歴に関係ないことと結びつけない

転職を成功させるためにも、面接以外の部分での転職理由の注意すべきポイントも理解しておきましょう。

履歴書には論理的に一貫性を持たせて記載する

履歴書に転職理由を記載する際には、論理的に一貫性を持たせて記載しましょう。履歴書に記載されている内容と面接で答えた内容に一貫性がなければ、面接官は不信感を抱いてしまいます。

例えば、履歴書にはキャリアアップしたいからと記載しているのに、面接では待遇面や給料などの面で転職を考えたと伝えてしまうと、一貫性がなく何が本当の理由なのかわかりません。

そのため、面接と書類の転職理由に矛盾が生じないように、論理的に一貫性を持たせて記載しましょう。

職歴に関係ないことと結び付けない

履歴書に転職理由を記載する際には、職歴に関係ないことと結び付けないように注意しましょう。転職理由はあくまでも職歴の中から導き出すのが一般的です。

プライベートな内容を理由に転職したいことを伝えてしまうと、仕事とプライベートのメリハリがない人という印象を与えてしまいます。

プライベートの内容が、業務に直結している場合以外は、仕事上での経験をもとに転職理由を作成しましょう。 

転職理由の回答例を参考にして面接官に好印象を与えよう

転職理由をどのように伝えるかによって、転職が成功するかどうかも異なります。転職理由が同じでも、伝え方を工夫するだけで他の転職希望者とも差別化できるでしょう。

また、面接官が転職理由を聞く理由を理解していれば、イレギュラーな質問に対してもスムーズに答えられます。

今回解説した転職理由の回答例を参考にして面接官に好印象を与え、転職を成功させましょう。

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末永 雄大

新卒でリクルートキャリアに入社。数百を超える企業の採用支援を経験。2012年アクシス(株)設立、代表取締役兼転職エージェントとして年間数百人以上のキャリア相談に乗る。Youtubeの総再生数は670万回以上、Yahooニュース・東洋経済オンラインでも情報発信。著書「成功する転職面接」「キャリアロジック」