雇用保険(失業保険)を受給するためには、求職活動実績を認定日に証明しなければなりません。しかし、これから求職活動を始める人のなかには、どのような行動が求職活動実績になるのか判断基準がわからない人も多いのではないでしょうか。
できることなら求職活動実績にカウントされる行動のみを選んで、効率的に実績要件を満たしたいですよね。
そこで今回は求職活動実績の定義や誰にでもできる簡単な方法、実績となる判断基準を10年以上の転職支援実績を持つプロの転職エージェントがわかりやすく解説します。

雇用保険(失業保険)受給のための求職活動実績とは?基本的なポイントを押さえておこう
雇用保険(失業保険)をスムーズに受給するためには、3つのポイントを知っておく必要があります。
- 求職活動実績とは?
- 求職活動実績は基本的に月に2回必要
- 雇用保険の認定日に実績の記録を提出する必要がある
雇用保険(失業保険)を正しく受給するためにも、必ず内容を理解しておきましょう。
求職活動実績とは?
求職活動実績とは、再就職に向けてどのように行動しているかを示すための指標です。雇用保険(失業保険)は働く意思がある人に向けた支援制度なので、求職活動をおこなわない人は受給資格を得られません。
雇用保険(失業保険)を受給するためには「失業認定」を受けなければならず、失業認定の要件として再就職に向けた積極的な行動が必要になるからです。

求職活動実績は基本的に月に2回必要
雇用保険(失業保険)を受給するためには、基本的に月2回以上の求職活動実績が必要です。ハローワークが配布している「雇用保険受給資格者のしおり」にも、認定日までの4週間に2回以上の求職活動実績が必要である旨が記載されています。
実績要件を満たせなかった場合は、原則的に失業保険の支給が次の認定日まで先送りにされてしまうので注意してください。

初回認定日に必要な求職活動実績や求職活動の回数については、以下の記事が参考になります。併せて読めばさらに深い知識が得られるので、ぜひ参考にしてみてください。
雇用保険の認定日に実績の記録を提出する必要がある
雇用保険(失業保険)を受給するためには、認定日に実績の記録を提出する必要があります。実際にどのような求職活動をおこなったのかを確認するためです。
実績の記録では、求職活動をおこなった場所や日付、内容など具体的な実績記録を申告しなければなりません。具体的な記録がないと根拠不十分とみなされ、認定されない可能性があります。

雇用保険受給のための活動実績になる代表的な6つの行動
求職活動実績として認められる代表的な6つの行動を確認しておきましょう。
求職活動の内容 | 活動場所 |
---|---|
職業相談 | ハローワーク・民間施設 |
キャリア相談 | 転職エージェント |
セミナー参加 | ハローワーク・民間施設・転職エージェント |
求人応募 | ハローワーク・民間施設・転職サイト・転職エージェント |
イベント参加 | ハローワーク・民間施設・転職エージェント |
国家資格・検定受験 | 個人 |
上記を踏まえたうえで、具体的な活動内容についてさらに詳しく解説します。
どのような行動が求職活動実績につながるのかを理解し、自分に合う方法で実績作りに取り組んでみてください。
ハローワーク・民間施設で職業相談を受ける
ハローワーク・民間施設で職業相談を受けるだけで実績を作れます。
職業相談では施設職員と対面で再就職に関連する話をするため、働く意思や真剣な姿勢を示せるからです。
また、行動するだけでよいので特に簡単な実績獲得方法だといえるでしょう。
ハローワーク・民間施設いずれの場合も同等の活動として扱われるので、民間の施設でも安心して相談してみてください。

以下の記事では職業相談の質問例を紹介しています。ぜひ併せて参考にしてみてください。
ハローワーク・民間施設でのセミナーやイベントに参加する
ハローワーク・民間施設のセミナーやイベントへの参加も、求職活動になります。セミナーやイベントでは、再就職に向けて必要な知識や情報を得られるからです。
また、1時間〜2時間ほどの時間を要するので、再就職に向けた真剣な取り組みとして認められます。参加するだけでよいので、比較的簡単に実績を作れる方法です。

求人に応募する
求人応募は、求職活動実績として最も根拠が強い行動です。応募は企業に対して直接「働きたい」という意思を示す行動であり、再就職につながりやすいからです。
また、求人応募は雇用保険(失業保険)の認定に必要な就労意欲を伴う行動なので、利用施設やサービスを問わずに求職活動実績が作れます。
仮に内定がもらえなかったとしても、応募する行動そのものが実績扱いになるので、簡単な方法の1つといえます。
ただし、落ちることを前提に応募を繰り返すのは企業に迷惑がかかるだけでなく、不審に思われる原因になるので避けてください。

