外資系コンサルは転職市場で人気の職種です。仕事内容や名前の響きなど、キラキラしたイメージを持たれがちな外資系コンサルティング企業ですが、転職者に求められる基準は非常に高いです。
本記事では、外資系のコンサルへ転職したい人に向けて、転職で求められる経験や、向いている人の特徴を解説します。
目次
外資コンサルへの転職に求められる経験・スキル
ここからは外資系のコンサルへ転職する際、求められる経験やスキルについて、学歴や語学力など、複数の観点から解説します。
外資コンサルへの転職でニーズの高い業界・職種
外資コンサルへの転職では、経験していると優遇されやすい業界と職種があります。
外資コンサルでニーズの高い業界は以下の通りです。
- 自動車業界
- 産業機械
- 食品
- 銀行・証券
- 保険
- 不動産
- 運輸・鉄道
- エネルギー
- 情報通信
また、外資コンサルでニーズの高い職種は以下の通りです。
- 経営戦略
- 会計財務
- IT・マネジメントサービス
- 組織・人事
- クラウドマネジメント
これらの業界や職種にて一定の成果を出した経験と知識は、外資系コンサルの業務に比較的近く、その分転職では求められやすいです。
また職種に関して言うと、ニーズの程度は違うものの、他にも経営企画や事業企画、マーケティングの領域で経験があれば、求められやすいです。
語学力は必須ではないものの重要
外資系コンサルへの転職では、英語などの語学力が重視されます。
語学力は必ずしも必要ではありませんし、語学力がなくても転職を成功する人は多くいます。
しかし外資系コンサルはやはり、海外のクライアントを相手にするプロジェクトが多いので、語学力を求められる場面はどうしてもあります。
そのため、語学力は必須ではないものの、語学力があるだけで比較的優遇はされやすいです。
外資系コンサルでは学歴も重視される
ボストンコンサルティングやマッキンゼーなど、外資系の戦略コンサルティングファームでは学歴も重視されます。
たとえ優れた実績や経験があったとしても、書類選考において学歴が原因で足切りをされてしまう場合もあります。
そのため、東大や早慶などの日本におけるトップクラスの大学出身でない人は、外資系の中でも総合系ファームへの転職がオススメです。
総合系と呼ばれているファームは、戦略立案から運用までをトータルにサポートしており、戦略立案に特化した戦略ファームよりも入社できる可能性は高いです。
また総合系ファームで実務経験を積むことで戦略系ファームへの道が開ける場合もあります。
その他、トップクラスの経営大学院でMBA取得すれば、選考においてアドバンテージになりやすいです。
未経験から外資系コンサルへの転職は35歳がボーダライン
外資系コンサルへの転職では、年齢も1つの採用基準です。とくに未経験の場合は基本的に20代、高くても35歳が転職のボーダーラインです。
転職では基本的に、20代のうちは「ポテンシャル採用」と呼ばれる枠があり、未経験でも採用される可能性が高いです。一方で30代以上になると即戦力としての経験が求められるので、高い実績やマネジメント経験などの成果を出した人材でなければ転職は難しいです。
ただ、これはあくまで未経験者の場合で、他のコンサルティングファームを経験した人であれば年齢はそこまで重視されず、これまでの実績があれば転職できる可能性は高いです。
未経験からコンサルへの転職を成功させるための方法については以下の記事で詳しく解説しています。
代表的な外資コンサルの企業と領域
ここからはコンサルティングの主な領域とそれぞれを代表する外資系ファームをご紹介していきます。
コンサルティング企業の主な領域は以下の通りです。
- 戦略系ファーム
- 総合計ファーム
- IT系ファーム
- 組織・人事系ファーム
ここからはそれぞれの領域ごとに、仕事内容や代表的な企業を紹介します。
戦略系ファーム
戦略系ファームとは、企業の戦略立案に特化したコンサルティングファームです。
中長期戦略やビジョンなどの経営戦略や、営業やマーケティング、ブランディング戦略といった部門ごとの戦略を立案します。
