失業認定を受けるためには、定期的に求職活動実績を申告しなければなりません。しかし、民間のセミナーに興味があるものの、求職活動実績につながるのか疑問に感じている人も多いのではないでしょうか。
どうせ求職活動をおこなうのなら、効率的に実績を作れる方法を知りたいですよね。
そこで今回は、民間のセミナーは求職活動実績となるのか、また民間セミナーを受講するサービスの選び方を、実績10年以上のベテラン転職エージェントが解説します。

民間のセミナーでも求職活動実績は作れる
ハローワーク以外が主催する民間のセミナーでも、受講すれば求職活動実績は作れます。民間のセミナーとは、民間企業である転職エージェントが主催するオンラインセミナーのことで、厚生労働省の認可を受けています。
民間のオンラインセミナーでも国から正規の求職活動と認められている以上、参加すれば実績として申告できます。
求職活動実績を作れる民間セミナーの選び方
民間のオンラインセミナーを選ぶ際には、求職活動実績になるかが重要な判断ポイントになります。確実に求職活動実績につなげるのであれば、以下の点をチェックしておきましょう。
- 主催者が厚生労働省の認可を受けた転職エージェントである
- 実績対象となる旨が明記されている
- 再就職に関する内容である
主催者が厚生労働省の認可を受けた転職エージェントである
求職活動実績を作りたいのなら、主催者が厚生労働省の認可を受けた転職エージェントであるか確認しておく必要があります。
厚生労働省では「失業の認定における求職活動実績となるもの」として、以下のような基準を定めているからです。
(3) 許可・届出のある民間事業者等(民間職業紹介事業者、労働者派遣事業者、地方公共団体)が実施するもの
求職申込み、職業相談、職業紹介、求職活動方法等を指導するセミナー
出典:厚生労働省
転職エージェントは職業紹介事業者としての認可なしでは運営できないため、転職エージェントが主催するオンラインセミナーなら求職活動実績になります。
一方、転職サイトは職業紹介事業者としての認可は受けておらず、セミナーに参加しても実績にはならないため注意が必要です。
転職サイトとエージェントの見分けが付かない場合は、キャリア相談をおこなっているか確認してみてください。

実績対象となる旨が明記されている
民間のオンラインセミナーを受講する際には、求職活動実績になるかあらかじめ確かめておくと安心です。
民間のオンラインセミナーのなかには求職活動実績に含まれないものもあるため、効率的に実績を作りたい人は慎重に受講するセミナーを選ぶ必要があります。
主催する転職エージェントによっては、セミナーの一覧で求職活動の実績対象となるか明記されているので、申込む前に確認しておきましょう。

再就職に関する内容である
民間のオンラインセミナーで求職活動実績を作るなら、再就職と関連性の高い内容であることも重要です。
原則として、求職活動と認められるのは再就職に向けた取り組みに限られます。再就職と無関係なセミナーを受けたとしても、求職活動とはみなされません。

求職活動実績作りにおすすめの民間セミナー
求職活動実績作りにおすすめの民間のオンラインセミナーを探している人には、業界大手で信頼性が高い以下の3社がおすすめです。
- リクルートエージェント
- doda
- マイナビエージェント
それぞれ実績作りに役立つセミナーが開催されており、会場に足を運ぶ手間なく自宅から求職活動をおこなえます。
それぞれの特徴は以下の通りです。
サービス名 | リクルートエージェント | doda | マイナビエージェント |
---|---|---|---|
求人数(2025年9月時点) | 279,020件 | 917,620件 | 88,592件 |
サービス区分 | エージェント型 | サイト・エージェント一体型 | エージェント型 |
料金 | 完全無料 | 完全無料 | 完全無料 |
対象者 | 20代〜50代 | 20代〜50代 | 20代〜30代 |
強み | サポートが手厚い | 求人数が豊富 | 若年層の転職支援が得意 |
オンラインセミナーを受講するエージェントに迷っている人は、リクルートエージェントに登録しておきましょう。
リクルートエージェントは実績となるオンランセミナーの種類が豊富で、受講後のメールが参加証明に利用できます。

民間セミナーで求職活動実績を作るための注意点
民間のオンラインセミナーで求職活動実績を作りたいと考えている人は、以下の点に注意してください。
認定日までに2回求職活動をおこなったとしても、実績作りのルールを守らなければ、実績不足になってしまう恐れがあります。
それぞれの項目を確認し、スムーズに求職活動実績を作りましょう。
参加証明書を受け取るために内容確認をされることがある
転職エージェントによっては、オンラインセミナー受講後に内容確認のテストを受けなければ参加証明書を受け取れないケースがあります。
実際にdodaが採用している方式で、オンラインセミナーに参加しただけでは参加証明に使えるメールは届きません。参加すれば実績がもらえるからと気を抜いていると、テストに回答できず参加証明書がもらえない可能性があるので注意しましょう。

必ずしも参加証明書を受け取れるとは限らない
民間のオンラインセミナーを受講しても、必ずしも参加証明書を受け取れるとは限りません。すべての転職エージェントが参加証明書の発行をおこなっているわけではないからです。
例えばリクルートエージェントでは、オンラインセミナーの受講終了後に参加御礼メールは届きますが、参加証明書の発行はありません。

同日に2回以上セミナーに参加しても実績は1回のみ
セミナーだけで同日に2回分の実績を作ろうとするのは、避けたほうが無難です。例外を除き、同日におこなう同じ内容の求職活動は、1回分しかカウントされません。
ハローワークや職員の裁量によっては、別の内容のセミナーであれば2回分の実績となる可能性はありますが、セミナーの受講を1日1回に留めておくほうが確実です。
例外として、求人応募は回数分の実績が得られるので、同日に2社応募すれば2回分の実績となります。セミナー受講で1日2回分の実績が付くかは不確実なので、基本的に1日1回分と考えておきましょう。