国家資格・検定を受験する
国家資格や検定の受験も、求職活動実績を作れる方法です。なぜなら試験を受けるためには、特定の分野の知識を身に付ける努力が必要不可欠だからです。
再就職を目的とした努力であれば、求職活動の一環として判断されます。しかし、雇用保険(失業保険)を受給するために受験勉強を始めたとしても、受給期間内に受験できるほどの能力を身に付けるためにはそれなりの努力が必要です。
資格取得のための勉強は決して簡単とはいえませんが、元々受けようと思っていた資格があれば、それを受けるだけで実績になるので一石二鳥です。

また、求職活動実績になるのは、仕事に役立つ資格や検定のみです。再就職に無関係な内容の試験は求職活動実績にはならない点に注意しましょう。
【おすすめ】転職エージェントでオンラインセミナーに参加する
転職エージェントでオンラインセミナーに参加すると、比較的簡単に求職活動実績を作れます。転職エージェントは厚生労働省の認可を受けた職業紹介事業であり、転職エージェントのオンラインセミナーはハローワークや民間施設でのセミナーと同様の求職活動とみなされるからです。
自宅から受講が可能なので、実績作りのために出掛ける必要がなく、簡単な点が大きなメリットといえます。
なかでもおすすめなのが、リクルートエージェントのオンラインセミナーです。

また、アーカイブ(録画視聴)受講が可能なオンラインセミナーもあるので、対面セミナーのように服装や時間などを気にすることなく、リラックスしながら求職活動実績を作れます。また、セミナー受講後に届くメールが実績証明として使えるので、認定日の実績申告時にも安心です。
リクルートエージェントのほかに、dodaのオンラインセミナーも種類が豊富で人気があります。しかし、実績証明をもらうためにはセミナー受講後に確認テストを受けなければなりません。
できる限り簡単な方法で求職活動実績を作りたい人は、リクルートエージェントを優先的に利用してみてください。
リクルートエージェントやdoda、マイナビのセミナーについては、以下の記事でも詳しく解説しています。セミナーのイメージをさらに深く知れる内容となっているので、ぜひ参考にしてみてください。
【おすすめ】転職エージェントでキャリア相談を受ける
再就職に関して不安や悩みがある人は、転職エージェントでキャリア相談を受けてみましょう。転職エージェントのキャリア相談は、ハローワークや民間施設での職業相談と同様の求職活動とみなされるため、オンラインで気軽に相談したい人におすすめです。
また、個人に担当のキャリアアドバイザーが付くので求職活動中の孤独感がなく、安心して求職活動に取り組めます。

リクルートエージェントのキャリアアドバイザーは転職支援実績が豊富なだけでなく、多数の求職者の再就職や転職を成功させてきたノウハウがあります。サポートを受ければ、今後のキャリアプランを固めやすくなりますよ。
これまでの経歴や資質を見極め、個人のアピールポイントを教えてくれるのも心強い点です。条件の良い職場で再就職したい人はぜひ利用してみてください。
【要注意】雇用保険受給のための求職活動実績にならない行動
雇用保険(失業保険)を安定して受給するためには、求職活動実績にならない行動も知っておきましょう。
求職活動実績にならない行動 | 理由 |
---|---|
〇個人で自己分析をおこなう 〇友人に仕事を紹介してもらう |
証明が困難 |
〇転職サイト・エージェントに登録する 〇求人情報の閲覧 〇ハローワークへの来所 |
就労意欲が不明確 |
上記を踏まえたうえで、それぞれの項目についてさらに詳しく解説します。
求職活動実績にならない行動の判断基準を理解して、着実に求職活動実績を作りましょう。
個人で自己分析をおこなう
個人で自己分析をおこなったとしても、求職活動実績にはカウントされません。個人でおこなう自己分析の取り組み方には個人差があるうえ、実績といえるほどの熱量でおこなったという証明が困難だからです。
認定日には求職活動実績を申告するだけでなく、実績証明を提示する必要があります。求職活動を自己完結させてしまうと証明できるものがないので、実績としては認められません。

友人に仕事を紹介してもらう
友人に仕事を紹介してもらっても、求職活動実績にはなりません。友人からの仕事紹介では証明できるものがないため、実績と認めるには信ぴょう性が低いと判断されるからです。
友人から紹介してもらった仕事に応募した場合は、裏付けが取れるため実績になりますが、紹介のみでは実績にならないので注意しましょう。

転職サイト・エージェントに登録する
転職サイト・エージェントに登録するだけでは求職活動実績にはなりません。転職サイト・エージェントに登録するだけなら、働く気がない人でも容易にクリアできるからです。
また、登録だけで雇用保険(失業保険)の受給要件を満たせてしまうと、不正受給が横行する可能性があります。

