今回のテーマはベンチャーへの転職についてです。
内容が濃いものとなっているので少し読むのが大変かも知れませんが、年間1500人以上転職サポートをしている観点から、ベンチャー企業への転職を検討されている方に向けてリアルな情報をお伝えしようと思います。
目次
ベンチャー企業への転職に不安がある方
結論、ベンチャー企業への転職はある程度のリスクはありますが
注意点をしっかり意識できていれば、問題はありません。
ベンチャー企業への転職に懸念のある人には
- 倒産のリスクが高そう
- 労働時間が長くて、仕事がハードそう
- 大手企業との文化の違いが大きくて大変そう
- 実力主義の評価制度についていけるか不安
- 給料が低くなりそう
- 「社長の言う事は絶対」のワンマン経営なのでは?
などの不安や疑問があるのではないかと思います。
これらの問題は、これから解説する注意点を意識する事が出来れば、解決することが出来ます!
また、ベンチャー企業にマッチする人材は仕事に対する積極性や、やりきる力です。この適性を持った方で、なおかつ20代などの若い人材であればベンチャー企業への転職は比較的成功しやすいです。
そのため、早めの転職活動がオススメです。
ベンチャー企業への転職の注意点
ベンチャー企業への転職の懸念を払拭する為には以下の注意事項があります。
1.勝手なイメージからのミスマッチ
まず、「ベンチャー」の定義を明確にしましょう。
実はベンチャー企業の定義は、明確に定義はされていません。そのため、人それぞれイメージや定義が違います。
その会社で働いている「人数」なのか、「規模」なのか、「フェーズ」なのか、「風土」なのか、今回の転職で大切にしたい定義を決めましょう。
おそらくこの記事を読んでいる方は、少なからずベンチャー企業への転職に興味があるはずです。
この定義が曖昧なまま転職活動をしてしまうと入社後のミスマッチが起り、短期離職になる可能性があります。
多くの方とお会いする中で、「ベンチャーに転職したいです!」という方のイメージされる企業は「ベンチャー風土のある企業」(サイバーエージェント)(リクルート)など知名度があり、ITやWEB事業を展開している企業が多い印象です。メガベンチャーと呼ぶこともあります。
これらの企業はマインドこそベンチャー特有のモノが残っていますが、規模や体制に関しては大企業と大きく変わりません。
意思決定のスピードや風通しの良さ以外に、経営者との距離の近さを大切にしたい場合や、文化や制度設計に携わりたい場合は「会社の人数や規模」を基準にすると良いでしょう。
ベンチャー企業の定義を明確にするためには「質の高い情報収集」と「自身が持つイメージ明確にする」ことが大切になってきます。
2.ベンチャー企業は10年での生存率が5%!
これはベンチャー企業へ転職を考える方の多くが懸念される問題だと思います。
結論、倒産リスクは十分あります。
新しいベンチャー企業は次々と誕生していますが、倒産を含めた企業生存率としては、1年で40%、10年後はわずか5%程度といわれています。
ただ、 ベンチャー企業で勤めあげた経験というのは、転職市場での評価が高いので、他の転職先を探すことも難しくないと思います。
大事なのはそのような倒産リスクを覚悟で、事業の可能性に賭けて同じ船に乗ることができるかです。
この懸念を払拭できるようであれば、転職しても問題がないでしょう。
3.希望の仕事ができないことも!?