セミナーの日と講座内容を正しく記載する
民間のオンラインセミナーを求職活動実績にする際には、失業認定申告書に活動日と内容を正しく記載することが大切です。
民間のオンラインセミナーを受講しても、活動日や内容があやふやでは実績としての信ぴょう性に疑念を持たれる可能性があります。

実績認定日のセミナー参加は次回の認定日の実績となってしまう
実績認定日に慌てて民間のオンラインセミナーに参加しても、当日分の求職活動実績にはなりません。
求職活動実績作りの締切日は実績認定日の前日までとなっており、認定日に作った実績は、次回分に持ち越されてしまいます。

求職活動のふりをするのは避ける
受講していない民間セミナーを「受講した」と申告して、求職活動のふりをするのは避けましょう。働く意欲があると見せかけて失業保険を受給する行為は、不正受給に該当します。
失業保険を不正受給すると、これまで受給した額の返済に加え2倍額の追加納付(3倍納付)や、延滞金の支払いを命じられる恐れがあるので注意が必要です。

民間のオンラインセミナーは求職活動実績を作る手段として手軽ですが、実際に受けたセミナーだけを申告するようにしてください。
民間セミナーで求職活動をした際の失業認定申告書の書き方

出典:失業認定申告書
民間セミナーでの求職活動実績を、失業認定申告書に正しく書く方法を解説します。記入する必要があるのは、以下の項目です。
- 求職活動の方法
- 活動日
- 利用した期間の名前
- 求職活動の内容

出典:失業認定申告書
民間のオンラインセミナーで求職活動をおこなった場合、「求職活動の方法」欄は(イ)に◯を付けましょう。「活動日」はオンラインセミナーを受講した日付を記入してください。
「利用した機関の名称」には、利用した転職エージェントの運営会社を記入します。
- リクルートエージェント⇒(株)インディードリクルートパートナーズ
- doda⇒パーソルキャリア(株)
「求職活動の内容」には、オンラインセミナー参加と記入した後に、具体的なセミナー名を記入すればOKです。
失業保険の手続きの流れや失業認定申告書の書き方については、以下の記事でも詳しく解説しているので、併せてチェックしてみてください。
民間セミナー以外で効率的に求職活動実績を作る方法
求職活動実績を作る方法は、民間セミナーだけではありません。以下の方法も併用すれば、さらに効率的に求職活動をおこなえます。
状況に応じて使い分けながら、スムーズに求職活動実績を作りましょう。
【おすすめ】転職サイト・エージェントで求人応募
転職サイト・エージェントに登録すると、オンラインセミナーを受けるだけでなく求人応募も可能になります。転職サイト・エージェントは、ハローワークと異なり求人掲載に費用がかかるため、質の良い求人を比較閲覧できるのがメリットです。
特に業界大手のリクルートエージェントは求人数が多く、気になる企業に応募する際も熟練のキャリアアドバイザーがバックアップしてくれるので安心です。

【おすすめ】転職エージェントのキャリア相談
民間セミナーを活用しながら求職活動実績を作りたい人は、転職エージェントのキャリア相談も実績作りの選択肢に加えてみてください。
転職エージェントのキャリアアドバイザーは、転職支援のノウハウに長けているため、キャリア相談を受ければ実践性の高いアドバイスを得られます。

ハローワークのセミナー
民間のオンラインセミナーだけでなく、ハローワークのセミナーにも参加すれば、さらに効率的に実績を作れます。
ハローワークのセミナーは求職登録していれば誰でも利用できるため、気軽に申込める点が魅力です。
セミナーの選択肢が増えれば、スケジュールの都合に合わせて受講するセミナーを選べるので、求職活動しやすくなる点もメリットです。

ハローワークの職業相談
民間のオンラインセミナーを受けることを考えている人は、ハローワークでの職業相談も選択肢に加えてみてください。
職業相談は再就職への前向きな行動と捉えられるため、相談時間や内容にかかわらず確実に1回分の実績を作れます。
ハローワークで職業相談を受けると応募を迫られそうなイメージを持つ人も多いですが、一旦持ち帰って検討したいと素直に伝えれば、強要されることはありません。

ハローワークで求人応募
ハローワークの職業相談でよい求人を紹介してもらえたときは、そのままハローワークで求人に応募するのがおすすめです。
相談と応募で2回の求職活動実績が作れるだけでなく、応募までの一貫した作業を窓口職員がサポートしてくれます。
また、窓口で実績証明のスタンプを直接もらえるので、認定日の実績証明もスムーズにおこなえます。

民間セミナーで求職活動実績を作る際によくある質問
民間セミナーで求職活動実績を作る際によくある質問をまとめました。疑問点がある人は、該当する項目をチェックしてみてください。
実績となる判断基準は再就職への意欲的な行動なので、再就職にかかわる内容であれば求職活動として実績が認められます。
実績を重視するのであれば、別のセミナーを受講する必要があります。
民間のオンラインセミナーだけにこだわらず、ハローワークのセミナーで気になるものがあれば、積極的に参加してみましょう。
求職活動実績を作れる民間セミナーならリクルートエージェントがおすすめ
求職活動実績を作れる民間セミナーなら、リクルートエージェントがおすすめです。リクルートエージェントは誰でも無料で利用できるうえ、求職活動実績になるセミナーが多数開催されています。
似た内容のセミナーに何度参加しても1回分の実績しか作れませんが、異なるセミナーに参加すれば複数の実績を作れます。
登録しておけば、認定日間際で実績が足りないときでも利用できるので安心です。参加御礼メールが実績証明に使えるので、積極的に活用してみてください。