求人情報の閲覧
求人情報の閲覧だけでは求職活動の実績とはみなされません。原則的に、十分な就労意欲を証明できる行動でなければ実績として認められないからです。
求人情報の閲覧は確かに再就職に向けた前向きな行動ですが、働く意欲がない人でも形式的にできる行動でもあります。働く意欲を示すための活動としては根拠が薄く、求職活動として申告しても認めてもらうのは困難です。

ハローワークへの来所
ハローワークへの来所も、求職活動とはみなされないので注意しましょう。ハローワークに行くだけで実績が作れてしまうと、雇用保険(失業保険)の受給ハードルがほぼなくなってしまうからです。
また、来所だけでは再就職に向けた求職活動をおこなっているとはいえないので、職業相談や求人応募などさらに一歩踏み込んだ行動が必要になります。

雇用保険受給のために求職活動実績を作る際の注意点
雇用保険受給のために求職活動実績を作る際には、以下の注意点を知っておくことが大切です。
注意点を知らずに求職活動をおこなうと実績が伴わないことがあるので、内容をよく確認しておきましょう。
同日に2回同じ求職活動をしても1回分しかカウントされない
1日の間に同じ求職活動を2回おこなったとしても、求職活動実績としてカウントされるのは初回の1回分のみです。同日におこなう同じ種類の求職活動は、一連の取り組みとみなされる点に注意してください。
1日で複数回の実績を作るには、異なる種類の求職活動実績を作る必要があります。ただし、求人応募だけは例外的に件数ごとに実績がカウントされる仕組みになっています。

おすすめなのは、同日に異なる求職活動をおこなうことです。たとえば、転職エージェントでオンラインセミナーを受講してからキャリア相談を受ければ、自宅で同日に2回分の実績作りが可能になります。
1日2回求職活動実績を作る方法については、以下の記事でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
求職活動実績を証明できるものが必要
認定日に求職活動実績を申告する際には、実績を裏付けるものが必要です。申告だけでは事実確認ができないので、申告内容が事実なのか確かめなければなりません。
求職活動をおこなった確証を得ずに実績認定してしまうと、申告内容を簡単に偽装できてしまい、わざわざ認定日を設定する意味がなくなってしまいます。
求職活動をおこなった際には、活動内容に応じて以下のものを必ず受け取りましょう。
求職活動 | 証明できるもの |
---|---|
対面セミナーやイベントの参加 | 参加証明書・受講証明書 |
ハローワーク・民間施設での職業相談 | 雇用保険受給資格者証へのハンコ・実績証明書 |
ハローワーク・民間施設での求人応募 | 雇用保険受給資格者証へのハンコ・実績証明書 |
転職エージェントのオンラインセミナー | 受講お礼メール・実績証明書 |
転職サイト・エージェントでの求人応募 | 応募完了画面のスクリーンショット・応募完了メール |
求職活動をおこなう際には、その内容を証明できる書類の取得までをセットで考えておくと安心です。
認定日の求職活動は次回分の求職活動実績になる
認定日当日におこなった求職活動は今回の認定日にはカウントされず、次回分の求職活動実績になります。求職活動実績作りには締切日が設けられており、認定日の前日までとなっているためです。
求職活動実績作りが間に合わず、認定日当日に慌てて求職活動をおこなったとしても、今回分にはカウントされない点に注意しましょう。

認定日当日の求職活動の扱いについて詳しく知りたい人は、以下の記事も併せてチェックしてみてください。
雇用保険受給のための認定日の流れ
雇用保険(失業保険)を受給するためには、認定日の流れもここで確認しておきましょう。
認定を受けるための流れを知っておけば、当日スムーズに手続きを進められます。
1.認定日までに2回以上の求職活動実績を作る
雇用保険(失業保険)を受給するためには、認定日までに最低でも2回の求職活動実績を作っておきましょう。雇用保険(失業保険)の受給資格があるのは失業状態にある者であり、失業状態と認められるには再就職に対して積極的な姿勢が求められるからです。
求職活動実績が2回に満たない場合は、再就職に対する意欲が足りないと判断され、受給資格者としての認定を受けられません。

ただし、初回認定日に限り求職活動実績は1回だけでも認定を受けられます。雇用保険説明の受講で1回分の要件を満たせるパターンが多いので、雇用保険説明会の受講を控えている人は初回の実績について確認してみてください。
2.失業認定申告書に求職活動実績を記入する
求職活動実績を作ったら、失業認定申告書に求職活動実績を記入しましょう。認定日に提出する失業認定申告書には、認定日までにおこなった求職活動を記入する欄があります。
求職活動をおこなった際には、いつ・どこで・どのような活動に取り組んだのかを具体的に記入しなければなりません。