「会社の方向性や社風が自分には合わなかった」
といった理由でベンチャー企業への転職を後悔する事例が多々あります。
ベンチャー企業では経営者のマインド等がかなり強く反映されており、社風にも大きく影響します。
大企業と違って社員と経営者との距離も近いので、経営者の考えと自分の考えが合わないと働く上では致命的です。
よく認識しておくべきなのは、ベンチャー企業に入ったからといって、必ずしも自分の理想の環境で思い通りの仕事ができるとは限らないということです。
そのため、ベンチャー企業へ転職することを変に期待してしまうとミスマッチに繋がります。
ご自身で情報収集をされても良いかと思いますが、実際企業がどんな環境でどんな雰囲気なのか、判断するのは難しいので、転職エージェントに相談することをオススメ致します。
転職エージェントは企業がなにを求めるのかをヒアリングして、企業の正確な雰囲気などの情報をお伝え出来ます。
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4.転職後の年収の変化
気になる年収ですが、残念ながらベンチャーへの転職で年収がアップする保証はありません。
ベンチャー企業への転職では、一般社員としてのスタートがほとんどであることに加え、報酬相応の結果を残すことができないと減給や解雇になりやすい環境です。
ベンチャー企業の年収は、大企業以上に結果に比例していきます。
小さい会社からスタートし、上場に成功してIPOによる多額の利益を手にする社員もいますが、ごく一部の企業に限られています。
企業を動かす立場かどうかによっても収入が大きく変わりますが、専門的な能力がある場合は年収が上がることもあります。
企業の成長度合いに応じて年収は上がるため、逆にチャンスと捉えて転職する成長意欲の高い方が多いのも事実ですが、年収や待遇面のみで転職を考えている場合は、ベンチャー企業への転職はオススメしません。
ベンチャー企業で働くメリットは?
ここまで、ベンチャー企業の厳しい面を紹介してきましたが、もちろんメリットも存在します。
以下でその詳細を見ていきましょう。
1.成長機会が多い
大手企業であれば、管理職になれるのは30代を過ぎてからの方が圧倒的に多いです。
業界職種によっては昇進が遅い場合もありますが、ベンチャー企業の場合には、入社2年目から数十名の部下を率いて仕事をすることも珍しくありません。
そのため、ベンチャー企業のほうがマネジメント経験を早く経験できる機会が多い傾向にあります。
ベンチャー企業に転職した後、若くして役員や子会社の社長になられた方も多くいます。
厳しい環境ではありますが、圧倒的に成長をしたいのであれば、おすすめできる環境です。
2.経営者と距離が近い中で仕事ができる
先ほどこの点はリスクとして紹介しましたが、環境次第では大きなメリットとなると言えます。
大手企業から転職される方の多くに当てはまるかと思いますが、社長と仕事の話をしたことがなかったり、中には顔を見たことすらない人も居るのではないでしょうか。
比較的ベンチャー企業では、社長のそばで働ける傾向にあります。
同じフロアであったり、場合によってはすぐそばで働くこともあります。
経営者のそばで働くことによって、自分がやってみたい仕事の提案など、直談判できる環境があるため、自発的な志向性がある人にとっては、メリットの1つといえます。
そのため起業や事業家を視野に入れているのであれば、ベンチャー企業という環境は非常に良い環境といえます。
3.意思決定が圧倒的に早い
実施したい施策や制度の提案をしたり、システム導入を実施したりする場合、許可が下りるまでに必要以上に長い時間が掛かった経験はありませんか?
変革を歓迎する傾向が強いベンチャー企業では、意思決定のスピードが圧倒的に早いことが特徴なので、自分がやりたいと思った施策をかなりのスピード感で実現できます。
また、自ら手を挙げれば仕組みや制度も作ることができます。
より働きやすい環境を作ることもできます。
4. 同じ志向を持った人と働ける
会社の社風や方向性には経営者の思考が色濃く反映されていることがほとんどですが、その社風や思考を魅力的と考える人たちが集まっているとも言えます。
そのため、社内メンバーの志向性は似たようなものとなるので同じ志を持った人と1つの目標に向かって仕事がしたいと考えている人にとっては良い環境だと言えます。
経営者のマインドによって、同じベンチャー企業とはいえど、社風は大きく変わってきます。しかし、企業や経営者のマインドは表向きの情報だけでは判断出来ないことがほとんでです。
ベンチャー企業に適性がある人は?求められる人材!
