求職活動実績を証明する手段のひとつが、ハローワークで押してもらう「ハンコ」です。
失業給付の支給に重要な役割を担うハンコですが、ハローワークに行ったときに、うっかりもらい忘れてしまうケースも少なくありません。
本記事では、求職活動実績におけるハンコの役割やもらい方、もらい忘れたときの対処法までを詳しく解説します。
失業認定で失敗をしないために、正しい知識を身につけましょう。
ハローワークの求職活動のハンコとは?
求職活動実績を認めてもらうには、具体的な行動の証明が必要です。
証明方法のひとつとして有効なのが、ハローワークでの職業相談や紹介時に押される「ハンコ(印章)」です。
これは単なるスタンプではなく、失業保険の継続受給において非常に重要な役割を果たします。
ここでは、ハンコの意味や押される場所などを詳しく紹介します。
- ハンコが求職活動実績の証明になる
- 雇用保険受給資格者証の裏面に押される
ハンコが求職活動実績の証明になる
ハローワークでの職業相談や職業紹介をおこなった際に、対応した職員が「雇用保険受給資格者証」にハンコを押してくれます。
このハンコは求職活動実績として認められる証拠となるため、失業認定日での申告時に大変重要です。
ハンコがあることで「いつ、どのような活動をおこなったか」が一目でわかり、審査もスムーズになります。
 
雇用保険受給資格者証の裏面に押される
求職活動実績のハンコは、雇用保険受給資格者証の裏面に押されるのが一般的です。
裏面には「求職活動実績記録欄」が設けられており、そこに職員が日付とともにハンコを押印します。
雇用保険受給資格者証は失業保険受給中の証明にもなる大切な書類で、ハローワークでの手続きの際に提示を求められます。
 
ハロワークで求職活動実績のハンコをもらう方法
ハローワークでの求職活動実績は、雇用保険受給資格者証へのハンコ押印によって証明が可能になります。
実際のハンコのもらい方について、ケース別に紹介します。
職業相談でハンコをもらう方法
ハローワークで最も一般的に求職活動実績としてカウントされるのが職業相談です。
職業相談の内容は求人紹介、転職市場、キャリアプランの相談など多岐に渡ります。
相談窓口で職業相談を受けた後、担当者から「雇用保険受給資格者証」の裏面にハンコを押印されれば、求職活動を実施した証明になります。
 
オンラインセミナーで求職活動実績を作る方法を知りたい人は、下記の記事を参考にしてください。
職業訓練の相談でハンコをもらう方法
職業訓練の受講を希望する際、ハローワークでの事前相談が必要になります。
職業訓練に関する相談も「就職のための行動」として認められており、相談後にハンコをもらうことが可能です。
具体的には、訓練内容や受講条件、申込み方法などの説明を受けます。
ハンコをもらうには、相談終了後に「雇用保険受給資格者証」を提示し、押印を依頼します。
 
セミナー受講でハンコをもらう方法
ハローワークや自治体、提携機関が実施する就職支援セミナーに参加することも、求職活動実績としてカウントされます。
セミナーの参加証明としてハンコをもらうには、案内された窓口に「雇用保険受給資格者証」を提出し、確認を受ける必要があります。
 
求職活動実績のハンコをもらい忘れるとどうなる?
ハローワークでハンコをもらい忘れると、失業手当の支給に影響が出る場合があります。
ここでは、もらい忘れた場合のリスクを解説します。
失業手当の支給が先送りされる
ハローワークでの職業相談やセミナー受講を行ったにもかかわらず、証明となるハンコをもらい忘れた場合、実績として認められない可能性があります。
求職活動実績は、失業手当を受け取るために必須の条件です。
実績が確認できないと、手当の支給が延期され、期間分の失業手当が支給されません。
 
受給期間が長引く可能性がある
ハンコのもらい忘れが原因で、失業認定日に求職活動実績が2回に満たない場合、その回の認定は不成立となります。
その結果、手当の支給が見送られるだけでなく、次回認定日に回されることになります。
結果として受給スケジュール全体が後ろ倒しになり、受給期間が延びてしまうので注意が必要です。
 
