転職で年収アップは難しい?中途入社後に後悔しない上げ方と給料交渉術

収入アップを狙う転職術

リクルートエージェント

20代後半から30代にかけて「思ったほど年収が上がらない」「同世代の平均年収より低すぎて結婚もできない」「転職して収入アップしたい」と悩む方は少なくありません。

かつては昇進による昇給が主流でしたが、今では転職や副業、独立など様々な方法で年収を上げる時代です。しかし実際には「転職で本当に年収が上がるの?」「給料交渉ってどのタイミングでどう言えばいいの?」と不安を感じる人も多いのではないでしょうか。

この記事では、20代~30代の転職にかけて転職で年収アップを実現するためのポイントや、中途入社後に後悔しないための給料交渉術について、わかりやすく解説します。

目次

本当に転職で年収は上がるのか?実態とデータ

「転職したら年収が上がる」という話はよく耳にしますが、現実はそこまで単純ではありません。

転職サービス「doda」の調査によれば、転職によって年収が上がった人は約60%。これは決して低くはない数字ですが、裏を返せば約4割の人は、年収が横ばいか、むしろ下がっているということでもあります。

また、年収アップのしやすさは「年齢」や「職種・業種」によって大きく左右されます。

20代後半〜30代前半:ポテンシャル採用の枠も多く、比較的年収アップの可能性が高い

30代後半〜40代:スキルやマネジメント経験の明確な証明が求められ、難易度が高くなる傾向

営業、ITエンジニア、コンサル系:は成果が可視化しやすく、年収交渉がしやすい

つまり、誰もが転職で年収アップを実現できるわけではなく、事前に「自分の年収がどう評価されるか」を把握したうえで動くことが重要です。

転職で年収アップに成功する人の特徴とは?

転職でしっかり年収を上げている人には、いくつかの共通点があります。ここでは代表的な3つのポイントを紹介します。

スキルと実績を「数字で説明できる」

例えば営業職なら、「前年売上1,000万円→1,500万円に成長」や、「顧客満足度90%以上を半年間キープ」など、数字で証明できる成果があると評価されやすくなります。抽象的な「頑張った」ではなく、企業にとって再現性のある成果を見せられるかがカギです。

自分の市場価値を把握している

年収アップを実現している人の多くは、事前に「自分のスキルが市場でいくらの価値があるか」を把握しています。「ミイダス」「OpenWork」「ビズリーチ」などを活用し、年収相場を把握したうえで、希望条件を設定しているのです。

転職エージェントを上手に活用している

自分で交渉することに不安がある人でも、エージェントを通すことで給与交渉を代行してもらえるため、遠慮せず希望年収を伝えやすくなります。

転職エージェント末永
転職エージェント末永
リクルートエージェントなど年収交渉に強いエージェントを利用している人ほど、年収アップに成功しやすい傾向があります。

逆に年収アップに失敗する人の共通点

一方で、転職によってかえって年収が下がってしまったり、後悔してしまった人には、共通する落とし穴があります。

年収だけで転職先を選んでいる

「今の会社より年収が高いから」とだけで転職を決めてしまうと、仕事内容や働く環境が合わず、モチベーションの低下や早期離職につながることがあります。たとえば「スタートアップ企業で高年収」でも、成果主義やリスクが高いことを理解していないと後悔につながるでしょう。

給料交渉を避けてしまう

「強く出ると印象が悪くなるかも…」という不安から、企業の提示額をそのまま受け入れてしまう人は少なくありません。結果的に、本来もっと高い評価を得られるはずだったのに、年収が伸び悩む要因となってしまいます。

業界・職種の相場を調べていない

「このくらいもらえるだろう」という感覚だけで希望年収を設定すると、企業との乖離が生まれて選考で不利になったり、現実を突きつけられて妥協してしまうケースがよくあります。

転職で年収アップを狙うときの具体的なステップ

では、どうすれば転職で年収アップを実現できるのでしょうか?ここでは成功するための4ステップを紹介します。

STEP1:市場価値を客観的に知る

自分の経験・スキルがどれくらいの評価を受けるのかを知るには、「ミイダス」や「doda年収査定」などのツールを活用するのが効果的です。加えて、転職エージェントに相談し、同職種・同世代の相場を教えてもらうことで、現実的かつ交渉可能な年収ラインを明確にできます。

