現在、MR(医薬情報担当者)を取り巻く環境は年々厳しさを増しています。製薬業界全体が縮小傾向にあり、大手製薬企業でもリストラや早期退職が相次いでいます。中には社員の約40%に希望退職を募る企業もあるなど、MR職の将来性に不安を感じる方も少なくありません。
こうした状況から「MRから異業界に転職したい」「今後のキャリアに悩んでいる」という声が増えています。この記事では、辞めて後悔するケースや失敗例など、MRから他業種への転職が難しいと言われる理由や、転職市場で成功するためのポイントを詳しく解説します。
MRの転職難易度
結論から申し上げますと、MRから民間企業へ転職することは可能です。
しかし民間企業へ転職することは難しく、将来的に活躍が見込める20代前半の人や、現職でマネジメント経験などの明確なスキルがある人でないと採用はもらいにくいのが現実です。
もちろん30代の人でも転職を成功された人はいるものの少なく、よくネット上に掲載される転職事例などは、極端に美化されていたり、とてもレアなパターンなので、注意が必要です。
そのため、あなたがまだ20代前半で転職を考えているとしたら、転職の成功率が高い今のうちに活動を始めるのがオススメです。
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MRから転職したい人が急増。転職理由は?
一昔前までは、転職したくても選ばれた求職者しか転職できないという狭き門だったMRも、今の転職市場ではMRから違う職種に転職したいと考える人が急増しています。
MRからの転職理由には以下の3つが挙げられます。
- 転勤が多い
- 自身のキャリア形成に不安を感じている
- 業界の将来性が不安
上記のような不満を感じている人は、転職を考えてみてもいいかもしれません。では、少々脱線しましたが、転職理由について、以下で詳細を解説します。
1.転勤が多い
MRの場合、転勤が多い企業もしばしばです。
独身の時は良かったけれど、家族ができたのでできるだけ転勤が少ない仕事に転職したい。
または、年齢と共に体力的に限界を感じているなど、MRの営業スタイルに対しての不満が転職のきっかけになる人は多いです。
職場環境が変わってきている背景と共に、企業内の上司や社長の方針が合わずに転職を考えている人も多い印象です。
2.業界の将来性が不安
また、近年はMRから情報を得なくても、ネットで調べられる情報も増えてきている中で、顧客である医者からのニーズが少なくなってきていることからやりがいを感じにくくなっている側面があります。
さらに、規制が増えてきている中で、業界自体の今後の将来性に対して漠然とした不安を感じている人も多いです。
3.今後のキャリア形成に不安を感じている
MR(医薬情報担当者)の方々が転職を考える最大の理由は、将来への不安ではないでしょうか。
当社にも多くのMRの方々から転職相談をいただきますが、「このままMRを続けていて本当に大丈夫だろうか?」「自分もいつかリストラされるのでは?」といった声が後を絶ちません。
実際、ここ数年でMR業界では大規模なリストラが続いており、転職を余儀なくされた方も少なくありません。かつては安定職と思われていたMRですが、現在では「将来性がない」「辞めて後悔したくない」という不安の声が急増しています。
転職支援のプロである立場から見ると、今のMR業界は需要が減少し続けており、今後さらに厳しくなると予測されています。これ以上MRとしてキャリアを積み続けることには、大きなリスクがあると言わざるを得ません。
MRから他業種への転職は難しい?年齢による影響も
「MRから異業種に転職できるのか?」という問いに対しては、年齢によって難易度が変わるのが実情です。
一般的に、30代になると20代と比べて転職成功率が約50%下がるとも言われており、40代・50代での転職はさらにハードルが高くなります。
しかし一方で、年齢だけで転職の可能性を判断するのは早計です。これまでの経験やスキルの棚卸し、志向性の明確化次第で、未経験からでも他業種への転職を成功させたMRの方も数多くいらっしゃいます。
後悔しないMR転職のために、まずはキャリア相談を
もしあなたが20代であれば、今こそが転職のベストタイミングです。
また、30代以上の方であっても「このままMRを続けて後悔したくない」と感じているなら、まずは将来への不安を整理することが重要です。
焦って転職すると失敗してしまうリスクもあるため、まずは転職エージェントに相談してみるのがおすすめです。大手転職エージェントでは、丁寧なヒアリングをもとにあなたのキャリアプランを一緒に考える「無料キャリア相談」を実施しており、転職後の離職率も非常に低いのが特長です。
「MRからの転職が難しい」と悩む前に、まずは一歩踏み出してみませんか?
