ベンチャー企業の給料は安すぎ?上がらない?年収事情を徹底解説!

ベンチャー企業の給料は安すぎ?

リクルートエージェント

成長企業で刺激的な毎日を送りたい。年収ランキング上位の企業に転職して稼ぎたい。ベンチャーなら学歴なし・未経験からでも年収1千万円稼げる。そんな憧れからベンチャー企業やスタートアップ企業に注目する人も多いでしょう。

しかし実際には「思っていたより給料が安すぎる」「年収がなかなか上がらない」といった声も少なくありません。この記事では、ベンチャー企業のリアルな年収事情や、企業選びで気をつけるべきポイント、ベンチャー企業はやめとけと言われる理由とは?を徹底解説します。

ベンチャー・スタートアップに転職したら年収は下がる

ベンチャー・スタートアップに転職すると、ほぼ確実に年収は下がります。

なぜなら、利益が出なかった場合に社員を高い給与で雇うことはリスクになるためです。ベンチャーやスタートアップの企業は事業立ち上げの段階なので、できる限りコストを最小限にして利益を作ろうとします。

とくに会社ができて1、2年は、役員でも月に10〜20万円の給料であることも珍しくないほどです。

ただしその一方で事業が成功し想定以上の利益が出た場合は、それだけ社員に還元されるのもベンチャーやスタートアップの特徴です。

また、仮に入社したベンチャー企業が上場すれば、ストックオプションにより多額のリターンをもらえる場合もあります。ストックオプションをもらえる企業は非常に限られるものの、そんな夢があるのもベンチャーの特徴です。

ただストックオプションなどをもらえることは非常に珍しいので、これを理由にベンチャーへの転職をすることはあまりオススメできません。

これらの理由から、ベンチャーやスタートアップへの転職では、基本的に年収は下がるものの、運や自らの成果によっては平均以上の年収を稼げます。

また、年収が下がるのはあくまで設立5〜10年以内、社員数が100名以下のベンチャー企業の話です。

100人を超える企業はベンチャーであっても業績が安定している場合が多く、年収もそこまで下がらないことが多いです。

とくにDeNAやサイバーエージェントのように上場していて、メガベンチャーと言われる企業は、他の上場企業と同じぐらい、もしくはそれ以上の利益が出ているので、当然給与や年収も高いです。

ベンチャー企業の中でも、メガベンチャーへの転職であれば十分収入アップを狙えるでしょう。

ベンチャー企業で給料が上がらない理由とは?

昇給制度が未整備のケースが多い

多くのベンチャー企業では、明確な評価制度や昇給ルールが整備されていないのが実情です。

特に創業から間もないスタートアップでは、「制度よりもまずはプロダクトを回すこと」が優先されるため、人事制度や給与体系が後回しになりがちです。

私が以前転職支援をした方(30代・女性・営業職)は「年収アップ前提で入社したのに、評価のタイミングが曖昧で昇給が見送られた」と相談に来られました。

入社時は「頑張れば評価される」と言われていたものの、半年経っても給与に反映されず、不安を感じて転職を再検討することになりました。

成果が出ても「すぐには反映されない」資金事情

ベンチャー企業の多くは、資金繰りの都合で人件費に回せる余裕が限られています。

たとえ営業成績が良くても、開発資金やマーケティング費用に優先的に投資されることがあり、給与への反映は後回しになるケースが目立ちます。

実際に支援した40代男性のエンジニアは、年間のプロジェクト成功件数でトップを記録したにも関わらず、「資金調達の都合で給与は来年度まで据え置き」と通告され、モチベーションが大きく下がったと話していました。

「給与交渉=わがまま」と捉えられる文化も

ベンチャー企業はフラットな組織を目指す企業も多い一方で、経営層との距離が近すぎるゆえに「報酬交渉がしづらい」と感じる人も少なくありません。

特に「理念や夢を一緒に追いかける文化」を大事にする企業では、お金の話を切り出しづらい空気になりやすいのです。

そうした環境に不安を感じた場合は、企業ごとの風土を熟知している転職エージェントに相談するのがおすすめです。求人票には載らない「社風」や「評価の実態」を知ることで、後悔のない選択がしやすくなります。