外資系の戦略ファームはとてもコンサルティングの費用が高いのが特徴です。そのため、外資戦略ファームのクライアントには有名な大企業が多いです。
代表的な戦略系ファームには以下が挙げられます。
- ボストンコンサルティンググループ
- マッキンゼーアンドカンパニー
- A.T.カーニー
総合系ファーム
総合系ファームは、経営戦略や事業戦略といった上流工程から、システムの構築・導入支援や業務アウトソーシングに至るまでのあらゆる工程を支援するコンサルティングファームです。
ファーム内にはコンサルタント職以外にもSEや財務分析といったそれぞれの領域のスペシャリストが在籍しており、企業全体の課題に対して一貫したサポートを実現しているのが特徴です。
代表的な総合系の外資コンサルティングファームは以下の通りです。
- アクセンチュア
- PwCコンサルティング
- べリングポイント
IT系ファーム
IT系のファームは、IT技術を駆使した業務改革やシステムの構築、導入支援、M&AにおけるITデューデリジェンス(IT資産価値評価)やシステム統合支援を中心としたコンサルティングファームです。
IT系ファームの中には、戦略系の領域まで事業領域を広げて、総合系のようなトータルサービスを提供するファームもあります。
代表的なIT系の外資コンサルティングファームは以下の通りです。
- ガートナージャパン
- ケンブリッジテクノロジーパートナーズ
- キャップジェミニ
組織・人事系ファーム
組織・人事系ファームは、組織ビジョンの策定や人事戦略、人事制度の構築といったテーマを主に扱うコンサルティングファームです。
リーダーシップ開発や社員の意識改革なども対応しているチェンジマネジメント系のファームも組織・人事系にカテゴライズされていると言えます。
代表的な総合系の外資コンサルティングファームは以下の通りです。
- マーサージャパン
- ウイリス・タワーズワトソン
- エーオン・ヒューイットジャパン
外資系コンサルティングファームに向いている人
外資系コンサルティングファームへの転職は難しいですが、そんな業界へ向いている人の特徴は以下の通りです。
- 成果主義が好きな人
- 成長志向が強い人
- 体力がある人
- コミュニケーションスキルの高い人
ここからはそれぞれ解説していきます。
成果主義が好きな人
成果主義や実力主義が好きな人は、外資系コンサルティング企業に向いています。
外資系企業は日本企業に比べて徹底した成果主義、実力主義を取っていることが多いです。コンサルティング業界も例外ではなく、むしろ外資系の中でもその風潮が強い業界です。
そのため、年功序列などではなく、自分の実力で評価をされたい人に外資系コンサル企業は向いています。
成長志向が強い人
外資系コンサルティングファームには、高学歴のエリートや、事業会社で非常に高い実績を残したような優秀な人材が数多く在籍しています。
また、外資系コンサルティングファームではアップオアアウトと呼ばれるように、昇進できなかったり結果を残せないような人材には会社を去ってもらう風潮が強いです。
そのため、外資コンサルで働く人材には常に自分の実力を磨いていく成長志向の強い人が向いています。
体力がある人
コンサルティングファームの仕事は激務になりがちなので、体力のある人が向いています。
コンサル業界で関わるであろう各プロジェクトには必ず期日が設定されており、プロジェクトの進捗次第ではその期日直前などはとても忙しくなりがちです。
コンサル業界の人は終電での帰宅が続くことも決して珍しくないため、そういった状況でも耐えうる体力が求められます。
コミュニケーションスキルの高い人
外資系のコンサルティング企業で働く人にとって、コミュニケーションスキルは必須のスキルと言っても過言ではありません。
なぜなら、外資系コンサルで経験を積んでマネージャーやパートナークラスの人材になれば、企業の経営者や幹部を相手に話をする機会が増えるためです。
そう言った会話の場では、経営者と同じ高い目線で話を聞いて理解し、ときには無理難題に答えながら関係を構築する必要があります。