MRからの転職でネックになるポイント
MRの人には基本的に転職をオススメしていますが、「転職をすべきではない」もしくは「転職に踏み切れない」理由もあります。
MRからの転職でネックとなるポイントとしては3つが挙げられます。
- 他業界でのキャリア形成が難しい
- 現職での給与が高すぎる
- 年齢を重ねるにつれて市場価値が下がる
他業界でのキャリア形成が難しい
MRとして勤務されている人は、すでに実感しているかもしれませんが、MR職は営業職の中でも少し特殊です。そのため、医療機器メーカーの営業職でない限り転職は難しいです。
未経験の業界に転職する場合は、年収を下げることや、勤務希望地を広げることを検討する必要があります。
選択できる業界としては「人材業界」「医療業界」「メーカー」「IT業界」「コンサル業界」がほとんどです。
または、コントラクトMRへの転職になり、職種は営業職がほとんどです。
私としては、多少年収が下り、勤務地が変わったとしても異業界に転職するのがオススメです。
なぜなら、MRに限らず、未経験の業界に転職する際は年収が下がることが多く、年収を一時的に犠牲にしても経験を積んでキャリアアップを狙うほうが長期的ににみて市場価値をあげられるからです。
現職での給与が高すぎる
MR職は同じ年齢のビジネスマンと比べると非常に給与水準が高いです。
そのため、業界を変えると年収は確実に下がります。今の生活水準を大きく変えることになり、年収は平均して約100〜200万円、多い人だと300〜400万円ほど変化します。
同じ医療業界のメーカー、営業職への転職であれば比較的大きな年収の変化はありませんが、将来のキャリアを考えて別のスキルや経験が必要であるとなると、給与を下げられるかがポイントです。
年齢を重ねるにつれて市場価値が下がる
MR職に限らず、年齢を重ねるにつれて選択肢は少なくなってくる傾向にあります。
そのため、未経験業界へ転職するのであれば20代後半まで。経験を活かした転職であれば35歳まで。
年齢だけで約50%くらい通過率が変わってきます。そのため、転職を考えた場合はタイミングも重要になります。年齢に関わらず、早めに転職支援のプロに話を聞くことをオススメします。
文系・理系で異なる転職業界
年齢の他にも、文系と理系で転職難易度にかなりの違いがあります。
理系出身のケース
年齢も比較的若い前提で、理系出身(薬科系の大学)であればトレンドである下記4つの転職先が挙げられます。
- 薬剤師
- 薬事申請
- 薬品質管理
- 薬学の知識を活かせる職種
理由としては以下が挙げられます。
- 理系出身(薬科系の大学)は基本大学が6年制なので、卒業が24歳、そこから院生になる場合もあるので年齢的問題を大目に見てもらえる。
- 製薬・薬事がトレンドである。
- ジェネリック医薬品開発の需要がある。
- 薬剤師の資格を持っている。
薬学以外の場合は、残念ながら文系出身と同じ選択肢になることが多いため「文系出身のケース」をご確認ください。
文系出身のケース
文系出身の場合、転職先としては以下の4つが考えられます。
- 医療系メーカー
- MS
- 営業職orコンサルティング
- 医療系コンサル・人材紹介
1.高給を維持したい場合
結論、自身の市場価値よりも高い報酬をもらってしまっているので、同じ給与水準を希望する場合は、医療系メーカーが主になります。
2.薬の販売をしたい場合
薬品の説明ではなく、販売をしたいということであれば、MSに転職するという選択肢があります。
ただし、MRの時よりも給与が下がる可能性があります。
3.未経験の異業界に転職したい場合:営業・コンサル
MRの人がスキルアップをしたい場合は、未経験の異業界に転職するのが近道かと思います。