ベンチャー企業で年収を上げる人の3つの共通点

フェーズを見極めて参画している

ベンチャーで年収を伸ばしている人は、単に情熱だけで飛び込むのではなく、「いつ、どのフェーズの会社に入るか」を戦略的に考えています。

たとえば、シリーズA直後の成長フェーズに入社すれば、企業の急成長とともにポジションアップやストックオプションによるリターンが期待できます。一方、アイデア段階(シード)では給与が低く不安定なこともあるため、転職時にその企業の資金状況や事業進捗を把握することが不可欠です。

エージェントを通じて資金調達履歴や経営者のビジョンを確認できれば、将来的なリスクも事前に回避できます。

市場価値の高い職種を選んでいる

収入アップを狙うなら、やはり職種選びも重要です。

特に、プロダクトマネージャー(PdM)、データサイエンティスト、エンジニア、SaaS営業などは、成果が数値で示しやすく、評価されやすいため、年収アップにつながりやすい傾向にあります。

たとえば、30代でマーケティングからSaaS営業に転職した女性は、1年で年収が約150万円アップした事例もあります。数字に強い、提案力があるなど、ベンチャーが必要とするスキルを武器にすれば、報酬交渉もスムーズになります。

ストックオプションや報酬条件を交渉している

ベンチャーでは、基本給以外にもストックオプションや成果報酬の条件が交渉できるケースが多くあります。しかし、これらの条件は書面での取り決めがあいまいになりがちで、後にトラブルになることも。

転職エージェント末永
転職エージェント末永
特に未経験でベンチャーに転職する人ほど「どこまでが妥当か」「いつ付与されるのか」を理解していないことが多いです。こうした報酬の見極めや交渉についても、転職エージェントは心強い味方になってくれます。

月給が高くなっても年収が下がる可能性もある

ベンチャーに転職して、月給が前職よりも上がるケースもあります。しかし、たとえ月給が上がっても必ずしも年収が上がるとは限らないので注意が必要です。

というのも、大手企業とベンチャー企業では福利厚生の手当が異なるためです。まず大手企業の場合は、月給に加えて残業代や家賃補助など福利厚生を支給されることが多いです。

ベンチャー企業でも家賃補助などの福利厚生が支給されることもあるものの、その数は非常に少なく、あったとしても大手と比較すると金額が大きく異なります。

例えば、大手上場企業であれば家賃補助手当が月5万円以上の場合もあり、その場合は手当によって年収が60万円も変わります。

また、年収には月給や手当とは別に、賞与も含まれます。

大手企業の場合は業績によって変動するものの、基本的に賞与があるので、その分年収が上がります。とくに上場企業になるとその金額も非常に大きくなります。具体的には以下が挙げられます。

一方でベンチャー企業では、賞与の有無や金額は完全に業績によって左右される上に、額面自体も大手と比較すると少ないです。

とくに創業間もないベンチャーの場合、業績は安定しないことが多く、そもそも賞与制度自体がないことも多いです。月給は高く見えても、賞与がないので年収が低くなってしまう場合もあります。

年収アップを求めるならベンチャー転職は止める

仕事において挑戦しながら安定した年収も欲しい人には、ベンチャー企業への転職はオススメできません。

なぜなら、設立間もないベンチャー企業の場合、福利厚生などの制度は未整備であり、高い給与を支払うことが難しいためです。

ただ、若い年齢で大きな仕事に挑戦し結果を出したいのであれば、創業してすぐのベンチャー企業に飛び込むのがオススメです。

成長したベンチャー企業は、与えられる裁量が違います。創業初期は、若手のうちに事業責任者や会社の意思決定に関われたり、責任の重い仕事を任されたりします。ただやはり、責任の重い仕事をするのであれば休日を返上する必要があるなど、リスクも大きいです。

以上のように、スタートアップへの転職はハイリスクハイリターンで、給与が不安定かつハードワークではあるものの、自分の力で成果を出すなど、スタートアップだからこその経験も得られます。

ベンチャー企業へ転職することの注意点については以下の記事をご参照ください。

ベンチャー転職はやめとけ

給料で後悔しないために|入社前に確認すべき5つのチェックポイント

評価制度と昇給の仕組みは整っているか?