STEP2:職務経歴書や面接対策で価値を見せる

ただの経歴ではなく、自分がどのような貢献をしてきたかを具体的に伝えることが重要です。「誰にでもできる仕事」ではなく、「自分だからこそできたこと」を伝えることで、年収アップの説得力が高まります。

STEP3:年収交渉はオファー面談のタイミングで行う

内定が出た後に企業と条件面のすり合わせをする「オファー面談」は、年収交渉の絶好のタイミングです。この場では、「現職では○○万円で、生活水準やキャリアを考えると□□万円が希望です」と、根拠ある金額を提示しましょう。

STEP4:プロに任せる

自分では言いづらいという人は、転職エージェントに交渉を代行してもらうのがおすすめです。エージェントは企業とのパイプを持っているため、応募者が直接伝えるよりもスムーズに交渉が進む場合が多いです。

転職エージェント末永
転職エージェント末永
リクルートエージェントは日本トップクラスの転職エージェントで、企業とのパイプが強いため、応募者が直接伝えるよりもスムーズに交渉が進む場合が多いです。

ただ転職するだけでは年収アップは難しい

年収を上げるために転職を考える人は多いものの、転職=年収アップとは限りません。むしろ、転職後に「思ったほど年収が上がらなかった」と後悔する人も少なくありません。

あえて年収を下げる転職もある

将来的に市場価値やスキルを上げたいと考える人の中には、あえて年収を下げてでも経験を積む道を選ぶケースもあります。特に「成長したい」「裁量のある仕事に挑戦したい」という理由で、大手企業からスタートアップへ転職する人が増えています。

このような場合、多くは年収が一時的に下がることを前提にしており、それでもやりがいや経験の価値を重視する人が多いのです。

やりたい仕事と年収アップは両立しにくいことも

やりたい仕事に挑戦するよりも、自分が経験のある仕事に就いたほうが年収が上がりやすいというのが現実です。そのため、年収アップを優先したい場合は「やりたいこと」を一時的に諦める決断が必要になることもあります。

一方で、たとえ経験のある職種であっても、業界全体の需要が下がっている場合は年収アップが難しいことも。そうした場合は、未経験職種に思い切ってチャレンジしたほうが将来的に得られる年収が高くなる可能性もあります。

転職の条件には優先順位をつけることが大切

転職を成功させるためには、自分の中で「譲れない条件」と「妥協できる条件」を明確にしておくことが重要です。もし年収アップを最優先にするのであれば、勤務地、仕事内容、企業規模など、その他の希望条件はある程度柔軟に考える必要があるでしょう。

短期ではなく10年後の年収アップを見据える

転職してすぐに年収アップできなくても、中長期的に年収が上がるキャリア設計ができているかどうかが重要です。たとえば、未経験の職種に転職した場合、最初は年収が下がるかもしれませんが、スキルを磨くことで将来的には大幅な年収アップも可能です。

特に20代〜30代前半での転職であれば、今までの経験にとらわれず、将来性や成長性を重視した選択ができるタイミングでもあります。

戦略的なキャリアアップで年収を上げる時代へ

今は、「好きな仕事を自由に選べる時代」と言われています。そんな中、年収アップを目的に、戦略的にキャリアアップを図る人が増えています。

とくに近年は、将来の理想的な働き方や収入をイメージしながら、逆算して転職を含むキャリア設計をする人が増加中です。目的が明確であればあるほど、キャリア形成の質も高まっていきます。

年収アップには「逆算型のキャリア設計」が有効

年収を上げるうえで有効なのが「最終的に目指す年収から逆算してキャリアを組み立てる」という考え方です。

たとえば「10年後には年収800万円を目指したい」と考えるなら、その目標に到達するために必要なスキルや職歴を計画的に積み重ねていく必要があります。

このように逆算型のキャリア設計は、ただ何となく転職を繰り返すよりも、年収を効率的に上げるための現実的な方法として注目されています。

独りよがりの判断はNG。相談することがカギ

一方で、自分ひとりでキャリア戦略を立ててしまうと、思わぬ方向に進んでしまうリスクもあります。自分では「良い判断をした」と思っていても、実は市場価値とかけ離れていたり、将来性のない業界を選んでしまっていたというケースも少なくありません。

