失業保険を受給するためには、認定日までに2回の就職活動実績(求職活動実績)を作らなければなりません。
しかし、セミナー受講で就職活動実績を作りたいと考えている人のなかには、セミナーが就職活動実績として認められるのか、また具体的にどのようなセミナーが実績になるのか疑問に思っている人も多いのではないでしょうか。
今回はセミナー受講で実績を作るための方法やセミナーを開催している民間機関、失業認定申告書の記入方法を、転職支援実績10年以上の転職エージェントがプロの目線で解説します。

セミナー受講は就職活動実績になる!
ハローワークや民間企業が開催するセミナーの多くが、活動実績として認められます。実際に、再就職に関する内容のセミナーなら就職活動実績として認められることが「雇用保険の失業等給付受給資格者のしおり」に記されています。
- ハローワーク等、船員雇用促進センターが行う各種講習、セミナーの受講
- 許可・届け出のある民間機関(民間職業紹介事業所、労働者派遣事業所)がおこなう求職活動方法等を指導するセミナー等の受講
- 公的機関等(独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構、地方自治体、求人情報提供会社、新聞社等)がおこなう各種講習・セミナー、個別相談ができる企業説明会等の受講、参加等
民間機関のセミナーでも就職活動実績になりますが、セミナーの案内に実績になるか記載されていない場合は、念のため公的機関であるハローワークに確認をとるようにしましょう。

就職活動実績を作れるセミナーの開催先
就職活動実績を作れるセミナーの開催先には、以下の施設やサービスがあります。
それぞれの特徴を紹介するので、セミナー探しの参考にしてみてください。
転職エージェント
転職エージェントではオンラインセミナーが開催されており、自宅から受講が可能です。再就職に役立つセミナーを選べば就職活動実績になるので、セミナーを主軸とした求職活動をおこないたいと考えている人は登録しておきましょう。
就職活動実績になるオンラインセミナーが多数開催されているのは、リクルートエージェントとdodaです。それぞれの特徴を確認してみてください。
サービス名 | リクルートエージェント | doda |
---|---|---|
求人数 (2025年10月時点) |
948,590件 | 281,030件 |
サービス区分 | エージェント型 | サイト・エージェント一体型 |
料金 | 完全無料 | 完全無料 |
対象者 | 20代〜50代 | 20代〜50代 |
強み | サポートが手厚い | 求人数が豊富 |
どちらか迷った際におすすめなのはリクルートエージェントです。以下のようなテーマでセミナーが開催されており、再就職に役立つ知識を多数得られます。
- 転職支援セミナー
- キャリアデザインセミナー
- 業界特化型セミナー
- 第二新卒向けセミナー
日程によって開催されるセミナーが異なるため、利用登録を済ませてから「イベント情報」をチェックしてみてください。
リクルートエージェントはオンラインセミナーの種類が豊富なので、自宅にいながらスキルアップを目指せます。就職活動実績を作りながらスキルアップを目指したい人や、自信を付けたい人にはうってつけです。

また、圧倒的な求人数を誇るため、求人探しにおいても恩恵を受けられますよ。
dodaもオンラインセミナーの受講先として人気の高い転職エージェントです。就職活動実績になるセミナーも多数開催されていますが、dodaの場合は受講後の確認テストに回答して求職活動証明書を受け取る必要があります。
より手軽に就職活動実績を得たい人は、リクルートエージェントの利用を検討してみましょう。
以下の記事では、リクルートエージェントやdodaのオンラインセミナーを就職活動実績にする方法を紹介しています。さらに詳しく知りたい人は、併せて確認してみてください。
ハローワーク
ハローワークでも求職者向けのセミナーが定期的に開催されています。
- 就職支援セミナー
- マイページ活用セミナー
- キャリアデザインセミナー
- ジョブカードセミナー
- アンガーマネジメントセミナー
- 生涯現役セミナー
- シニアセミナー
ハローワークはハローワークは厚生労働省所管の公共職業安定所のことで、失業した人への再就職支援や職業訓練など、企業と人をつなげる役割を担っています。
また、雇用保険関係の手続きもおこなっており、失業中の人に対して失業保険を給付したり、失業状態を定期的にチェックしたりすることで、再就職への支援をおこなっています。

自治体の就職支援センター
自治体の就職支援センターを利用すれば、受講するセミナーの選択肢を大幅に増やせます。自治体の就職支援センターは都道府県の県庁所在地だけでなく、地域拠点が置かれているので、数多くのセミナーが開催されているからです。
- 就職支援セミナー
- 自己理解セミナー
- 面接対策セミナー
- 業界・企業研究セミナー
- しごと発見セミナー
再就職に役立つ実践的な内容だけでなく、業界の実情を知る機会や新しい仕事に出会うきっかけとなるセミナーも多数開催されています。