昇給タイミングが決まっているか、評価項目が明文化されているか。これらは非常に重要です。あいまいな場合は、成果を出しても報われない可能性があります。

賞与・福利厚生・残業代の扱いはどうなっているか?

「ベンチャーだから賞与はない」と一概に決めつけず、支給実績や条件も確認しましょう。残業代の有無や上限、みなし残業の詳細も要確認です。

ストックオプションの条件は透明か?

付与時期、権利確定条件(ベスティング)、売却時のルールなど、事前に説明を受けることが大切です。理解できないまま受け取るのはリスクです。

企業の資金繰り・将来性はどうか?

直近の資金調達履歴や収益モデル、黒字化の見通しがあるかを必ず確認しましょう。特に、次回の調達計画やIPO計画があるかは重要です。

離職率や社内の雰囲気は健全か?

社員の定着率が低い企業は、制度・環境に問題がある可能性もあります。口コミサイトやエージェント経由で“中の声”を集めるとよいでしょう。

転職エージェント末永
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「入社後に条件が違った」「聞いていた話と違う」というミスマッチを防ぐためにも、事前に転職エージェントを通じて企業の中の声を把握することをおすすめします。内定後の条件交渉もサポートしてくれるため、安心感がまるで違います。

給料が低くても働く価値のあるベンチャーとは?

裁量の大きさと成長環境がそろっているか

ベンチャーの魅力は、なんといっても裁量の大きさとスピード感です。1年でマネージャー、3年で事業責任者といったケースも実際にあります。自分の意思で動き、学べる環境が整っているなら、年収以上の価値があるかもしれません。

企業の将来性とEXIT(上場・売却)戦略

給与が低くても、IPOやM&Aで一気に大きなリターンを得られる可能性も。そのためには、企業の経営戦略や資本構成をしっかり見極めることが必要です。

ベンチャーは夢がある反面、厳しさもあります。「やりがい搾取」や「過剰労働」にならないためにも、第三者のプロの視点から冷静に見極めることが重要です。

転職エージェント末永
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「この会社でしか得られない経験か?」「自分のキャリアにどうつながるか?」を冷静に見極めるためにも、第三者視点を持った転職エージェントに相談するのが有効です。経験者の転職支援実績が豊富なエージェントであれば、自分の市場価値を整理しながらキャリア設計を支えてくれます。

ベンチャー転職に悩む人は転職エージェントに相談!

ベンチャー企業への転職は、夢や成長のチャンスがある一方で、「ベンチャー 給料安すぎ」や「ベンチャー 年収上がらない」といった落とし穴も存在します。だからこそ、企業情報をしっかりチェックし、自分に合った企業を見極めることが重要です。

「ベンチャー企業とは何か」を正しく理解したうえで、「年収1000万円」も夢ではないキャリアを築きましょう。

ただ、ベンチャーへ転職すべきか1人で判断するのは難しいですよね。ベンチャーへの転職を悩んでいるなら転職エージェントへの相談がオススメです。

転職エージェントはあなたと一緒に自己分析をして、年収などの安定を捨ててまでベンチャーへ転職すべきか、プロの目線から相談に乗ってくれます。

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ABOUT US
末永 雄大
青山学院大学卒業後、リクルートキャリア(現リクルート)に新卒入社。リクルーティングアドバイザーとして、企業の中途採用を支援。2012年アクシス株式会社を設立。代表取締役に就任。現役キャリアアドバイザーとして転職支援を行いながら、インターネットビジネスの事業開発、講演活動、執筆活動を行っている。著書「成功する転職面接」「キャリアロジック」