だからこそ、信頼できる上司や、社外の経験豊富な友人、プロのキャリアコーチなどと相談しながら設計することが重要です。最近では、将来に迷うビジネスパーソン向けに、有料のキャリアコーチングサービスを活用する人も増えています。

「なんとなく転職」は失敗のもと

SNSや求人メディアの普及で、かっこいい職種や人気企業に目が向きがちですが、見た目のブランドだけで転職を決めるのは危険です。

たとえば、「マーケターって楽しそう」「コンサルって年収が高そう」というイメージだけで動くと、実際の仕事内容や適性とのギャップで後悔する可能性が高まります。

転職で後悔しないためには、表面的な印象にとらわれず、業務内容や会社の実情をしっかり調べることが不可欠です。

正確な情報を得るなら転職エージェントを活用しよう

転職において最も大切なのは、できるだけ多く、そして正確な情報を集めること。求人票やWeb検索だけではわからない企業の内情や職場環境を把握するには、転職エージェントの活用が有効です。

転職エージェント(人材紹介会社)には、各業界に精通したアドバイザーが在籍しており、あなたの年収・スキル・希望条件に合った求人を提案し、面接対策や年収交渉のサポートも行ってくれます。

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特に戦略的にキャリアを築いていきたい人にとっては、エージェントは信頼できるキャリアのパートナーとなるでしょう。
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給料交渉で押さえておくべきポイントとNG例

給料交渉は、転職活動で最も慎重さが求められる場面の一つです。成功するためには、伝え方とタイミングが非常に重要になります。

成功する給料交渉のポイント

根拠を明確にする:「現職での実績」「業界平均」「生活費」など、合理的な理由を伝える

前向きな姿勢を忘れない:「この企業で長く働き、貢献していきたいからこそ、納得できる条件でスタートしたい」と伝える

例文:「現職での年収が○○万円であり、業務内容や責任範囲から見て□□万円を希望しています。御社で成果を上げる自信があるので、前向きにご検討いただけると幸いです。」

NGな交渉の例

そちらで決めてください」 → 交渉の余地を自分から放棄してしまう

他社はもっと出すと言ってるので」 → 圧力をかけるような言い方は印象が悪い

早すぎる段階で金額の話をする → 書類選考や一次面接の段階で給料ばかり話すのはNG

年収交渉はあくまでも交渉です。強気すぎず、しかし遠慮しすぎず、戦略的に進めることが成功のカギになります。

転職で年収アップを実現した転職体験談

転職で年収アップに成功した事例と、逆に年収アップに失敗して後悔した事例を、男女それぞれの視点で紹介します。

年収アップ成功事例(男性|営業職 → ITベンチャーのカスタマーサクセス)

東京都在住のAさん(30歳・男性)は、メーカー系の法人営業として年収440万円で働いていました。個人の成績は悪くなかったものの、会社の業績が悪く将来に不安を感じていました。転職エージェントに相談し、自身のコミュニケーション能力を活かせるITベンチャー企業のカスタマーサクセス職にチャレンジ。

未経験職種ながらも、月に50件以上の顧客対応実績をアピールした結果、年収は一気に500万円にアップ。Aさんは「営業経験が意外にもカスタマーサクセスで評価された。転職後は残業も減り、プライベートも安定した」と語っています。

年収アップ成功事例(女性|事務職 → Webディレクター)

Bさん(28歳・女性)は、都内の中小企業で一般事務をしており、年収は300万円台前半。デザインが好きで独学でWebの知識を学び、社内の広報サイト制作にも携わっていた経験を武器に、Web制作会社のディレクター職に転職。

未経験ではあったものの、ポテンシャルと自発的な学習姿勢が評価され、初年度年収は400万円にアップ。Bさんは「事務職のスキルだけでは将来が不安だった。転職後はやりがいも収入も増えて、もっと早く挑戦すればよかった」と話しています。

年収アップ失敗事例(男性|インフラエンジニア → フリーランス)

