保育士から転職は難しい?おすすめ転職先や異業種キャリアチェンジ方法

保育士から転職は難しい?

リクルートエージェント

激務な保育士を辞めたいと考えても「女性だと保育士からの転職は難しい?」や「どんな転職先がおすすめなのか?」など、保育士からの転職で悩みを抱える人は多いです。

保育士からの転職(再就職)では、転職理由を明確にした上で、現在の仕事の不満点を前向きな理由に言い換える工夫が必要です。そして、適切な会社選び・面接対策をして、転職活動の後悔を防ぎましょう。

今回は、保育士からの転職難易度を現役転職エージェントが解説します。転職を失敗しないように、強みが伝わる志望動機のポイントや未経験からの異業種転職のコツを理解しておきましょう。

保育士からの転職は難しい?

結論から言うと、保育士から民間企業への転職はぶっちゃけ難しいです。

求職者の方々は転職に対して下記のような理想を抱きがちです。

  1. 転職をしたら給与が上がる
  2. 現職の負担から解放される
  3. 自分の希望するやりがいのある仕事ができる

残念ながら、これらの理想は転職市場の現実と大きくかけ離れています。それでは下記で保育士からの転職の現実を紹介していきましょう。

転職をしても給与が上がることはまずない

多くの求職者の方々が転職をすれば現職よりも給与を上げることができると考えていらっしゃいます。

しかし、現職と同じ業界を希望しかつ一定水準以上の実績・経験がある方ならまだしも、未経験の業界希望で実績・経験がない方が給与アップを提示されることなどまずありえません。

転職で重要なのはトレードオフを意識することです。

転職をしてスキルアップを目指すのであれば、一旦は給与を下げる覚悟を持ちましょう。

ですから、保育士の方々が転職に臨む場合は給与を一旦下げてでも、スキルアップのためのステップアップの転職をするべきなのです。

転職をしても新たな負担や悩みが発生する

保育士という職業はかなり負担が多く正当な評価がされていないと読者の方もきっと感じていらっしゃるでしょう。

しかし、転職してもその転職先で何の負担も悩みもないという環境が得られると考えるのは甘いです。

仕事とはそもそもが大変で苦痛なものです。

楽しくて好きなことだけができれば誰も苦労はしませんし、現に読者の方々が楽しいと感じることは全てご自身が料金を支払って手に入れているもののはずです。

民間企業に転職してから、入社前とのギャップによって大きく後悔することも稀ではないのです。

転職後も、現職とは異なる面での負担や苦悩が発生するということはしっかり肝に命じておきましょう。

希望するやりがいのある仕事は一部のみ

転職についてのweb記事は世間に多く出回っていますが、その多くが転職成功体験談を掲載しています。

その体験談が嘘だとは言いませんが、その転職成功体験談はあくまで転職した層の氷山の一角に過ぎないことをしっかりと理解しておきましょう。

成功体験談を鵜呑みにして、ご自身が希望するやりがいのある仕事に簡単に就くことができると考えるのは甘いです。

最終的なご自身のキャリアプランをしっかりと考えた上で、それを実現するために現在はどのようなスキルを磨く必要があるのか、そのために最適な職業は何なのかを考えて転職先を選びましょう。

そして転職先ではご自身の望むものとは違ったとしても、与えられた仕事をしっかりやりきりましょう。

上記の内容をしっかりと理解した上でそれでも転職をしたい方は、それなりの覚悟を持って転職活動に臨みましょう。

転職エージェント末永
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リクルートエージェントは日本トップクラスの転職エージェントで、有名ベンチャー企業から上場企業まで幅広い求人数を誇ります。保育士から異業種へのセカンドキャリアを目指すなら、まずは登録することをおすすめします。