オンラインセミナーの受講が可能な就職支援センターもあるので、遠方からでも気軽に就職活動実績を作れます。
自治体の就職支援センターには、以下のような施設が挙げられます。
- 東京しごとセンター
- 大阪しごとフィールド
- ひょうご就職サポートセンターなど
自治体の就職支援センターには「しごとセンター」や「就職サポートセンター」などの名称が付いていることが多いので、探す際の参考にしてみてください。
ジョブカフェ・地域若者サポートステーション
ジョブカフェや地域若者サポートステーションでも、就職活動実績になるセミナーが開催されています。就労支援施設ではあるものの、カジュアルな雰囲気となっており、若者でも来所しやすい点が特徴です。
ジョブカフェ・地域若者サポートステーションで開催されているセミナーには以下のような内容があります。
- 自己分析セミナー
- 応募書類作成セミナー
- 仕事理解・業界研究セミナー
- 面接対策・模擬面接セミナー
選考に役立つ内容が多数開催されているので、選考時の対策を万全にしておきたい人にとって有益なセミナーといえます。

具体的な施設をいくつか紹介します。
- かながわ若者就職支援センター(ジョブカフェ)
- 大阪市地域若者サポートステーション
- 京都ジョブパークなど
ジョブカフェ・地域若者サポートステーションは主に39歳以下の若年層を対象としており、仕事に役立つコミュニケーションスキルを磨くトレーニングなどもおこなっています。若年層の就職活動におすすめの施設です。
就職活動実績を作るためにセミナーを選ぶときのポイント
就職活動実績を作るためにセミナーを選ぶときには、以下の点を押さえておきましょう。
ポイントをしっかり押さえておけば、スムーズに就職活動実績が作れるので、認定日まで気持ちに余裕を持って過ごせます
自分の課題に合ったものを選ぶ
セミナーに申し込む際には、自分の課題に合ったものを選びましょう。課題を感じている内容に関するセミナーを受講すれば、特定の物事に対する苦手意識がなくなったり、新たなスキルを習得できたりと自己成長につながりやすいからです。
パソコンが苦手な人はオンライン面接に関するセミナー、自分のアピールポイントがわからない人は自己分析に関するセミナーなど、必要性の高さを感じる内容を選ぶことが大切です。

対面式かオンラインかを確認する
対面式のセミナーなのか、オンラインセミナーなのかを前もって確認しておくことも大切です。受講方法をしっかり確認しておかないと、当日にセミナーに参加できなくなる可能性があります。
オンラインセミナーを対面セミナーだと勘違いしたり、対面セミナーをオンラインセミナーだと勘違いしたりすると、当然ながら受講ができません。

オンラインセミナーで就職活動実績を作る方法については、以下の記事でも解説しています。ぜひ併せて目を通しておきましょう。
受講証明になるものを受け取る
セミナーを受講する際には、受講証明になるものを受け取るようにしましょう。受講した事実を証明できるものがなければ、実績の根拠を提示できないので、就職活動実績にみなされない可能性があります。
ハローワークのセミナーでは受講者の情報を管理しているため、受講証明書を受け取り忘れたとしても情報を調べれば事実確認が可能です。
しかし、民間のセミナーはハローワークが受講状況を管理しているわけではないので、受講証明書やメール等の提示で確認するしかありません。

以前受けたセミナーと内容が異なるものを選ぶ
受講セミナーを選ぶ際には、受けたことのあるセミナーと内容が異なるものを選ぶようにしてください。以前受けた内容と同じセミナーを受講したとしても、実績としてカウントされないからです。
一度受講したセミナーで就職活動実績を作れるのは1回きりです。再受講したとしても、同じ内容のセミナーで複数回の実績は作れません。
セミナーでの就職活動実績作りを繰り返していると、これまでにどのようなセミナーを受講したのかわからなくなることがあります。スケジュール帳に記入したりメモに記録を残しておくなどして、受講内容を覚えておくことが大切です。

内容の重複を避けながらセミナーを受講するのが容易になるので、登録しておけば外出せずに就職活動がおこなえるようになりますよ。
複数回のセミナー受講実績が作れるので、ぜひ選択肢に加えてみてください。
再就職に関連する内容のセミナーを受講する
再就職に関連する内容のセミナーを受講することも大切です。再就職と無関係な内容は就職活動とはみなされず、実績も付かないからです。
以下のような内容は実績にならないので注意してください。
- 投資や資産運用に関する内容
- 整理収納に関する内容
- 料理に関する内容
受講するセミナー選びに迷ったときには、再就職に役立つ情報やスキルについて学べるセミナーを受講しましょう。