大手企業で働くのとは勝手が違うので向き、不向きがあります。
ベンチャー企業への適性や求められる人材について以下で詳しくみていきましょう。
1. 積極性がある人
適正に関していえば色々ありますが、保守的な人は残念ながらベンチャー企業とはマッチしません。
ベンチャー企業では教育体制が整っていない中でも、都度指示待ちをするのではなく、積極的に自分がすべきことに取り組みどんどん成長できる人材が必要となってきます。
2. 変化を恐れず、新しいことに適応できる人
ベンチャー企業は会社としても未完成の成長フェーズであるので、新しい環境に慣れることや、革新的な変化についていける、対応力のあるひとは活躍していける可能性が高いです。
逆に新しいことや変化を受け入れるのが苦手な方はベンチャー企業への転職は控えた方が良いかと思います。
3. 職種を越えて複数の業務をこなせる人
ベンチャー企業は組織規模が小さい分自身の職種を超えて仕事を任されることもあり、一人二役、三役をこなす必要があることも多く、かなり体力的にもきつい面があります。
大手企業で働く場合と比べて裁量権がある分、責任も重くなり、ハードワークになる傾向があるため、そういった状況にも耐えられるかは大きなポイントになるかと思います。
4. やりきる力がある人
ベンチャー企業ではサービスを立ち上げたり、大きく成長させるということが求められます。つまり、正解がない中で事業を展開していかなければなりません。
そのような中で様々な課題に直面しても逃げずにやりきる力があるかどうかは非常に重要な点となってきます。
5. 意欲が人一倍強い人
ベンチャー企業ではこれまで書いてきたような理由から、採用時には意欲があるかどうかという点を重要視します。
ベンチャー企業で働くということは上記のようにそれなりの困難やリスクが伴うので、「本当にこの人は本気で働いてくれるのか」という点を採用企業は見ています。
もちろん、経験のある優秀な人材を探している面はありますがそれ以上にガムシャラになって働けるかどうかが大事です。
企業によっての採用ニーズで変わってくるため一概には言えませんが、参考にしてみてください。
ここまで、ベンチャー企業への転職に適性がある方の特徴を説明してきましたが、ご自身で客観的に判断するのは難しいと思います。
ベンチャー企業の適性があるかどうかは、ベンチャー企業への転職支援に豊富な経験があるエージェントに相談するのが一番良いかと思います。以下におすすめの転職エージェントを紹介しますので、ぜひ1度相談してみてくださいね。
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ベンチャー企業への転職を成功させるコツ
ベンチャー企業への転職に適性のある方の特徴を説明しました。
次は、実際に成功させる為のコツを紹介します。
1. 自身のキャリアプランが明確にする
これは非常に重要です。
ベンチャー企業で圧倒的な成果を出している方は、キャリアプランによって働く目的が明確になっている方が多いです。
会社に頼るような行動精神では、ベンチャー企業では上手くいきません。
実際にベンチャー企業へ転職して成果を上げた人には、その後退職して、自分で起業をしたり、また別のベンチャー企業へ転職していく人も多くいます。
いずれにしてもベンチャー企業で本当に成功するのは、将来的な視点で自身のキャリアプランを描けている人だといえます。
3. 働いているところを具体的にイメージする
選考の時に、働いているところをイメージ出来ている会社には受かり易いです。
ベンチャー企業ではメンバーが一体となって同じ目標を達成するためにまだ世にない事業を展開していくことになるので、事業に対して具体的なビジョンが描けているかが大切になってきます。
もしこの部分が曖昧だと、「転職後のミスマッチが原因で早期退職してしまうのでは?」と判断され、落とされてしまう可能性が高いです。
4. ベンチャー企業を自分の目で見極める
リスクの部分でお伝えしたように、ベンチャー企業の生存率は高くないため自身の目で見極めて転職することが重要です。
ここでは生存率が高い企業を判断するための基準をいくつかお教えします。
- 採用に力を入れている企業かどうか
- 他社と明確に差別化されたビジネスモデルがある
- 経営者自身に魅力がかなりある