保育士から転職する際のボトルネック

冒頭でも保育士からの転職は厳しいと述べましたが、そのボトルネックには下記2つがあります。

  1. 民間企業での就業経験がない
  2. 専門的なスキルがない

以下で詳細を見ていきましょう。

①民間企業での就業経験がないこと

保育士の方が転職する際に真っ先にボトルネックとなることは、業界や職種に関係なく、民間企業の文化を知らないことです。

保育士は子供を相手にする仕事ですが、転職市場の民間企業は大人を相手にするビジネスが中心です。

ですから企業側にとっても、「ウチの企業でやっていけるのか」「すぐに辞めてしまわないか」など懸念する点が多いです。

背景として、民間企業の場合は「利益」を追求することにとてもシビアです。

営業・総務などその他、大半は保育士の方にとっては未知の世界だと思いますし、幼稚園や保育園の民間企業と転職市場の民間企業には働き方・組織に在籍する人員数などの点で大きな違いがあります。

②専門的なスキルがないこと

保育士の方はホスピタリティやコミュニケーション能力は高い傾向にあります。

しかし、これまでずっと子供を相手にして仕事をしてきたために、民間企業で活用できる専門スキルに乏しいです。

保育士で評価される強み・経験スキル

保育士の経験が転職市場で評価される強みやスキル経験をまとめました。

高いコミュニケーション能力と対人対応力

保育士は、子どもだけでなく、保護者や同僚、園長、時には行政機関とも関わりながら仕事を進めます。そのため、相手に応じたコミュニケーションスタイルを使い分ける力が自然と鍛えられています。

特に、相手の立場や気持ちを汲み取りながら伝えるスキルは、営業職、カスタマーサポート、事務職など幅広い職種で強く評価されます。「相手に安心感を与えられる」「丁寧で誠実な対応ができる」という特性は、どの業界でも重宝されるポイントです。

高いマルチタスク能力と臨機応変な対応力

保育士の現場では、子どもたちの安全管理、保育計画の実施、イベント準備、保護者対応など、複数のタスクを同時進行でこなす能力が必須です。

また、突発的なトラブルや体調不良などにも臨機応変に対応しなければならないため、瞬時に優先順位を判断して行動できる柔軟性が身についています。このスキルは、忙しいオフィス業務、営業アシスタント、プロジェクト管理などの仕事でも即戦力として期待されます。

忍耐力・ストレス耐性の高さ

保育士は、常に体力・精神力を問われる環境に身を置いています。

忙しい日常に加え、思い通りにならない子どもたちの対応や、保護者からの要望・クレームなど、ストレス要因が多い中でも冷静に対応し続ける力が求められます。

この「粘り強さ」や「落ち着いて行動できる精神力」は、転職市場では大きな強みと見なされます。
特に、クライアント対応の多い職種、チームワークが重要な職場では非常に高く評価されます。

保育士おすすめ転職先・キャリアパス

保育士からの転職は厳しいことをお伝えしてきましたが、保育士からの転職は完全に不可能という訳ではなく可能です。

保育士からおすすめの転職先(キャリアパス)は、下記の5つです。

一般事務・営業事務職

保育士で培ったマルチタスク能力、細やかな気配り、対人対応力は、事務職で非常に重宝されます。
特に「同時に複数のタスクをこなしながら、丁寧に処理する」力は、事務職の本質に直結します。

向いている人

  • ルーティンワークをコツコツこなすのが得意
  • チームをサポートする役割にやりがいを感じる
  • 体力よりも「段取り力」で仕事を進めたい人

医療事務・福祉事務

保育士の経験は、医療・福祉業界でも非常に親和性があります。患者さんや利用者さんへの気遣い、親御さんとの対応経験がそのまま活きるため、未経験でもチャレンジしやすいフィールドです。

向いている人

  • 社会貢献性の高い仕事を続けたい
  • 落ち着いた環境で働きたい
  • 長期的に安定したキャリアを築きたい

人事・採用アシスタント

保育士として人と深く関わってきた経験は、人事・採用アシスタントというキャリアでも活かせます。面接の日程調整や候補者対応など、「相手に合わせて臨機応変に動く力」が強みになります。

