派遣社員から正社員への転職を目指しているものの、「本当に正社員になれるのだろうか」「派遣という経歴が不利にならないか」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
確かに、派遣から正社員になるにはいくつかのハードルがありますが、ポイントを押さえた対策を行うことで、正社員への道を切り開くことは十分に可能です。
本記事では、派遣社員から正社員になることが難しいとされる理由を踏まえた上で、転職成功に必要な志望動機の書き方や、面接で高く評価されるための対策方法について詳しく解説します。派遣からキャリアアップを目指す方は、ぜひ参考にしてください。
派遣社員から正社員が難しい理由
残念ながら派遣社員は「書類選考」の段階で「不採用」になる可能性が高いです。
「派遣社員から正社員になるのは難しい」と言われることがありますが、それにはいくつかの現実的な理由があります。
私はこれまで多くの転職相談に携わってきましたが、確かに企業側の採用の視点に立ってみると、派遣社員という働き方に対して特有の“見え方”や“誤解”があることを感じています。
難しい理由①スキルが足りないと思われている
まず、企業が正社員を採用する際に重視するのは「継続的に会社に貢献してくれるかどうか」という視点です。
正社員は長期的な人材投資であり、育成コストもかかるため、「定着性」や「自社への適応力」が問われます。一方で、派遣社員は基本的に期限付きの雇用形態であり、業務の範囲も限定されがちです。
そのため、企業側から見ると「主体性を持って組織に関与してきたかどうか」「責任あるポジションでの実績があるか」といった部分が見えづらく、正社員候補としての評価が慎重になるケースがあります。
さらに、派遣社員として働いている方の中には「会社の方針に深く関わることがない」「業務がルーティン中心で、成果を明確に示しにくい」といった環境に身を置いていることも少なくありません。
実際、以前ご相談いただいた30代女性の方も、「現場業務はきっちりこなしてきたが、自己PRに書ける成果が思いつかない」と悩んでいました。これはご本人の能力の問題ではなく、職場環境が成果を可視化しにくい構造になっていたためです。
難しい理由②企業の「採用リスク」への不安
また、もう一つ見落とされがちなのが、企業の「採用リスク」への不安です。
企業側は、派遣から正社員登用した場合に、「すぐ辞めてしまわないか」「正社員としての働き方に順応できるか」といった点を気にする傾向があります。
特に中途採用市場では、経験者が多く競争も激しいため、企業が候補者を選別する際には、少しの不安材料でも足切りの対象になってしまうことがあるのです。
ただし、これは「派遣社員だから正社員になれない」という意味ではありません。むしろ、自分のキャリアをどう振り返り、どのように企業に伝えるかによって結果は大きく変わります。
私自身、派遣社員から正社員になった方を何人も見てきました。大切なのは、これまでの経験の中から「企業にどう貢献できるか」を言語化する力。そして、その意欲と戦略を持って転職活動に取り組む姿勢です。
正社員を目指すなら、まずは一歩を踏み出すことから始めてみましょう。自分の価値を再認識し、未来の可能性を広げるために、今できる行動を積み重ねてください。それが、派遣から正社員への確かな一歩になります。
派遣社員を続ける選択も悪くはないが…
経済的な理由やライフスタイルを重視したい、やりたいことが見つからないなどという理由から「派遣社員」という選択をされているかと思います。
正直悪い選択ではないと思いますし、個人が幸せなら良いかと思いますが、一方「市場価値」という点でお伝えすると、そういった選択をした場合は、残念ながら裁量権、スキルや経験を犠牲にしている状況です。
経験やスキルがある方が派遣社員として働く分には問題ないかと思いますが、逆の場合は、残念ながら自身で選択できる選択肢(年収や将来性)といった点で狭くなっていることから非常に危険です。
では、正社員であればなんでも良いのか?というと
結論、ダメです
正社員であればスキルや経験が積めるのであれば、正社員のほとんどは優秀です。市場価値が高いというのは、企業から選ばれる人材、つまり選べる側になれるということです。
派遣社員の場合は「選ぶ」ことが非常に難しくなっている状況なので、一度足踏みをして、選べる側になるためのスキルや経験を積む転職をしなければなりません。
市場価値を上げるスキルとして「売上を作るスキル」「マネジメントができる人材」「事業を作り出せる人材」「事業を拡大することができるスキル」などがあります。
そういった意味で「営業職」や「経理や人事もできる事務職」といった経験を積めると良いかと思います。
派遣社員から正社員への転職成功方法
派遣社員から正社員になる方法はいくつかありますが、ここでは2つお伝えします。
登録派遣ではなく紹介予定派遣
派遣社員として働きながら正社員を目指している方に、ぜひ知っていただきたいのが「紹介予定派遣」という働き方です。
私自身、これまで多くの転職希望者のサポートをしてきましたが、特に正社員への道を真剣に考えている方には、登録型の派遣よりも紹介予定派遣の方が圧倒的にチャンスが広がると感じています。
紹介予定派遣とは、一定期間(通常3〜6ヶ月程度)派遣社員として就業したのち、派遣先企業と本人の双方が合意すれば、正社員または契約社員として直接雇用される仕組みです。いわば“お試し期間”のある採用ルートであり、企業側も「正社員前提」で採用しているため、通常の派遣とはスタンスがまったく異なります。
なぜこの仕組みがおすすめなのかというと、企業と働く側のミスマッチを防ぎやすく、内定後のギャップが少ないからです。実際に働いてみて「ここでなら長く働けそうだ」と実感してから正社員になることができるため、転職後の定着率も高い傾向にあります。