そのためコミュニケーションスキルや営業スキルが必要です。また、コミュニケーションスキルの一環として、経営者たちの話を深掘りしたり、そこで得た知識を身に付けたいと思う知的好奇心も必要です。
外資系コンサルティングファームの年収は高い
外資系コンサルティングファームの年収は、ただでさえ高いコンサル企業の中でもとくに年収が高いです。
そもそも、大手転職サイトであるdodaの「職種別平均年収ランキング【最新版(2019年)】」によると、コンサルティング業界の平均年収は574万円です。なお、このデータによるとコンサル業界の年収は全業界の中でもトップです。
そんな高年収なコンサル業界ですが、それ以上に外資系のコンサル企業の年収が高い理由として、外資コンサルは規模も大きく、コンサルティング費用も高いことが挙げられます。
1件1件のコンサル単価が高いため、その分社員に還元ができ、高い年収へ繋がっています。
実際、大手口コミサイトである「openwork」によると、主な外資系コンサルティングファームの年収は以下の通りです。
ボストンコンサルティンググループ | 1424万円 |
---|---|
デロイトトーマツコンサルティング | 916万円 |
KPMGコンサルティング | 861万円 |
PwCコンサルティング | 897万円 |
アクセンチュア | 858万円 |
IBM | 881万円 |
ただ、外資系コンサルの年収は高い一方で振れ幅が大きいので注意が必要です。安定して高い年収を稼ぐためには、きちんと成果を残してアナリストなどの職位からマネージャーやパートナーへと昇進をしていくのが重要です。
また、コンサル業界の年収については以下の記事で詳しく解説しています。
外資系コンサルからの転職先
外資系コンサルティングファームは仕事内容が華やかであったり、高収入なイメージもあるものの、人材の流動性が高いことも特徴の1つです。
実際に、コンサルティングファームの平均在籍年数はおよそ3〜4年ほどであり、転職は日常的です。
そんな外資系コンサルティングファームからの代表的な転職先は以下の通りです。
- 投資銀行
- 大手事業会社
- ベンチャー企業
投資銀行
外資系コンサルからの主な転職先としてまずあげられるのが投資銀行です。
投資銀行は非常に優秀な人材が求められており、外資コンサル出身の人は優遇されやすいです。
投資銀行として具体的には、モルガン・スタンレーやゴールドマンサックスがあげられます。
また、投資銀行が人気な理由として、高収入であるコンサルタントよりもさらに高い給与水準を誇っていることなどがあります。
大手事業会社
事業会社の中でも、とくに規模の大きい大手事業会社もコンサルからの転職先として人気です。
厳しい外資コンサル企業の中で切磋琢磨してきた人材は、事業会社にとって非常に魅力的なので、人によってはコンサルティング先のクライアントからスカウトを受けて転職する場合もあります。
転職したあとは社内コンサルとして業務改善に携わったり、経営企画に関わることが多いです。
なお、事業会社の中でも外資系企業は実力主義の風土などがコンサル業界と似ているので人気です。
ベンチャー企業
外資系コンサルからの転職先としてベンチャー企業も人気がある企業の1つです。
コンサルタントとして経営課題の解決に携わりながらも、自ら実行の機会がないことに不満を感じるような人は、比較的ベンチャー企業への転職が多い傾向にあります。
コンサル経験者であれば、とくにスタートアップのようなまだまだ未熟な企業でCXOなどの経営幹部として歓迎されることもあります。
転職成功率を高めるなら転職エージェントの利用がオススメ
コンサルタントへの転職はハッキリ言って難しいです。地頭の良さや、ポテンシャルを面接でうまく伝える必要があるためです。
ポテンシャルなどをうまく伝えるには面接対策が必要ですが、1人で面接対策をするにしても何をすればいいかわかりませんよね。
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末永 雄大
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