毎回、相談や活動時には「雇用保険受給資格者証」を持参し、必ず押印を受けましょう。
求職活動実績のハンコをもらい忘れたときの対処法
万が一ハンコをもらい忘れた場合でも、職員が記録を残しているケースが多いため、ハローワークの窓口で申告すれば対応してもらえる可能性があります。
特に活動をおこなった当日中であれば、窓口に戻って事情を説明し、その場でハンコを押してもらえる可能性が高いです。
活動から数日経っていても、ハローワークは相談記録を残しているため、日時や相談内容を伝えれば確認が可能です。
 
ハンコなしで求職活動実績を簡単に作る裏ワザ
求職活動実績といえば、ハローワークでの職業相談やセミナー参加が定番ですが、それ以外にもハンコ不要で実績として認められる活動が複数存在します。
特にオンラインや民間サービスを活用すれば、在宅のままでも実績を作ることが可能です。
ここでは、簡単に実績を積み上げるための裏ワザを紹介します。
転職フェア・合同説明会に参加する
転職フェアや合同企業説明会は、多くの企業がブースを構え、求職者と直接対話できる貴重な機会です。
ハローワーク主催のものだけでなく、民間主催のイベントも求職活動実績として認められます。
特に入場時に受付記録が残る形式や、参加証明書が発行されるものは確実に実績として認められます。
 
オンラインセミナーを受講する
自宅にいながら参加できるオンラインセミナーも、求職活動実績に認められる活動のひとつです。
セミナーの内容が就職活動やスキルアップに関連していれば、ハローワーク主催でなくても認定されることが多いです。
求職活動実績として認められるには、セミナー参加履歴のスクリーンショットや案内メールなどを証拠として保存しておく必要があります。
 
オンラインセミナーで求職活動実績を作る方法を知りたい人は、下記の記事を参考にしてください。
資格試験や検定を受ける
資格試験や検定試験の受験も、求職活動実績として見なされます。
ただし、すべての資格・検定の受験が実績として認められるわけではなく、就職に直結する資格・検定に限定されます。
- MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)
- ITパスポート
- FP(ファイナンシャルプランナー)
- 宅建
- 簿記(日商簿記検定) など
合否は関係なく、試験が不合格であっても求職活動実績として認められます。
 
ただし、受ける資格の内容が実績として認められるかは、ハローワークによって判断が分かれます。
心配な場合は、事前に「この資格を目指しているのですが、この受験は実績になりますか?」と確認しておくと安心です。
求職活動実績を簡単に作る裏ワザは、下記の記事でも詳しく解説しています。
転職サイトから求人応募する
インターネット上の転職サイトから求人に応募することも、立派な求職活動です。
応募後に企業からの返信がなくても、「応募履歴の画面キャプチャ」や「応募完了メール」があれば、それを証拠に活動実績として報告できます。
大手転職サイトであれば、履歴が残るため、ハンコがなくても実績にカウントされます。
転職エージェントの面談を受ける
転職エージェントとの個別面談も、求職活動実績になります。
面談では職務経歴書の添削や求人紹介などがおこなわれるため、実質的に「職業紹介を受けた」と見なされます。
対面・電話・オンラインなど、面談の形式は問われません。
一部エージェントは、希望すれば面談記録をメールで送ってくれるので、証拠資料として役立ちます。
転職エージェントの面談方法や準備すべきものを知りたい人は、下記の記事を参考にしてください。
リクルートエージェントの登録は下記のボタンよりできます。無料で利用できますので、ぜひ登録してみてください。
求職活動をした後の失業認定申告書の書き方
ハローワークで失業認定を受けるには、求職活動をした証拠を「失業認定申告書」に記入する必要があります。
記入方法はハンコの有無によって少し異なるので、事前に確認しておくと安心です。
ハローワークのハンコがある場合
ハローワークで職業相談やセミナーを受けた際に押してもらったハンコがあれば、申告書への記入は簡単です。
「求職活動の内容」の欄に「ハローワークで職業相談」「職業訓練の相談」など具体的な活動内容を記入し、活動日を明記します。
雇用保険受給資格者証に押されたハンコと一致する日付であれば、確認もスムーズです。
 