セミナーで参加証明書を取得する方法
セミナーを受ける際には、参加証明書を取得しなければなりません。対面セミナー・オンラインセミナーそれぞれについて、参加証明書を取得する方法を把握しておきましょう。
どのような方法があるのか確認しておけば、ハローワーク以外の場所でもセミナーを受講しやすくなります。
対面セミナーの場合
対面セミナーで就職活動実績を作った場合は、参加証明書や受講証明書を受け取りましょう。対面セミナーの場合は、セミナー終了後に発行されることがほとんどです。
受講後の感想を提出する際に自分で設置場所から取っていくパターンも多いので、もらい忘れに注意しなければなりません。

オンラインセミナーの場合
オンラインセミナーの場合、基本的に紙面での参加証明書や受講証明書は受け取れません。しかしWeb上のデータであっても、セミナー参加を裏付けるものがあれば実績証明になります。
参加証明書がデータで届く場合のほか、セミナー後の御礼メール等でも実績証明に用いることができます。
利用する施設やサービスによって参加証明になるものはそれぞれ異なるため、不安な場合は開催先に確認しておくことが大切です。

セミナーでの就職活動実績を失業認定申告書に記入する方法
セミナーでの就職活動実績を失業認定申告書に記入する方法を解説します。まずは以下の記入例を確認してみてください。
「求職活動の方法」欄では、就職活動に利用した施設やサービスに該当するものを選んでください。今回の例では、公共職業安定所(ハローワーク)と職業紹介事業者(リクルートエージェント)なので、(ア)と(イ)が該当します。
次に「活動日」ですが、セミナーの受講日を記入しましょう。「利用した機関の名前」には施設やサービスの名称を記入します。
「求職活動の内容」欄には、セミナー(オンラインセミナー)受講と記載してから、具体的な内容を記入してください。

以下の記事では失業認定申告書の記入例として、dodaのセミナーを就職活動実績にする申告書の書き方を紹介しています。こちらも参考にしながらセミナーの実績を正確に記入しましょう。
【対面・オンライン】受講スタイル別のメリットとデメリット
対面セミナーとオンラインセミナーには、それぞれ異なるメリットとデメリットがあります。
メリットばかりを見て決めるのではなく、デメリットも踏まえたうえで自分に合ったスタイルを選ぶことが大切です。
対面セミナーのメリットとデメリット
まずは対面セミナーのメリットとデメリットを紹介します。
対面セミナーのメリット | 対面セミナーのデメリット |
---|---|
〇臨場感を得られる 〇理解度が深まる 〇一体感を得られる 〇コミュニケーションが取りやすい |
〇会場への移動時間やコストが生じる 〇3時間ほどのまとまった時間が必要 〇遠方のセミナー参加は難しい 〇感染リスクがある |
対面セミナーの場合、会場内に講師と受講者が直接集まるため、意見交換や質疑応答などのコミュニケーションが取りやすいメリットがあります。また、会場内の空気感を肌で感じられるので、臨場感や一体感を得られます。
また、集中できる環境でセミナーを受けられるため、内容の理解度が深まりやすい点も対面セミナーならではのメリットです。
対面セミナーのデメリットは、会場への移動時間やコストが生じることです。また、距離的な問題から遠方へのセミナー参加が難しく、移動時間を考慮して時間を確保しなければならない点も、求職者の負担となりやすい点です。
セミナー会場には不特定多数の人数が集まるので、感染症のリスクも理解しておかなければなりません。

オンラインセミナーのメリットとデメリット
続いて、オンラインセミナーのメリットとデメリットを確認しておきましょう。
オンラインセミナーのメリット | オンラインセミナーのデメリット |
---|---|
〇場所を問わずに受講できる 〇移動時間やコストがかからない 〇遠方のセミナーでも受講できる 〇アーカイブ受講が可能な場合がある |
〇集中力が途絶えやすい 〇通信環境の影響を受けやすい 〇体験系の受講内容がない 〇コミュニケーションが取りにくい |
オンラインセミナーは、ネットがつながる環境なら好きな場所から受講できます。会場への移動が不要なため時間やコストが削減でき、誰でも参加しやすい気軽さが魅力です。
アーカイブ(録画視聴)受講が可能なセミナーがあり、時間や場所にとらわれず好きなタイミングで就職活動実績を作れる点も助かります。
しかし、オンラインセミナーは慣れた環境で受講するため集中力が途絶えやすく、講師や他の受講者とのコミュニケーションが取りにくい傾向があります。

民間のオンラインセミナーで就職活動実績を作る方法は、以下の記事でも紹介しています。併せて読めばさらに理解が深まるので、ぜひ目を通してみてください。
就職活動実績を簡単に作れるセミナー以外の方法
簡単に就職活動実績を作りたい人は、セミナー以外の方法を併用するのがおすすめです。セミナー以外の就職活動の方法には、以下のものがあります。
セミナー受講以外にもできそうな就職活動がある場合は、積極的に行動してみましょう。
【おすすめ!】転職エージェントのキャリア相談
セミナー以外で簡単に就職活動実績を作りたい人は、転職エージェントでキャリア相談を受けてみてください。
転職エージェントのキャリア相談なら、オンラインセミナーと同様に自宅で実績作りが可能です。移動時間もコストもかからず、事前予約制なので待ち時間も発生しません。

