石川に４０代での転職は厳しいでしょうか？

こういと様

初めまして、北陸人材ネット山本と申します。

まことに遺憾ですが40歳代での石川での転職は首都圏に比べるとかなり難しいと言わざるをえません。

転職35歳限界説という言葉が我々の業界にはありました。
転職は35歳を過ぎると急に難しくなってしまうということでそのような言葉があったのですが
この4-5年で、首都圏では死語になりつつあります。

少子高齢化で影響で労働者人口の平均年齢が高くなってきたために
年齢制限の行うと人材確保が困難になってしまうことと
人材の流動化が進む中で高齢者でも転職先になじみやすくなってきていること
企業側も年齢の高い転職者を受け入れる土壌づくりが進んできたなどの背景があります。

しかし北陸（石川）では残念ながらまだこうした状況には至っておりません。

もともと地方であるがゆえに人材流動性が首都圏ほど高くないことで
感覚的には10年くらい首都圏に比べて遅れいる感覚があるのですが
それに加えて北陸特有の事情も作用しています。

北陸特有の事情というのは大卒の就職率が極めて高く、新卒を採用して
そのまま使い続けるという習慣が他地域に比べて高いという事情もあります。

特に石川県は人口に対する大学生の集積率が東京、京都に次いで全国第3位というほど
大学が多く存在しており、そういう意味では新卒を採用しやすいという背景があります。

大学も就職に力を入れている大学が多く、私立理系では金沢工業大学、私立文系は金沢星稜大学などが
就職支援の手厚さの面では全国有数の評価を受けています。
国立大学でも金沢大学の2017年卒業者の就職率は99.5%、このレベル以上の難易度の大学では
群を抜いて高い就職率を誇っています。

そういう意味では北陸地方、特に石川県は他地域に比べてキャリア採用より新卒採用を重視する企業が多く
即戦力より新卒を育てて使うという企業が多いために、35歳以上の方の求人が出にくくなっているといえるでしょう。

さて
そうした中でこういとさんの場合どのように石川への転職活動を進めることが有効でしょうか？

石川県の産業構造の特徴としてニッチTOP企業が多いという傾向が挙げられます。
またモノづくりの分野でBtoB領域でのニッチトップ企業が多いのですが
こうした会社が最近、直接ECサイトや直販サイトを使ってグローバルな取引を始めようとする動きが出てきています。

いわゆるニッチトップグローバルといわれる企業であればもしかしたらその会社のeコマースの新規事業の立ち上げ責任者
としてハマる可能性があるように感じます。

従来は地方のニッチトップ企業が海外取引する場合は商社が仲介して取り引きを行わなければならず
結果的には商社の言いなりになってしまうケースが多かったのですが
eコマースの進展によって直接取引できる可能性が高まってきています。

ただこうしたビジネスに精通している人材が地方企業にはほとんどいないので
そうした領域への進出を考えている企業に売り込みをかけるとうまくハマる可能性があるかもしれません。

地元企業とのパイプが確立しており経営層へのコンサルレベルでの提案力を持った
地元のエージェントの力を借りてこのような求人を開拓していくことが有効なのかなと思います。

山本　均 さん

回答ありがとうございます。
今回地方に転職ということであまり転職事情を知りませんでしたが、
採用の背景を丁寧に教えて下さりとても分かりやすかったです。

目から鱗と感じたのと同時に厳しい状況であると分かりましたが、
可能性もご提示頂いたので、頑張ってみようと思います。

知見のある方からご回答頂けて嬉しいです。
ありがとうございました！！