スムーズな認定に繋がるため、ハローワークの職業相談やセミナー参加後には必ず押してもらいましょう。
ハローワークのハンコがない場合
インターネット経由での求人応募や、転職フェアや民間エージェントで活動した場合など、ハローワーク以外での活動はハンコがもらえません。
ハンコがない場合は、申告書に具体的な活動内容・日付・証明方法を詳しく記載する必要があります。
たとえば、転職エージェントを通じて求人に応募した場合は、「○月○日 リクルートエージェントから株式会社○○に応募」と明確に記載します。
 
活動内容の証明になるもの(応募完了メール、参加証明書など)を保存し、必要に応じて提示できるようにしておきましょう。
ハンコが必要ない求職活動をする場合の注意点
ハローワークの窓口で直接ハンコをもらわなくても、求職活動として認められる手段は多く存在します。
ただし、ハンコが不要でも「実際に活動を行ったことが証明できる」ことが重要です。
ここでは、ハンコが不要な活動を選ぶ際に気をつけたいポイントを紹介します。
求職活動をした証拠がないと認められないことがある
ハンコがない求職活動を実績として申告する際は、「実際に活動したことを証明できるか」が判断の基準になります。
たとえば、オンラインでのセミナー参加なら参加完了メール、転職サイト経由の応募なら応募履歴のスクリーンショットや応募完了メールなどが該当します。
証明がない場合、ハローワーク側で「実際に活動がおこなわれたのか」が判断できず、不認定になる可能性があります。
 
不認定になると失業手当が支給されないので、活動後は必ず証拠となる記録を残し、提出・提示できるようにしておきましょう。
求職活動実績として認められないものもある
求職活動実績として認められるには、応募や職業相談、セミナー参加など、具体的な行動を伴う必要があります。
単なる求人検索や知人への相談など、「具体的な行動」が伴わないものは実績として認められません。
- インターネットで求人検索
- 求人票の閲覧のみ
- 気になる企業にメール・電話で問い合わせ
- 転職サイト・派遣会社への登録
- 知人や友人への就職相談・仕事の紹介依頼
勘違いしやすい内容も多いため、迷ったときはハローワークで確認するのが確実です。
求職活動のふりをすると不正受給とみなされる
失業保険は「就職する意思と努力があること」が前提で支給される制度であり、求職活動のふりは不正受給にあたります。
悪質と判断されれば、支給停止や返還請求に加えて、刑事告訴の対象になることもあります。
 
虚偽の申告はせずに、毎回誠実な申告を心がけることが大切です。
求職活動のふりをするリスクを詳しく知りたい人は、下記の記事を参考にしてください。
求職活動実績のハンコによくある質問
求職活動実績のハンコによくある質問と回答をまとめました。
ただし、同日に2回相談しても1回分にしかカウントされません。
職業相談のみで実績を2回作りたいなら、別日に再度相談する必要があります。
職業相談だけで実績を2回で作る方法は、下記の記事で詳しく解説しています。
事前に聞きたい内容をメモし、気になる企業をピックアップしておけば、相談時間は5〜10分程度で終了します。
混雑する曜日や時間帯を避けて来所するのもポイントです。
一般的に開庁直後の午前8時半~9時台や夕方間際の時間帯は空くため、職業相談をスムーズに終えられます。
ハローワークでの職業相談をすぐに終わらせたい人、効率的に進めたい人は、下記の記事を参考にしてください。
たとえば、企業への応募記録やセミナーの出席履歴、転職エージェントとの面談記録などが対象です。
職業相談や職業訓練など、ハローワーク側で実施した内容であれば内部データから確認可能ですが、外部の活動については証明できるものが求められます。
求職活動実績に不備があると認定されない可能性があるため、正確な記録を残すことが重要です。
求職活動実績はインターネット応募でも作れます。ハローワーク以外で求職活動実績を作るときの証明方法を知りたい人は、下記の記事を参考にしてください。
