個人の強みやアピールポイントの分析をサポートし、効果的な伝え方を教えてくれるので、就職活動に不安がある人にとって心強い後ろ盾となってくれますよ。
就職支援実績が豊富なキャリアアドバイザーに相談したい人は、リクルートエージェントのキャリア相談を利用してみてください。
転職サイト・転職エージェントでの求人応募
転職サイト・転職エージェントでの求人応募も就職活動実績になります。求人応募はハローワーク以外の場所からおこなっても実績として申告可能です。
求人に応募した事実を証明できれば、実績にカウントしてもらえるので、求人に応募した際は証明になるものを保存しておく必要があります。

転職サイトや転職エージェントでの求人応募が求職活動実績に含まれるか?は、下記の記事で詳しく解説しています。
就労支援機関での職業相談・キャリア相談
就労支援機関での職業相談やキャリア相談で就職活動実績を作るのも1つの方法です。就労支援機関での職業相談やキャリア相談は、再就職に対する悩みや疑問を解消したり、自分の強みや売り込み方を学んだりするための目的があるからです。
大人数で受けるセミナーとは違い、1対1で向き合ってもらえるため、セミナーと同等以上の支援効果を得られます。

ハローワークで求職活動の実績作りをする方法についてさらに詳しく知りたい人は、以下の記事も併せてチェックしてみてください。
就労支援機関での求人応募
就労支援機関での求人応募も、就職活動実績を作る際に比較的簡単な方法です。ハローワーク・民間機関問わず、求人に応募するだけで実績が作れるため、応募企業がすでに決まっているときは実績作りも兼ねて応募してみましょう。

注意されるだけでなく、失業保険の受給停止にもつながるリスクがあるので、十分に注意しましょう。
国家資格や検定の受験
資格や検定のために勉強していることがある人は、受験が就職活動実績として認められる可能性があります。ファイナンシャルプランナーのような国家資格や秘書検定など、再就職に役立つ資格や検定であれば受験が就職活動とみなされるからです。
実績作りのために資格や検定試験を受けるのは大変ですが、受験を予定している場合は、実績を作れる機会として活用しましょう。
受験はこれまでの学習の成果を示すための行動なので、再就職への前向きな姿勢が評価されます。

以下の記事では就職活動実績の裏ワザを多数紹介しています。最短で失業認定を通す方法を解説しているので、ぜひ併せて読んでみてください。
セミナーで就職活動実績を作る際によくある質問
セミナーで就職活動実績を作る際によくある質問をまとめました。
気になる質問がある人は、回答を確認しておきましょう。
セミナーだけで就職活動実績を作ることは問題ないので、受講したいセミナーがあれば機会を逃さないようにしましょう。
ただし、同じ内容のセミナーを複数回受講しても、2回目以降は実績としてカウントされない点には注意してください。
セミナーの内容が再就職に関するものであれば就職活動と認められます。日中忙しいときや認定日直前で実績要件を満たせていないときの緊急対策としても活用してみてください。
ただし、対面セミナーの場合は受講する際に会場まで足を運ばなければなりません。セミナー自体が無料でも、公共交通機関の運賃やガソリン代は自己負担です。
セミナーの会場が遠い場合は移動コストがかかる点に注意が必要です。
通信環境は、オンラインセミナーの受講しやすさや内容の理解度に大きく影響します。
インターネット通信が途切れやすい場合は、Wi-Fiルーターの設置場所を変えたり回線接続に変更するなどして、通信環境を事前に整えておきましょう。
就職活動実績を複数回作る場合は、異なる内容のセミナーを受講する必要があります。
同じような内容ばかりを受講するのではなく、幅広い内容のセミナーを受講して、多方面でのスキルアップを目指しましょう。
就職活動実績になるセミナー受講ならリクルートエージェントがおすすめ
セミナー受講で就職活動実績を簡単に作りたい人には、リクルートエージェントを利用するのがおすすめです。リクルートエージェントは再就職に役立つオンラインセミナーが多数開催されており、就職活動をおこないながら自身のスキルアップを目指せます。

また、受講歴のない内容のセミナーを選べば複数回の実績が作れるため、セミナーの受講先を探し回らずに済みますよ。
セミナー受講後は、実績証明に利用できる「参加御礼メール」が自動的に届く仕組みになっているので、対面セミナーのように実績証明書をもらい忘れる心配も不要です。
手軽に就職活動実績を作りたい人は、ぜひリクルートエージェントを活用してみてください。