一旦給与は下がりますが、転職する業界・職種によっては、将来的に以前の給与水準に近づけることは可能です。また、将来的なことを考えるなら未経験の業界に転職するのが一番リスクのない転職とも言えるでしょう。
とくにコンサル業界はスキルアップ・長期的な年収UPには最適かと思います。職種は営業職になると思います。しかしコンサル業界への転職は非常に難易度が高くなってきますので、業界に精通した転職エージェントに相談することをオススメします。
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未経験での転職
MR出身の人は、学歴が一定水準以上である場合が多いため、未経験の転職でも、書類選考の通過率は比較的高いです。
転職サイトなどに登録していると、いろんな企業からオファーをもらえるので「自分は大丈夫」と安心している人も多いのではないでしょうか?
しかし、実は、MR出身の人は「面接がなかなか通らない」とご相談をいただくケースが多いです。面接では、学歴だけでなく、「うちの企業で活躍してくれそうな人物なのか」と人柄や応募の動機を問われます。
30分〜1時間程度の短い面接時間の中で、自分を効果的にアピールするには事前の準備や対策が欠かせません。
コミュニケーションは得意だから。と準備を怠って面接に臨んでしまっては、どんなに優秀な方でもサクッとお見送りになってしまいます。
将来を大きく変える転職ですから、気を抜かずに準備をした上で面接に臨んでいただきたいです。少しでも内定獲得率を上げたい人は迷わず転職エージェントを利用頂くと良いかと思います。
MRを続けたい…内資と外資どちらが良い?
正直言って、MRとしてこのまま働き続けることはオススメできません。MRの人には一刻も早く転職することをすすめております。
しかし、年齢や経歴によっては転職ができない、もしくはそのままMRを続けるべき人もいます。そんなMRを続ける人の選択肢は内資・外資があります。
同じMRではありますがそれぞれメリットデメリットがあるので、自身の状況に合わせて選択して頂ければと思います。
外資系製薬メーカー
【メリット】
- 新薬の開発・販売に携われる
- 高給
- 外資企業ブランドが活かせる
【デメリット】
- 転職難易度が高い
- 実力主義なので成果が出せないとリストラの可能性が大きい
- 経営方針が大きく影響を受けやすい
内資系製薬メーカー
【メリット】
- ジェネリック医薬品の開発・販売に携われる。
- 安定的給与を得られる。
【デメリット】
- 外資よりも給与が低い。
- スキルアップが見込めない。
MRからの転職でもっとも重要なこと
MRからの転職はハッキリ言って難しいです。
そんなMRからの転職でもっとも重要なことを転職エージェントの私からハッキリ言うと、年齢です。
年齢は自らの努力ではどうすることもできないため、とても残酷に聞こえるかもしれません。しかし、数多くの転職支援をした私はMRの現状にとても危機感を抱いているので、こうしてハッキリと伝えさせていただきます。
実際、MRからの転職を成功できるのは20代の人がメインです。また、年齢が高くても30代前半程度が転職を成功できるおよそのラインです。
なぜなら、MRからの転職は基本的に未経験業界への転職になり、インプットが必要なため、長期的に働くことのできる若い人材が求められるからです。
もしあなたが30代後半や、40代以上であれば、正直転職は難しいです。MR業界の現状が厳しいのはわかりますが、今のままMRを続けるのがオススメです。
ただ、まだあなたが20代であるならば、できる限り早めに転職をするのがオススメです。
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