Cさん(32歳・男性)は、大手SIerに勤務し安定した収入を得ていましたが、フリーランスならもっと稼げると思い独立を決意。フリーランスとしてIT業務委託を請けるも、案件の獲得に苦戦。結果的に年収は600万円から400万円台にダウン。

加えて税金・保険の負担やスケジュール管理のストレスも増え「会社員の安定と福利厚生のありがたさに気づいた」と語ります。現在は正社員復帰を検討中です。

年収アップ失敗事例(女性|保育士 → 営業職)

Mさん(26歳・女性)は、保育士として働いていたものの、低賃金と体力的な負担から「年収アップできる仕事に就きたい」と思い、人材系企業の営業職に転職。しかしノルマや数字プレッシャーの大きさに精神的な負担を感じ、転職後半年で退職を検討することに。

「たしかに年収は保育士時代より50万円上がったけれど、仕事が辛すぎて長くは続けられなかった」とMさん。現在はキャリアを見直し、福祉系の公務員試験を目指して勉強中です。

年収アップ成功事例(男性|製造業の工場長 → 外資系メーカーの拠点マネージャー)

静岡県在住のTさん(44歳・男性)は、自動車部品メーカーの工場長として働いていましたが、年収は550万円で頭打ちに。地方にいながらもグローバルで働きたいという想いから、外資系メーカーの製造拠点マネージャー職に転職。

英語力と品質管理体制の改善実績が評価され、年収は約700万円にアップ。Tさんは「地方在住でも転職のチャンスはある。管理職としての経験は業界をまたいでも武器になる」と語っています。

年収アップ成功事例(女性|地方自治体の嘱託職員 → 民間企業の総務リーダー)

岡山県在住のNさん(41歳・女性)は、地方自治体の嘱託職員として年収280万円で働いていました。非正規という立場に不安を感じ、転職活動を開始。地元に本社を置く中堅メーカーの総務部リーダー職に転職し、年収は一気に400万円へアップ。

「40代・地方・女性という不利な条件が揃っていると思っていたけれど、経験の深さを評価してくれる企業はある。転職エージェントのサポートが心強かった」と語ってくれました。

年収アップ失敗事例(男性|管理職 → スタートアップ幹部)

大阪で中堅商社の営業部長を務めていたHさん(46歳・男性)は、「裁量あるポジションで稼ぎたい」とスタートアップに役員待遇で転職。年収は表面上700万円→800万円に上がったが、実際には残業代なし・賞与も不安定・株式報酬も未確定。

さらに、部下が少なく現場業務も兼任する状況に疲弊し「肩書きは良くても実質的な働き方や待遇をもっと慎重に見ておくべきだった」と後悔しています。

年収アップ失敗事例(女性|地方・大手企業 → Uターン転職で給料ダウン)

東京の大手広告代理店で働いていたFさん(39歳・女性)は、結婚を機に地元・福岡へUターン転職。年収は550万円→380万円にダウン。

「年収は下がっても生活コストも下がるから」と思っていたものの、スキルや実績が思った以上に評価されず、やりがいも激減。「企業文化の違いもあり、自分のやり方が通用しないのがつらい。もう一度キャリアを立て直したい」と語り、現在はフリーランスで再起を図っています。

転職で死ぬほど後悔しないために

転職で年収アップを目指すには、事前の情報収集と戦略的なアプローチが欠かせません。市場価値を正しく把握し、適切な給料交渉を行うことで、転職後に後悔しない年収アップを実現できます。

社会人生活が長い20代~30代は、市場価値を正しく把握し、短期的な年収アップだけを目的にせず、長期的なキャリア設計も含めて、年収の伸びしろを見極めることが重要です。

もし転職活動に不安がある方は、転職エージェントに相談するのも一つの手です。年収アップや給料交渉に強いプロのサポートを受けながら、理想のキャリアを実現しましょう。

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末永 雄大
青山学院大学卒業後、リクルートキャリア(現リクルート)に新卒入社。リクルーティングアドバイザーとして、企業の中途採用を支援。2012年アクシス株式会社を設立。代表取締役に就任。現役キャリアアドバイザーとして転職支援を行いながら、インターネットビジネスの事業開発、講演活動、執筆活動を行っている。著書「成功する転職面接」「キャリアロジック」