私が以前サポートした20代後半の男性は、事務職として派遣で働きながら「正社員になるのは難しいかもしれない」と諦めかけていました。
しかし、紹介予定派遣に切り替えてからは企業との接点が明確になり、面接でも「実際の働きぶりを見てから判断できる」という信頼感につながり、無事に正社員登用が決まりました。「働きながら、自分の強みを自然にアピールできたことが大きかった」と話していたのが印象的でした。
派遣から正社員への転職を本気で考えるなら、「紹介予定派遣」という選択肢を積極的に検討してみてください。ただ求人を探すだけでは見つからない、自分に合った職場と出会える可能性が高まります。
派遣社員から正社員を目指すなら、転職エージェントの力を借りるのが近道
「派遣社員から正社員になるにはどうすればいいのか?」——そう悩みながら、一人で求人を探して、履歴書を書いて、面接対策をして……そんな孤独な転職活動に限界を感じている方は少なくありません。
私自身も、以前キャリア相談にのった30代前半の女性が、「派遣の経歴に自信がなくて、応募しても書類で落とされてばかりなんです」とため息混じりに話してくれたのを今でも覚えています。
そんな方にこそ、強くおすすめしたいのが「転職エージェントの利用」です。特に、派遣から正社員へのキャリアチェンジを目指す方にとっては、エージェントのサポートが“転職成功への後押し”になることが少なくありません。
まず、転職エージェントは一般に公開されていない「非公開求人」を多数保有しており、なかには“正社員登用を前提とした募集”や“異業種からのチャレンジ歓迎”といった、派遣出身者にとって追い風となる案件も存在します。
さらに、志望動機の書き方や職務経歴書の添削、面接での伝え方など、あなたの魅力がしっかり企業に伝わるよう丁寧にサポートしてくれます。先ほどの女性も、エージェントのアドバイスで職務経歴書の内容を一新した結果、初めて書類選考を通過し、念願だった正社員としての採用を勝ち取ることができました。
「派遣の経歴が足かせになるかもしれない」と感じている方こそ、第三者の視点で強みを見つけてくれる転職エージェントの存在が大きな武器になります。
あなたが「自分には何もアピールできることがない」と思っていたとしても、プロの目線から見れば“企業が求めている要素”がしっかりと隠れている場合がほとんどです。
もし今、正社員としての働き方に踏み出したいという気持ちが少しでもあるなら、一度転職エージェントに相談してみてください。自分ひとりでは見えなかった可能性が広がり、キャリアの選択肢がきっと変わってきます。
おすすめ志望動機の例文テンプレ
派遣から正社員を目指すための志望動機を例文テンプレート付で解説します。
20代前半・事務職から正社員を目指す志望動機(女性)
現在は派遣社員として一般事務の業務に従事しておりますが、仕事に対して主体的に取り組む中で、より責任ある立場で業務に関わりたいという思いが強くなり、正社員への転職を決意いたしました。御社の業務内容や社員の方々の雰囲気に魅力を感じ、長期的にキャリアを築いていきたいと考えております。これまで培ってきた正確な事務処理能力や社内調整力を活かし、正社員として御社に貢献できるよう努力してまいります。
30代前半・コールセンター派遣からIT業界の正社員を目指す志望動機(男性)
これまで派遣社員としてコールセンター業務に携わる中で、ITシステムやサポート体制に強く関心を持ち、IT業界でのキャリア形成を目指すようになりました。中でも御社のように、未経験からでもエンジニアとして成長できる環境が整っている企業に強く惹かれております。お客様対応で培ったコミュニケーション能力や、日々の業務で磨いてきた課題解決力を活かし、技術的な知識を吸収しながら、御社に貢献していきたいと考えております。
40代前半・製造業派遣から品質管理職への正社員を目指す志望動機(男性)
現在は製造ラインで派遣社員として働いておりますが、業務の中で品質管理の重要性を実感し、より上流工程からものづくりに関わりたいと考えるようになりました。御社は品質を第一に考える姿勢を貫かれており、これまでの現場経験を活かして長期的に貢献できる環境だと感じております。派遣社員として培った製造現場での視点を大切にしつつ、正社員として責任を持ち、品質向上に寄与できる人材を目指してまいります。
30代後半・営業事務から総合職(営業)への正社員転職を目指す志望動機(女性)
派遣社員として営業事務を担当する中で、営業担当者の業務内容に触れ、自分も顧客と直接向き合いながら提案する側に挑戦したいと感じるようになりました。御社の営業職は、お客様との長期的な信頼関係を重視されている点に共感し、正社員としてキャリアチェンジするには最適な環境だと感じております。事務職で身につけた段取り力や社内外との調整スキルを活かし、営業としても柔軟に対応しながら成果を上げていきたいと考えております。
転職エージェントに登録すれば過去の内定獲得者の志望動機を教えてくれたり、一緒に受かる志望動機を考えてくれます。
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まとめ
派遣社員から正社員を目指す道は決して簡単ではありませんが、正しい方法と準備を重ねることで十分に実現可能です。とくに20代の方は、今後のキャリア形成を見据えた早めの転職活動が大きなアドバンテージになります。
また、30代はこれまでの経験をどう正社員採用に活かせるかが重要なポイントです。さらに40代の方でも、スキルや専門性をアピールすることで、正社員としての再スタートを切るチャンスは十分にあります。
年齢に関係なく、自分の強みを整理し、志望動機や面接対策をしっかり行うことで、派遣から正社員へのキャリアチェンジは実現可能です。本記事を参考に、それぞれの年代に合った戦略で、自分らしい働き方を手に入れてください。
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