向いている人

  • 人と接する仕事を続けたい
  • チームで働くのが好き
  • コミュニケーション力に自信がある

コールセンター(インサイドセールス・カスタマーサポート)

保護者対応・クレーム対応の経験が豊富な保育士は、コールセンター業務でも即戦力として期待されます。特に、インバウンド(受信型)業務や、カスタマーサクセス系職種は、感情に寄り添いながら課題解決するスキルが高く評価されます。

向いている人

  • 相手の立場に立って話を聞くのが得意
  • 丁寧な言葉遣いに自信がある
  • 問題解決型の仕事にやりがいを感じる

福祉・介護業界(生活相談員・ケアマネジャーなど)

保育士資格や対人支援経験は、福祉・介護分野へのキャリアチェンジにも活かせます。特に、生活相談員やケアマネジャーのような「人の暮らしを支える仕事」では、保育士時代の親身な支援経験が強みになります。

向いている人

  • 誰かを支える仕事が好き
  • 人との関わりを大切にしたい
  • 資格取得にも前向きに取り組める
転職エージェント末永
転職エージェント末永
保育士からのキャリアチェンジを成功させるためには、なぜ転職したいのかという志望動機を明確にし、転職活動の方向性をしっかりと定めることが重要です。

保育士から異業界へ未経験転職するなら20代まで

結論、保育士の方が転職をするなら20代までが勝負です。

以下で20代と30代以降の年齢でのそれぞれの対応方法を紹介していきます。

20代の保育士

1・2年程度保育士として働いてみて、長く保育士として働くことが難しいと感じた20代前半の保育士の方々は、転職活動を視野に入れてもいいでしょう。

20代前半は第二新卒と呼ばれ、今の転職市場では1つの大きな市場になっていますし、特別な経験がなくても採用される場合があります。

一般企業での就業経験がない保育士の方でも、その他の同世代の求職者と同じ土俵で転職活動をすることが十分に可能です。

ベストな年齢は20代前半ですが、その時点で転職するかどうか判断ができない場合、遅くとも29歳までには判断する必要があるでしょう。

30代以降の保育士

結論、保育士としてのキャリアを続けることをオススメします。

というのも、30代になると、転職市場での自分を取り巻く環境は一気に厳しくなるためです。

企業側が30代以降の求職者に期待するのは即戦力としての活躍です。

30代まで保育士としてのキャリアしか積んでおらず、民間企業での経験やスキルに乏しい候補者を採用してくれる企業はほとんどないのが現状です。

潔く保育士としてのキャリアアップを目指すのがベストな選択です。

20代であれば、20代に強い求人を数多く保有しているマイナビエージェントに登録するのがおすすめです。

保育士からの転職で後悔しないために

保育士として働く中で激務に疲れ「辞めたい」と思う瞬間は決して特別なことではありません。子どもたちへの愛情がある一方で、過重な労働環境や将来への不安に悩み続けるのは、心にも体にも大きな負担になります。

保育士として培った「コミュニケーション力」「状況判断力」「マルチタスク能力」は、異業種へのキャリアチェンジでも大きな武器になります。今までの経験を無駄にすることなく、もっと自分らしく働ける環境を選ぶことは、決してわがままではありません。

「激務に追われる毎日から抜け出したい」「次こそ長く続けられる仕事を見つけたい」と感じたら、まずはリクルートエージェントdodaに相談してみてください。

あなたの強みを丁寧に整理し、希望に合ったキャリアプランを一緒に考えます。焦らず、でも確実に、自分に合った働き方への第一歩を踏み出していきましょう。

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末永 雄大
青山学院大学卒業後、リクルートキャリア(現リクルート)に新卒入社。リクルーティングアドバイザーとして、企業の中途採用を支援。2012年アクシス株式会社を設立。代表取締役に就任。現役キャリアアドバイザーとして転職支援を行いながら、インターネットビジネスの事業開発、講演活動、執筆活動を行っている。著書「成功する転職面接」「キャリアロジック」