まず、採用に力を入れている企業は伸びていく可能性が高いです。
特に新卒採用よりも中途採用に力を入れている企業であればある程度利益があり、事業を伸ばせる方向に進んでいると捉えることができます。
なぜなら中途採用の方が人材採用に費用がかかるからです。
さらに、他の大手企業が真似できない何かを持っているベンチャー企業は伸びていきます。
会社の強みが何なのかを考えてみて、それが明確にはわからないようなベンチャー企業への転職はあまりオススメできません。
オススメのメガベンチャーの企業
ベンチャー企業への転職で意識するべき事はお伝え出来たかと思います。
とはいえ、組織規模が小さすぎる企業への転職は不安という方も多いと思います。
そういった方は、メガベンチャーへの転職も良いかもしれません。代表的な企業をご紹介します。
株式会社リクルート
リクルートは新卒でも人気の企業です。中途採用は、エリア採用・グループごとでの採用になります。
2021年にリクルートに吸収合併されるまでは子会社各社ごとに新卒・中途ともに採用活動をしており、人事制度・給与制度も変化しているため、若干の変化や違いが出ていました。
すべての子会社が吸収合併されたわけではなく、一部はグループ企業として存続しています。エントリーをする際には、HPの採用ページ欄や求人票を個別にしっかりとご確認ください。
事業領域やテーマごと、機能ごとに以下のような事業やグループ会社群があります。以下、株式会社リクルートに吸収合併されたグループ会社は、「旧」と表記しております。
リクルートグループは、人材を支援をしている「旧リクルートキャリア、旧リクルートジョブズ、リクルートスタッフィング」や不動産メディア(SUUMO)を運営している「旧リクルート住まいカンパニー」、結婚(ゼクシィ)・自動車(カーセンサー)オンライン学習サービス(スタディサプリ)などを展開している旧リクルートマーケティングパートナーズなどがあります。
リクルート出身者は「独立や起業」される方も多いため、ベンチャーへの転職を将来的に目指す方はオススメです。
選考基準は非常に高いので、リクルートへの採用支援に強いエージェントを利用する事をオススメします。
大手エージェントにも登録するのも1つですが、面接対策やその後のキャリアパスも考えての支援に強みがある中小エージェントの活用もオススメです。
楽天
会員ビジネスを軸とした「楽天経済圏」というビジネスモデルで、成長を続けてきた楽天。
従業員規模が1万人を超えた現在でも新しいビジネスを生み出そうとするベンチャースピリットは健在です。
コチラも非常に人気のある企業である為、採用難易度は高いです。
楽天に強いエージェントを利用する事をオススメします。
また、楽天への転職に興味のある方は、以下のコンテンツもオススメです。
その他にオススメのベンチャー企業
リクルートグループ、楽天以外にもオススメのベンチャー企業は多数あります。
ベンチャー風土がある企業は多く存在します。知名度の高い企業を今回はご紹介させていただきました。
転職先として人気の企業ではあるので、応募数が多いのが特徴です。応募数が多いことで採用ハードルは上がりますので、しっかりとした面接対策と準備が大切です。エージェント経由で応募することで、書類の添削や面接対策を実施してくれますので、ぜひ活用ください。
ベンチャー企業へ転職を考えている方へ
ベンチャーは企業によって方向性や積める経験が全く変わるので、転職をする際は自分に合った企業選びが重要です。
しかし、自分が求める方向性や経験を整理しながら、それにマッチした企業を星の数ほどある企業から見つけ出すのは難しいかといえます。
組織規模が小さいベンチャー企業は特定の転職エージェントや採用媒体で採用を実施しています。非公開求人も多いため、複数のエージェントを利用することも検討してください。
例えばマイナビエージェントのような転職エージェントは、企業の採用担当と密に連絡をとっており、社風などを熟知しているだけではなく、求職者の求める方向性などを丁寧にヒアリングしてるので、あなたにとって良い企業とめぐり会えると思います。
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末永 雄大
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