3.認定日に求職活動実績を申告し失業認定を受ける
指定された認定日にハローワークに足を運び、失業認定を受けましょう。失業認定を受けるためには、雇用保険受給資格者証と失業認定申告書を提出し、認定日までの間におこなった求職活動を申告する必要があります。
ハローワーク側が書類に記載されている求職活動の内容と証明書類で事実確認をおこない、認定日までに2回以上の求職活動実績が認められれば、失業認定を受けられます。失業認定を受けると雇用保険(失業保険)が支給される仕組みです。

失業保険の手続きの流れや必要書類について知りたい人は、以下の記事も参考になります。さらに理解を深めたい人は、目を通してみてください。
雇用保険を受給するための失業認定申告書の書き方
認定日をスムーズにクリアするために、雇用保険(失業保険)を受給するための失業認定申告書の正しい書き方を確認しておきましょう。
以下に記入例を用意したので、確認してみてください。

「求職活動の方法」には当てはまるものに◯を付けます。(ア)〜(エ)の判断が難しい人は以下を参考にしてみてください。
- (ア):ハローワーク
- (イ):転職サイト・エージェント
- (ウ):派遣会社
- (エ):民間の施設
「利用した機関の名称」にハローワークを記入する場合は、地域名まで書くようにしましょう。「求職活動の内容」には、職業相談やセミナー参加など、おこなった活動の種類と具体的な内容を記入してください。
求人に応募した場合は下の欄に別途記入欄があるので、そちらに記入します。記入方法は以下の通りです。
項目 | 記入方法 |
---|---|
事業所名・部署 | 企業の正式名称と電話番号を記入する |
応募日 | 求人に応募した日を記入する |
応募方法 | Web応募や郵送など具体的な方法を記入する |
職種 | 営業や一般事務など具体的な職種を記入する |
応募したきっかけ | 該当するものに◯を付ける |
応募の結果 | 日付と通知内容を記入する |
記入方法がわからない人は、記入例を参考にしながら慎重に記入しましょう。

以下の記事では失業認定申告書に必要な求職活動実績の書き方を紹介しています。こちらも併せて参考にしてみてください。
雇用保険のための求職活動実績を作る際によくある質問
雇用保険(失業保険)を受給するための求職活動について、よくある質問をまとめました。
気になることがある人は、ここで疑問点を解消しておきましょう。
不正受給をした場合の罰則については、ハローワークインターネットサービスで以下のように記載されています。
失業等給付について、偽りその他不正の行為により受給する、又は受給しようとした者に対しては、不正の日以後すべての失業等給付の支給が停止され、不正受給による失業等給付について、受け取った額を返還することとなります。
また、悪質な不正受給者に対しては、不正に受給した額を返還させるだけでなく、返還額の2倍に相当する額の納付が命ぜられることとなり、場合によっては詐欺罪として刑罰に処されることがあります。
不正受給をすると、受給額よりはるかに多い罰則金の支払いを命じられるだけでなく、最悪の場合は刑罰告訴される可能性もあるので、安易に実績を偽るのは避けましょう。
ただし、1日に同じ活動を重複しておこなう場合は、求人応募を除いて1回分の実績にしかならない点には注意してください。
同じ内容で求職活動をおこなう場合は、それぞれ別の日程で実績を作るようにしましょう。
2回ピッタリでもハローワーク職員の心証を乱すことはありません。
また、2回以上であれば回数制限はありません。応募したい企業が複数ある場合は、タイミングを逃さないよう積極的に応募してみてください。
しかし翌認定日に求職活動実績の要件を満たせば、雇用保険(失業保険)の支給は再開されるので安心してください。
認定日に求職活動実績が足りない場合は、受給が先延ばしになってしまうものの、総支給額が減額されることはありません。
雇用保険受給のために求職活動実績が欲しいならリクルートエージェントを活用しよう
雇用保険(失業保険)を受給するために求職活動実績を効率的に作りたい人は、リクルートエージェントを活用しましょう。
リクルートエージェントなら自宅で求職活動に取り組めるので、対面での相談やセミナー受講より簡単に求職活動実績が作れます。
豊富なオンラインセミナーがあるだけでなく、アーカイブ(録画視聴)にも対応しているので、セミナーが開催されるタイミングに合わせてスケジュールを調整する必要はありません。
また、内容が異なるオンラインセミナーを選べばその都度求職活動実績が付くので、リクルートエージェントだけで認定日に必要な実績要件を満たすことも可能です。

また、希望条件を伝えておけば、条件に合う企業を探して紹介してくれるので、再就職先探しも楽になりますよ。
実績作りと仕事探しのどちらにも力を入れたい人は、ぜひサポートを受けてみてください。